双眼望遠鏡HOME > 天体双眼望遠鏡入門
はじめに
今、ここへ目をとめた貴方は「天体双眼望遠鏡」に何かの思いを感じているのでしょう。
その双眼望遠鏡への思いは、今から、必ずあなたの素晴らしい発見と希望と喜びを生み出していく事でしょう。
少しでもお役に立てればと、私の知る限りの事をここにしるし共にこの新しいジャンルの天体観望を切り開いていきたいと思います。いざっ!
私、KIKUTAは天体観望に双眼望遠鏡を用いることを好んでいます。
しかし、この方法は、従来とはちがったスタイルで前例も少なく、それこそ専門的に書かれた書物などは一切無く自分達で開発途上のものです。従って、トライ&エラーからの事柄や、予測的見地も含まれ、あくまでもこの様に考えているといった前例として伝えしたいと考えています。
趣旨をご理解の上皆様と共に、この素晴らしい「天体双眼望遠鏡」の未来を作って行かれれば、と考えます。
ここでの観望対象は宇宙に限定して書いてます。
地上での観望は市販一般品でも十分なのであえて触れておりません。御考慮ください。
又ここに書かれていることなどは全て自己責任において実行をお願いします。
双眼望遠鏡イベントに持ち込まれた数々の作品。
もくじ
双眼望遠鏡のすすめ
宇宙を目で見る喜び、楽しさ。
それを追求して行くと人は「天体双眼望遠鏡」にたどり着きます。
人は普段から2つの目を開いて生活をし、その2つの目の情報を脳が合成し完成した像としてとらえ、「美の感動」「科学の情報」等としています。
自然な姿で望遠鏡を覗く事が出来れば、心は何のストレスも無く無限の宇宙に溶け込んでゆくでしょう!
普通、天体観測をはじめ、経験が増して行く中で「感動的な天体」「不思議な銀河」達等を見つけはじめ面白さが広がります。
それが進み行くと「天体望遠鏡」の喜びを感じながらも、同時に「見難さ」による疑問がとても大きく感じるようになります。
その限界を感じ天体写真の道へ分かれていく方も多いと思います。
天文学者の方たちは解像度、倍率の開発で未発見分野の探索に精を出しています。(現在は可視広域を出てしまっていますが・・・)
その為に、見る行為自体へ気を回すより、どこまで見えるか?の為に新しい機材を開発して進んでいます。
所謂私たちアマチュアの天文ファンの多くはそう言った最先端のものに憧れイメージを確立しついついその固定観念からはなれる事は出来なくなってしまうものです。
しかし、私たちアマチュアの場合、いくら経済的に豊かだとしてもスケールに限界が有ります。
とかくその矛先は「やれそのブランド云々」等々、それぞれの世界観や固定観念の中で燻ってしまうものです。
つまり、私たちの望遠鏡の口径は限界点に近付いています。
光学性能も然りです。
道をそれない為にも一歩引いた所から、ちょっと考えて見ましょう。
「天体観測で目が疲れませんか?」
「片目で見る天体に不自然を感じませんか?」
そこなんです。人は画像を認識する場合、両目で物を見るとき最も高性能に成るように出来ているのです。
今までの天体望遠鏡は決して完成されたスタイルではないと言う事です。
趣味ですから無理の無い快適な機材で楽しみたいものです。
既存アマチュアの限界を大きく上回るポテンシャル、そんな「双眼望遠鏡」を一度のぞいてみてください。
新しい宇宙への接し方が湧き上がってくることでしょう。
もうひとつこの「双眼望遠鏡」の侮れない部分があります。
それは「集光力」です。
最大瞳径の2倍の集光力を高い倍率で稼動することもこの機材ならではではないでしょうか?
さあ、究極の天体観測をはじめましょう!
きっと宇宙の美しさをハイファイで楽しむ事になりますよ。
実際に双眼望遠鏡を楽しんでいる方が増え続けています。
さあ、あなたも宇宙シアターで存分に、新宇宙体験しましょう!!
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天体双眼望遠鏡とは?
双眼望遠鏡とは、「天体望遠鏡を2本並べ両目で見る事が出来る望遠鏡」になります。
両目を使い楽な姿勢で眼視による天体観測を行なう道具とでも表現しましょうか?
従来は高価な望遠鏡を2つ使うと言う概念が無かったのかもしれません。
類似する物に「双眼鏡」がありますが、次の点でカテゴリーを分けます。
|
天体双眼望遠鏡 |
双眼鏡 |
大型双眼鏡 |
観測目的 |
天体観測 |
地上観測 |
地上観測・低〜中倍率天体観測 |
構造 |
上空を長時間観測できる構造 |
水平方向を手軽に観測する |
双眼鏡を大型化し架台設置で使用 |
光学性能 |
低倍率から高倍率まで可能 |
低倍率のみ |
低倍率中心、中倍率可能な機種もある |
天体双眼望遠鏡をまとめてみますと・・・
基本構造は
天体望遠鏡を2本並べ両目で使用する。
特徴は
高性能である。
倍率を低倍率〜高倍率まで自由に変動できる。
天頂まで自在に観望が可能。
市販品でも「双眼望遠鏡」と呼べるものは多少存在します。
しかし、双眼望遠鏡は「高性能」を特徴に挙げている事がポイントになります。
その部分はこの先に記して行きたいと思います。
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「疲れ知らずの天体観測」
ごく当たり前に万人は、天文学者が天体観測をしている姿に1本の望遠鏡へ片目で覗き込んでいる姿を想像するでしょう。
そんなサイエンスティックな姿に憧れ、大人になって子供のころ夢見た天体望遠鏡を手にする方も多いと思います。
他聞にもれず私もそんな口でした。
ここを見られている方は往々にして天体望遠鏡の経験者が多いと考えます。
当たり前だと慣れてしまっている方は別と致しましても、片目で見るご自分の目の能力へ疑問を投げ掛けた事があると思います。
言い方を代えてみます。
素晴らしいサウンドを個人で体験する場合「片耳イヤーホン」で聞くのと「ステレオヘッドフォン」で聞くのと、あなたはどちらを選択するでしょう?(宇宙は無限遠だからステレオでは無い、という意見は「マトリックスステレオ」というあたりで理解願います。)
如何ですか?
少なくとも、通常と違う行為は余程な人を除いて障害を感じてしまうでしょう。
望遠鏡を覗いていて「目が疲れる」と感じる事があるでしょう。
ところが普段の生活においてそれほど目が疲れる事はありますか?
よっぽど過酷な使い方をしないと「あー今日は目が疲れた!」なんていう事はなかなか無いと思います。
それほど簡単に目が疲れてしまう天体観測は、その、普段とまったく違う物の見方をするわけです。
普段は両目で物を見るのが当たり前なのに、片目だけで見続けなくてはならない。
如何です?望遠鏡を使うというのは目を酷使していることになるでしょう。
私の場合、その上乱視用のコンタクトレンズを使用していた為、レンズが少しでもずれると非常に大きなストレスと成っていました。両目で物を見ていた場合なら片側が少しずれたぐらいでは何の支障も有りませんが、片目だとそれが全ての結果となってある程度の時間で涙が止まらないほどの状態になることもしばしばでした。
人それぞれなので、当たり前のように単眼視をして来た事に、否定する気持は全く有りません。しかし、私はその様な経歴の中で、ふと、両目で見るのが本来の姿ではないかと思いが強くなり新たな概念が生まれてきました。
ここ数年で、双眼望遠鏡の普及は目覚しい物があります。
この疑問が、正しい事のように、双眼望遠鏡や双眼装置を手にしたほとんどの方が、「双眼は目が疲れないので長時間の観望絵御楽しめる」と、口をそろえます。
もう一つの効果を感じてください。
「大きく見える宇宙!」体感的な部分ですが、これこそ双眼の醍醐味です。
理論的には上手く説明できませんが、体感的には1.4倍とも1.6倍とも言われるほど像が大きく近づいて見えます。
原因は構造上の問題ではなく、脳の処理で起こるのでしょう。
像自体が手前に引く寄せられ、まるで「宇宙船の窓から覗いた!」という形容が浮かびます。
是非体験いただきたい部分です。
天の川を流す。大型の銀河を眺める。
究極の「リッチ・フィールド」はここを置いて他に無いでしょう?
大型の双眼望遠鏡で「M42」を見た事がありますか?
「M31」の銀河の中へ行った事はありますか?
射て座周辺の宇宙旅行は「双眼望遠鏡」の切符が必要です・・・。
「ダイナミックな宇宙」
大きく見える「双眼望遠鏡」の醍醐味です。
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「双眼装置」
さて、天体双眼望遠鏡に入る前に「双眼視」の実現方法の一つとして「双眼装置」を考えてみたいと思います。
望遠鏡メーカーのカタログを見ると、大手と言われる所は「双眼装置」と呼ばれる物を一つぐらいは販売しています。
1つの光路を2つに分け両目で見ることのできるアタッチメントです。
天体望遠鏡に接続する事で、両目観測を可能にするアタッチメントです。
まさに双眼望遠鏡と同じ結果へ導けそうな物ですね。
上、2インチタイプ自作品 下、アメリカンサイズ市販品 「ビノビュー」
実際にはこの様な形で使われています。
この様な形で観望しますと非常に楽で快適な観望が可能です。
しかし、現在の高性能な機器を使っていますと光路が2つに分かれる事で減光が気になります。
それ以上に内在しているプリズムが光路上の障害となってコントラストを低下させ鏡筒本来の機能を下げてしまいます。
対象が惑星など光量が多い場合はコントラストの低下は少なく感じますが淡い星雲星団は問題がるように思われている方もいるようです。
一つの結論
「双眼装置」を使った場合単眼と違い自然に覗く事が出来疲れませんので、観望に余裕が出来ます。
よく「双眼装置は暗くなるので良くない」と言う事が言われますが、確かに片眼は二分の一の光量になります。
が、半分ずつを両眼でとらえ、脳がそれを合成しますので実質は変わりません。片目への入光量は落ちますので周辺の明るさに敏感となる事は逃れられません。
しかし、像自体に関しましては、それ以上、両眼視は片眼の1,6倍の明るさに感じるという話も聞きます。
元々周辺が明るいところでの天体観測は好ましいもんではないので両眼視のメリットが上回ります。
問題もあります。
市販されている双眼装置が全て観望に適しているか?という問題です。
元々双眼装置自体は望遠鏡用に開発されたものではありません。
ほとんど全ての物が双眼視顕微鏡接眼部の流用です。従って天体観測に条件の近いものなのです。
使用目的に分け考えてみましょう。
・光量のある対象。
惑星が対象になります。
月等を対象とした場合、実に素晴らしくみえます。
恐らくこれは否定する余地は殆ど無いでしょう。
装置固体の性能さえクリアしていれば高倍率まで両目を生かした快適な観察が可能です。
使用する双眼装置も、惑星対象で焦点距離の長い望遠鏡に使用する場合口径比が大きくなります。
その場合入射口の小さい双眼装置でも光路を蹴られる事がなくなりますので大抵の物が問題なく使用できます。
・光量のない淡い対象。
淡い銀河などの観望は、瞳径を大きく取れる低倍率が必要となります。
つまり、望遠鏡の口径比が小さくなり、その入射光束がけられない性能を持つ双眼装置が必要です。
そうなりますと、双眼装置の仕様に依存され、使用出来る機種に限りが出てしまいます。
入射光束が通常使われるアメリカンサイズ(31.7mm)バレルの内径約27mmの光束を蹴られる事の無い光路長と、また光量損失の少ない物が必要です。
現在それに該当する市販品は、この2機種がベストでしょう。
テレビュー社「ビノビュー」入射光束:27mm ¥74.000−
バーダープラネタリウム社 (新型入射光束:30mm?) 究極双眼装置フルセット 旧タイプフルセット特価 \198,000
笠井トレーディング (入射光束22mm) 29,500円(アルミケース付)
中国の意欲作品めちゃ安!!
他は入・出射口径と光路上の障害に注意して考える事です。また、低倍率に対応させる為焦点距離の短い鏡筒を使いますのでそれに見合うよう双眼装置自体の口径比も考えなくてはなりません。
<双眼装置の口径比の見方>
双眼装置の口径比は図のように双眼装置の差込口からアイピースの付け根までの距離を入出射口の最小径で割ったものになります。
例1:光路長135mm 入射口径27mm では、135÷27=5 で、F5になります。
ケラレがなく双眼装置を使用する場合次の条件になります。
双眼装置の口径比 < 対物レンズの口径比
従って 例1 の場合双眼装置がF5なので望遠鏡は口径比がF5以上の物を使用します。
実際においては、双眼装置で蹴られが発生すると対物レンズが有効に使われなくなり、「光量が落ちる」という勘違いも生まれますが、眼視の場合写真等と違い許容範囲が大きく周辺減光にあまりシビアーになる必要はありません。
アイピースの見かけ視界や焦点距離の関係もあります。この部分は望遠鏡入門関係で勉強される事をおすすめします。
双眼装置使用上の適正を見る場合は、双眼装置の入射口径を光路長から割った数値が使用上の口径比になりますので、大抵の場合中高倍率は視野角が小さいのでケラレが発生する事はなく低倍率広角のみで関係してきます。
余談ですが、ドブソニアン等は単眼で通常に最低倍率を使用する場合、斜鏡で周辺光のケラレがよくあります。つまり眼視では状況によりあまり気にする必要もない部分です。
しかし、主光束は蹴られると口径の損失となるので気をつけてください。
実際にはもう少し口径比に余裕を考えて下さい。
主光束の蹴られは 焦点位置のサークルで5mm〜15mm(蹴られの無い焦点のサークル径)取れるのが理想です。
ビノビュー等を直接(等倍)使用する際はF5以上の鏡筒を使用するか、大口径と割り切って多少の口径損失を覚悟の上で双眼化のメリットを取ることにしましょう。
以上が市販されている双眼装置の状況です。
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双眼装置の低倍率実例
以上のように双眼視観測に有効な事も解ってきました。
しかし、なかなか双眼装置を低倍率で使用している方は見かけないと思います。
なぜでしょう?
それは双眼装置を使用した場合鏡筒の構造上ピントが出なくなる問題があるのです。
唯一、シュミットカセグレンタイプでは可能な物が有りますが、それ以外の望遠鏡にはその様な使い方が出来ないのです。
市販されている「天体望遠鏡」は、先にも書きましたように「天体観測装置」の固定観念が存在し双眼装置といったアタッチメントの使用は考えられずに作られています。また、双眼装置は研究が遅れその分利益認識が低く、市場の可能性が低いまま現在に来ているのです。
例外的に光学性能を突き詰めたメーカー「テレビュー」では、人間の生理的性能を生かすべく双眼装置を直接使用できる屈折鏡筒を販売し始めました。(実に私の声が届いたかな?と、勝手に思い込んでいます)
眼視を極めたメーカーならではでしょう。評価します。
最近では、その事がわかってきた「ハイアマチュア」のマニアがそれを可能にすべく鏡筒長を短く詰めるようになって来ました。
他の方法では、バローレンズ(エクステンダー)で、焦点距離を延ばす事で鏡筒の改造をせずに双眼装置を使用する事が出来ますが、その分倍率が上がってしまい。低倍率は失われてしまいます。
ちなみに、惑星観察にはこの方法で行なわれます。
リレーレンズを使用し等倍率で使用する手もありますが余計な光学系を挟む事による劣化があり、今の所まだ可能性が低いかもしれません。が、私のほうでただいま研究をしております。
今のところ低中倍率で使用する場合リレーレンズは使用が可能です。
しかし、まだ問題点が少し残っています。
よい結果が出ましたら追記いたします。
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実際の鏡筒改造
屈折の場合
鏡筒を双眼装置の光路長分短く切る。この場合、対空用にプリズムの光路長も考慮する。
ドローチューブの蹴られが出る時はそこも短く切る。
鏡筒のカット事例(双眼望遠鏡自作例ですが鏡筒カットは同じです)
反射鏡筒の場合
接眼部を主鏡側へ双眼装置の光路長分移動させる。同時にその分スパイダーも移動させる。斜鏡の蹴られが出そうな場合 径を上げる。(2インチサイズアイピース対応鏡筒の場合はまず蹴られない)
ドブソニアンの場合、鏡筒バランスを取る為耳軸の位置を変えるかカウンターウエイトを用いる。
と言う事を考慮して改造をします。
しかし、厳密に行なわなくとも眼視観測の場合、目の許容で周辺の蹴られによる減光までは感じませんので、主光束の蹴られだけを重要視する程度で実用となります。
実際に、あなたのニュートンでは低倍率で斜鏡に蹴られたり、天頂スリーブやアイピース自体の斜光環で蹴られていても気が付かずいる事も多いのです。
まずは細かい事を気にせず、両眼の世界に接する事でしょう。
何れの改造も単眼に戻す場合、延長筒を用いなければならないので十分な検討の元、自己責任でお願いします。
この様な改造で、眼視観望は随分楽になるでしょう。
一つだけ付け加えますが、片眼の光量は半分に落ちますので、観望場所は十分「瞳径が適応する口径・倍率・場所」で、お使いください。
トラスドブの簡単な改造
私のお友達、静岡県のM氏の簡単な改造例をお見せいたします。
JMI NGT-12 32cm F4.5トラス構造ニュートン鏡筒 + ホ−スシュ−赤道儀
接続部
この改造は、簡単に鏡筒長を詰めるためにステーを挟んだだけの物です。
がしかし、これによって双眼装置のピントが簡単に出す事が出来ます。
この方法では鏡筒自体をいじる必要がなく格安で双眼装置を利用できます。
トラス構造の鏡筒なら同じような方法が可能です。
少し問題もあります。斜鏡の蹴られが結構出てしまう事です。(口径があれば蹴られがあっても十分実用になります。かえって口径比が上がりシャープになるのでは?)
ステー3つとボルト3つで双眼装置を使用できる素晴らしいプランだと思います。
まずこの方法で試し、やめられなくなったら接眼部のロープロフィール化を検討しましょう。
段階を追って改造を検討するのはとても安全だと思います。
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2インチ双眼装置
市販の双眼装置の限界にアイピースの限界があります。
顕微鏡用双眼装置の流用の限界です。
双眼望遠鏡のように広角低倍率を実現する事は出来ません。アメリカンサイズでは30mm52度アイピースが限界になりますし、短焦点鏡筒では口径を生かすことが出来ません。
RFT(リッチ・フィールド・テレスコープ)が魅力の双眼望遠鏡にどうしても追いつけない部分です。
これほどRFTが流行っても2インチ双眼装置が発売されないのはなぜでしょう?
それは、天文の双眼視需要の小ささにあります。
天文の趣味の中でも特にマニアックに双眼を要求する者の絶対数が少ない事にあります。
アメリカンサイズまでは研究者用の顕微鏡で使用されていた双眼接眼部にバレルを取り付ける簡単な改造のみで商品化が可能でした。しかし、2インチサイズは流用できる元となる物が存在しません。そうなりますと最初から開発し直しなおかつ少量ロットで製造に入らなくてはなりません。また、そのような少量販売にもかかわらず十分なアフターサービスまで行う必要が出てしまいます。
そうなりますとメーカーが発売するとなると当然1台あたりの単価が100万円単位ぐらいの途方も無い金額となってしまい現実的には殆ど売れないでしょう。
つまり商売として成立出来ない商品なのです。
増して、2インチサイズで低倍率を実現しようとすると必ず鏡筒の改造の必要があります。日本の人件費と改造におけるリスクを考えると販売店も手を出したくないでしょう。
つまり普通に考えて販売は期待できません。また、屈折鏡筒などはEMS双眼望遠鏡のほうが安く高性能が実現できあえて2インチ双眼装置の必要はないでしょう。
唯一、2インチ双眼装置にメリットがあるのが超大型望遠鏡の双眼化のみだと考えます。いかがでしょう?
30センチ以上のドブソニアンを2本並べるとなると重量や価格的にも大変です。その場合広角低倍率の効く2インチ双眼装置が役に立つと思います。しかし、50センチぐらいまでならば双眼化も可能とは思います。
私は33センチ双眼望遠鏡を製作しました。これが現実問題として、一人で気軽に稼動する限界と感じています。
しかし、ドブソニアン大口径の50センチクラスの双眼化は素晴らしい世界と確信します。従って、そのような極端な願望のみに「2インチ双眼装置」の最終的な必要性と言えるのではないでしょうか?
双眼装置の写真に「自作2インチ双眼装置」の写真をご覧頂いたと思います。
結局、最終的な必要性で、研究開発の結果、出来てしまいました。
そして、その接眼部を生かすべく鏡筒「武蔵五百」も完成いたしました。
まだまだ本格的な稼動はしていませんが、実に新しいコンセプトの始まりです。
状況は今後お伝えしていきます。
「武蔵五百}
仕様 ミラーロシア製20in 鏡筒ボイド管内径55センチ4分割
接眼部「ビッグビノビュー」鏡筒内落とし込み合掌方式
等倍率で合掌させる為に双眼装置を鏡筒内へ落とし込みます。
双眼装置は鏡筒角により半回転させ接眼部が水平を維持します。
ビッグビノビュー取り付け例
高倍率もOK!
現在、双眼仲間からの要望でこの2インチ双眼装置「ビックビノビュー」を
製品化し、お分けする方向で進んでいます。
マニアの方に限り条件付で格安でお譲りする方向です。
興味のある方はメールにてお尋ね下さい。
ただし、前記したとおり鏡筒の改造などある程度の知識と理解が必要です。当然アドバイスはいたしますが自己責任は必要です。思いつめた方のみ(^_^;)の販売とさせて頂きたいと思います。
と思っていましたが・・・、アメリカで不恰好な2インチ双眼装置の販売をはじめていた「シーバート」が、いよいよ新作で成熟させてきました。
こうなって来るとそれを購入するのが早そうなので今後の進展は???状態となってきました。
一応URLを載せておきますね!自己責任で検討下さい。
http://www.siebertoptics.com/SiebertOptics-2inchbinoviewers.html
個人輸入で約21万円ほどだそうです。(リレー付)
さて、ここまでは「擬似双眼望遠鏡」と考えて下さい。
個人的にはこれを「双眼仕様(装置)望遠鏡」と呼んでいます。
双眼装置はこちらも御参考にどうぞ!
「双眼装置」料理教室
アトム双眼装置解体 対 ビノビュー アタッチメント
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「双眼鏡」
いよいよ、双眼望遠鏡の話に入っていきます。
その前に、「双眼鏡」って、ちがうの? と思う方もいるかも知れませんのでもう少しだけお付き合いください。
「双眼鏡」は、昔の技術で、基本構造は高性能双眼望遠鏡として無理があります。
したがって別の物扱いになります。
理由
・遠くを望む事が出来ない。
高倍率が使えないので望遠鏡ではない。
・現在は、コンパクトなハンディタイプしかない。
高倍率を主眼とする場合分解能を必要とするため口径を必要とする。
・天体観測が目的の場合水平対向タイプや45°タイプで対空観測は適さない。
以上が大きな違いとなります。
ただ、「双眼望遠鏡」では対応できない低倍率はその意味で「天体双眼鏡」と呼ぶ事が出来ます。
ここで、なぜ、高倍率が使えないの?と、疑問の湧いてくる方もいると思います。
それは、構造上の問題です。
地上を見る目的に作られた双眼鏡は自然視が重要になります。ようするに正立像で肉眼と同じように見える必要が有ります。
その為、光路上に多数のプリズムを組み合わせています。そこに問題が起こります。
ガラスの特性上角度をもった光が七色に分散していく事はご存じでしょう?色収差というものです。ご存じのようにプリズムは入射角と同じ角度で出射しますので理論的には相殺されるのですが、現実的には精度の問題と硝材の質によって発生し始めます。光路上で発生する色収差が倍率を上げるほど大きくなり像のコントラスト低下が出るため倍率を上げる事が出来ません。
それと、プリズムが増えると面精度も落ちてきますので倍率を上げる事が難しいともいえます。
また、コンパクト性を高める為口径比をF4程度までおとしているものも多く、その弊害も有ります。
陸上の近距離を見ることも有りますので、視軸を内より目にするため、目幅調節機構にも制限があり設計製造にも問題がありその精度を保つ為のコストにも反映し妥協せざる得ない部分がその枠から出れずにいます。
メーカー側の多目的ユーザー設計でアタッチメントによる障害回避も出来ません。
決定的にメーカーに製作出来ない理由がもうひとつあります。
上記したような構造を持つため、高倍率時の視軸のずれを維持調整機能を持つ事が技術的に無理でした。また、仮に調整機構を持たせたとしてもユーザーにそのような行為をさせる自信がもてない企業たる宿命も存在するでしょう。
いづれにしても天体観測専用に双眼鏡を開発する土壌は無かったのでしょう。単鏡筒の開発が先にあったはずですから。
なので倍率を必要とする天体観察には不向きとなります。
この事からここでは特に「双眼鏡」は含まず進もうと考えます。
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従来の市販「大型双眼鏡」は「双眼望遠鏡」?
まず、「フジノン」「宮内」「ビクセン」他、を思い浮かべると思います。
どうでしょう?双眼鏡を巨大化して「双眼望遠鏡」と、単純に言ってもよいでしょうか?
高性能な双眼望遠鏡が存在している今でははっきりとカテゴリーを分けない事には納得のいかない方も多いと思います。
あえて一緒にするようでは企業の手先と思われてしまうかもしれませんね!
したがって「双眼望遠鏡入門」で申し上げている「双眼望遠鏡」から、これらは除外せて頂こうと思います。
ただし、高倍率で発生するプリズムによる色収差他の障害をスポイルすべくアポクロマートなどを採用し、さらに倍率変更できるアイピースが付属されている中低倍率専用の双眼鏡は、比較的安価で、また調整も不要なため手軽な観望や、初心者の多い観望会などではとても役立つと思います。(笠井トレーディングなど扱っています)
重複しますが2つの大きな問題があり、これらは「巨大双眼鏡」としてしか扱う事が出来ないのです。
2つの問題
・高高度観測が出来ない。
・中高倍率が使えない。
元々フジノンは、船舶や軍用などの業務用に設計された物と考えたい。また、現在も実績を保っている。
EDタイプもあり確かに低倍率の低空観望は実績がある。
しかし、接眼部にプリズムがありそれ以上の倍率は望めない。また、対空型も45°であり迫り来る敵機を見張る目的で緯度と考えざるを得ない。ただ、特化した彗星観察の世界においては非常に実績はあるが今と成ってはその為だけに所有するのも辛いところである。
宮内はフジノンに準ずるが携帯性でフジノンに勝る。しかし、口径比の障害により高倍率は厳しい。
ビクセンの対空双眼鏡も同類であるが各メーカー構造上の問題を技術が補う事が出来ず、あくまでも流用品であり「ハイエンドマニア」からは敬遠される。ただ、メンテナンスが楽な事で気軽に、また、大勢を相手にする用途で観望対象を制限した中での需要はある。
「巨大双眼鏡」は中間的な選択としては十分な性能でもある。その意味では入門に対して重要な存在だが、マニアの機材使いこなしとしては少々物足りないものでもある。
各メーカーへ少し辛口な事を言わせて頂けば、目先の利益追求と製造責任におびえユーザーメリットをスポイルした結果、多様化したユーザーニーズを見失っている事を指摘したい。
利益獲得は確かに必要だろう。しかし、市場をリードするハイアマチュア・ニーズを満たさなければ市場は冷めて行く。
その部分は投資の世界でもある。
日本の自動車業界ですらF1という世界に復帰した理由が解らないのだろうか?
恐らく、メーカー側の社員教育方針のスキルになった結果であるうが、経営サイトは多様化に追従すべき体制も確保すべきである。
結論は似たり寄ったりの古い技術で市場を誤魔化している間に、マニアは最新鋭の技術を求め、生かし始めている。
また、メーカーの鈍足により本当の双眼望遠鏡を知らずにいたとも考える事も出来ます。
個人的に言わせていただければ、目幅の許容範囲も狭いので使い物にならない。
コンセプト的にも「双眼望遠鏡」とは違うと考えます。
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「天体双眼望遠鏡」 お待ちどう様です!
では、最新鋭の技術を生かした、大手メーカーに出来ない「天体双眼望遠鏡」とは?
現在の天体望遠鏡が持つ高性能光学系を生かしたまま、それを2本並べて両眼で使用するものになります。
プリズムでは出来なかった劣化のない「低〜高倍率」「広角」「対空90°」、これを可能にして、現在の優秀な天体望遠鏡を双眼化したものです。
低倍率から高倍率に対応できるのは天体望遠鏡の性能そのものを生かす事が出来ます。
アイピースの選択で広角を使用すれば、経緯台の手動追尾も非常に楽になります。
「対空90°」この事は45°しか持たないメーカーは異論を唱えるかもしれません。
しかし、そんな狭い視野での考えではなく、一般社会において経験していると思いますが・・・。
例えば、主力商品の売り出し時、経営コンサルタントと相談の上ボディーランゲージまで意識した商品陳列では如何でしょう。
人が最も目に付き、よく見定めるだけの余裕を持たせる位置に展示します。(すみません当たり前のことで)
その位置は、「目線水平から水平下45°」が常識になっていますね。
お分かりですよね!
天体観測で特に用いる対空角度を。
細かい応酬話法でなく、本質的に対空90°の他に語る必要は無いと思います。
ただ、残念な事に今まで述べてきたようにこの様な素晴らしい機材はどこにでも売っている物では有りません。
2つのディーラーが販売しているのみです。
このあとに書きますが、唯一、一人のメーカーが細かいオーダーを受け付けているのでそこを利用出来ます。
しかし、わたしがこの「双眼望遠鏡入門」を執筆しているのは、実は、「誰にでも比較的容易く自作する事が可能」と言う事をお教えする目的が一番大きいのです。
そして、私たちが手に入れた素晴らしい双眼の宇宙を皆様にもお分けしたいと考えるところに有ります。
自作はちょっと・・・という方は残念ながら少ない選択枠でゆっくり納期を待てもらう事になります。
今迄自作が進まなかった理由
昔から、天文に関しましてはお偉い学者様等の権威による言葉が様様な事柄を支配してきたようです。
その名残もあるのでしょう、数年前まではメジャー天文誌に執筆する方までも障害となる言葉を発していました。
「アマチュアの自作双眼鏡は目を悪くするので止めるべきだ!」
この言葉の弊害で、かなりの進歩を止めていたように思います。
天文歴の長い方ならご存じの事柄でしょう。
結論としては、理論前提の間違え(昔の複雑な光学系が前提になっていた)と、時代遅れな主観の発言でアマチュアに喝破されたような所でした。
現在のアマチュアの加工技術水準と使用目的に対する知識の違いがその間違えた認識を作ったとも考えられます。
しかし、根拠の無いわけでもなく私たちもある程度の重要なポイントは抑える必要が有ります。
が、それほど難しいことでもなく、諸先輩達も難なくこなすレベルの事です。ご心配なく!
もうひとつの理由として、時代背景からそれほど豊かでなかった日本の経済事情では1本の望遠鏡でもなかなか手にいれるのは難しい時代に、2本も高価な望遠鏡を並べること自体が時期早尚という部分も当然あります。この辺は、平成の世になって変化していますね。
今現在(2010年)は、経済的にも豊かで多数の実験が進んではいますが、趣味の分散化等もあり、一部の方が究極的に自作をしています。
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天体双眼望遠鏡の種類
主要2機種
・EMS屈折式双眼望遠鏡:フリーストップマウント式 口径50mm〜250mm EMS赤道儀タイプあり
・反射式双眼望遠鏡:経緯台方式 ドブソニアン方式 口径100mm〜500mm 自動導入機種あり
その他まだ例外的な双眼望遠鏡−EMSシュミカセ式 双眼鏡改造小口径プリズムビノ ほか?
弊害が無くなりこの数年「双眼望遠鏡」は急速に歩みを進めています。
自作をすることに抵抗が無くなったのと同時に、その流れに「一人のアマチュアの特許」が生かされる事となり大勢の天文ファンが絶賛する事となったのです。
それは、今までディーラーが手を出せずにいたことを、たった一人のメーカーが大きくこの機根を作り上げ他ことから始まりました。
双眼望遠鏡がいま発展しつつある大きな要素はその「一人の大きな発明」が機根を担いました。
また、ハイアマチュアのアイディアにより同時にもう一つの流れも始まりつつあります。
この2つの「双眼望遠鏡」が今まさに注目と実績を作り上げています。
1、EMS屈折式天体双眼望遠鏡
「EMS」とは
鳥取市の松本氏が発明された双眼望遠鏡の、接眼部のシステム名称で、組み立てるミラー・システム(Erecting Mirror System)をいうようです。
氏はミラー2枚を任意の角度で反射させ入射から90°位置に正立像を導き出す天頂ミラーを応用して双眼望遠鏡を完成させました。
接眼部は60°に光束を入射させる為反射面積が広く像が暗くなりやすかったのですが、たったの2回で正立像を導き出しています。
EMSは単に正立天頂ミラーとしても高性能な物です。
理論的には、ルーフミラー(屋根型プリズム、ダハプリズム、ルーフプリズム)の半分を使用した光路を考えると理解しやすいでしょう。
角度を変えることで90°の天頂ミラーに限らず広い角度変化を持たせることも可能です。
EMS接眼部
このEMシステムを用いて、従来になかった「対空双眼望遠鏡」が完成し、当時、特許が認められたようです。
屈折タイプの双眼望遠鏡はこのEMSなしでは存在できなかったと言っても言い過ぎでは無いでしょう。
ただ、メリットでもあるのですが、ユザーサイドで光軸の調整が出来るシステムの為、知識の無い者の使用でトラブルの可能性がありました。
その為にこの特許をメーカーが採用し無かったとみられ、折角の特許システムの普及が遅れたと感じます。
今現在は、松本氏本人の製作販売と、その商品の代理販売が行なわれています。(2009年に代理店販売を打ち切ったようです)
また、簡単な仕組みのためアマチュアがそれぞれ自作を行い普及させています。
一通りの特許権は昨年末(2009/12)に消滅したようですので、新たな開発のチャンスも増えたものと思います。
(1995年の「反射面の角度の調整方法」は審査請求されてませんが・・・。(^_^;))
工業所有権の無いこれからは、更なるアイディアをのせ正立ミラー双眼望遠鏡として発展させる方も出てくることでしょう。
普及され、量産され、コストダウンされれば、天文ファンとして、とても嬉しいですね。
ただ、その様になっても、発明・開発者の尊厳が尊重される中での発展を祈りたいと思います。
2、反射式天体双眼望遠鏡
反射双眼望遠鏡とは、ニュートン式反射望遠鏡を2本並べて覗くタイプの物です。
現段階ではメリットの多い大口径双眼望遠鏡に主流が有ります。
構造が比較的簡単で大口径が可能なためドブソニアンタイプが多くなっています。
歴史的には恐らく愛知県の田中氏が実用化をはじめたものと思われます。
また、田中氏の指導のもと日本最大口径の「40cm反射式双眼望遠鏡」と世界最大口径「25cmEMS屈折双眼望遠鏡」が製作されたようです。
主流となっているドブソニアンタイプは鏡筒を2本並べるタイプと一つの胴体に反射鏡斜鏡を2枚づつ装着する物に分かれます。
目幅調整はそれぞれの工夫があります。(写真参照)
最大口径はオーストラリアのアマチュア天文家による50cm×の物が存在します。
日本においては、写真左上の40cm双眼望遠鏡を岡本氏が所有しています。
2010年自作も増え、さらに、製作販売もされるようになりました。(上写真下段中央)
基本的に小口径の場合、EMSのメリットが多く反射式ののチャレンジは少ない所です。
しかし、屈折式では難しい大口径の双眼化が低コストで出来るこのタイプは「ギャラクシー・ビノ」として右に出る物は無いでしょう。
アマチュアの物理的問題を考えれば、それ以上の口径を求める場合妥協策として「2インチ双眼装置」による物も今後は考えられていくことでしょう。
何れも繰り返しますが、歴史も浅くこれから大きく発展していく道となっています。
最初の1台、何がいいの?
大抵の方はご自分の好みが出来ていると思います。
それと、この天体双眼望遠鏡は既存概念に無い新しい楽しみ方も存在していますので、ある程度は機会があれば他人の天体双眼望遠鏡を覗いてから判断しても遅くは無いでしょう。
ただ初心者の方が最初の1台考える場合次の点を考え選択されると良いでしょう。
楽しみ方色々
天体双眼望遠鏡は全く新しい天文機材です。
既に望遠鏡をお持ちの方も頭の中を切り替え新しい概念を持つことでライフワークまで変化するかもしれませんね。
幾つかの楽しみ方を考えてみましょう。
リッチフィールドが好き!
最近は2インチアイピースを使い低倍率広角で天の川や散開星団等気ままに流し、星の美しさや配列を楽しむ事が流行っています。楽な姿勢で、高性能な鏡筒や屈折のコントラストを大口径で楽しむ物です。
星達の美しさは、まるで「宝石の鉱脈を探し出したような感動」を持ちます。
初めて体験する女性などは、しばらくの間「一人の世界」に、はまり込んでしまうようです。
その様な宇宙散策の中に、写真などでは見れないような繊細な姿を見つけ感動するでしょう。
双眼の威力で、今まで見ることの出来なかった生の星雲にも驚きを感じます。
フィルターワークにより一層の効果が現れます。
その様な方は「リッチフィールドビノ」へ進んでください。
高性能な屈折鏡筒では重星を見てみるのも良いでしょう。疲れ知らずで永遠に見続けてしまいます。
正立像ならではの月面や惑星もこのビノで楽しむ事でしょう。
銀河、星雲を楽しむ!
集光力の限界に挑戦!
大型ドブで飽き足らない貴方!
ツイン・ドブを覗いた時、その威力に驚きを隠せないでしょう。
大口径所有には各々限界が有ります。重量・サイズこれは運搬・保管の問題です。超大口径と言わずとも厳しい物が有ります。
ワンサイズ下げた双眼望遠鏡によって次元の違う「ギャラクシービノ」を体験してください。
コスト的にも口径が上がるほどコストパフォーマンスは上がります。
シーイングも2筒の違いで影響は減ります。
立体感が銀河の奥行きを感じさせます。
二画像脳内レイヤー処理処理されたギャラクシーイメージは単眼で体験する事は不可能です。
最先端を語る貴方なら「ギャラクシービノ」へお進みください。
リッチフィールド・ビノ(低倍率広角天体双眼望遠鏡)
今一番普及の進んでいるタイプです。
主流となっているものは、笠井トレーディングの「シュワルツ」シリーズをベースに松本氏がEMSビノへと完成させた
「シュワルツ・ビノ」シリーズに代表されるでしょう。
シュワルツシリーズは鏡筒自体が中国方面で作られており、「よく見える格安な大口径!」で、一世を風靡させた素晴らしい物で屈折望遠鏡による大口径化の起爆剤となりました。当然、双眼望遠鏡の製作を考えている者は飛び付きました。
シュワルツにEMSを組み込んだ双眼望遠鏡の高性能さに大勢が触発され松本氏本人もこれを完成させ製品として世に送り出しました。
笠井トレーディングがシュワルツ発売当時は12センチのみで、後に15センチそして焦点距離がF8からF5が追加されました。
2インチアイピースを取り付け15センチF5で見るダイナミックな広角双眼は誰も体験した事の無い衝撃的なものでいまだに生産が追い付かないほどの人気商品となっています。
中倍率はどうか?
シュワルツF8シリーズは倍率を上げても像の劣化が有りません。惑星などは色収差が多少出ますのでフィルターなどで処理することにより屈折ならではのシャープな観望が出来ます。
低・中倍率で銀河や球状星団などは屈折独特のシャープネスと15センチ×2の集光力によって素晴らしいディープスカイも楽しめます。
現在(2010年)は、中国製の格安アポクロマート鏡筒が安く市販されていますので、こちらで大変素晴らしいものが制作出来ます。
高倍率は
そもそもここで言う倍率とは、主鏡口径対しての拡大率を良いますので一概に言えないのですが、小口径の場合フリーストップ架台でも十分に高倍率を楽しむことは可能で鏡筒性能に依存されます。
しかし、おおよそ10センチ以上の口径になりますと200倍以上の倍率になってきます。
そうなると、惑星などをフリーストップ架台で追尾するのは非常に難しくなってきます。
その場合は、赤道儀にアポクロマートシングル鏡筒に双眼装置をおすすめ致します。
他の鏡筒は?
アポクロマートを使った双眼望遠鏡や25センチもの「超大口径屈折双眼望遠鏡」等も自作されたりしています。
一般的な天体観測と同様な目的の鏡筒選びで、EMS双眼望遠鏡に組み上げたものはそれぞれのポテンシャルを思う存分発揮します。
収差0のアポクロマート双眼で見る宇宙は、今までのアマチュアの見たことの無い「レベル」の違う世界です。
是非体験してみたいでしょう?
反射望遠鏡の小口径についてはまだまだチャレンジャーがほとんどいません。
Ninjaで有名な横尾氏が正立プリズムを使った面白い構造で製作しました。ただ、手持ち(方の背と言うべきか?)タイプの為長時間の観望と高い高度には対応出来ないようです。
近いタイプの15センチクラスでミードが販売したようですが金額的な問題?でいまだ購入された方を存じません。
色収差が無いので焦点距離によっては面白い物にも出来そうです。
今後、覗き込み型でも可能性は大きいと思います。
いずれにしても反射式は安く高性能な「双眼望遠鏡」を作れる可能性があり非常に魅力的です。
自作の小口径反射はここの所いくつか作られているようです。ゴミ箱にミラーを2セット組み込み鏡筒回転式で比較的観点に作られています。
使用感は色収差が無く非常にシャープで2インチアイピースも使用が出来、軽量に製作が出来とても安価です。
是非自作をお勧めしたい機種となっています。
15センチ反射双眼望遠鏡(製作者:岡本氏)
問題が一つ
双眼望遠鏡の構造上接眼部を水平に保つ為に架台を経緯台タイプにする必要が有ります。
従いまして、赤道儀が使えません。(特別な改造で松本氏は可能にしています)
経緯台にモーターを取付自動追尾される方もぼちぼち見受けられ始めましたので今後の部分となります。
高倍率惑星観測の双眼化は今の所双眼装置を使った方が良いでしょう。
もう一つの道として、ポンセットマウントを使った方法がありますがこれも今後の課題です。
ハード説明
仕様
対象:低倍率、中倍率
高倍率について
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ギャラクシー・ビノ
主流は、ドブソニアンを2本並べたタイプです。
当然のことながら暗い星雲星団をより見やすくするため、最低倍率においても通常の望遠鏡の2倍の光量を得る事が出来、従来では考えられないほどの明るい銀河などを見せてくれます。また、マトリクスな世界は立体感・透明感などあなたを未体験ゾーンへ引き込みます。
天の川の暗黒帯の濃淡、銀河の腕、幾何学模様の星雲、けっして写真では見る事の出来ない繊細な世界に魅入られてしまうでしょう。
屈折タイプでは手に入れることの出来ない光量、分解能を生かします。
したがって、口径的には25cm〜50cmの物となります。それ以上は大きくなりすぎなかなか個人レベルで所有するのは難しいでしょう。
しかし、口径の2倍の光量は今迄に無い新しい世界です。25cmでも驚きは例えようが有りません。
まだまだこのタイプに挑戦している方は数えるほどしかいません。
特徴的なタイプはメカニカルな自動導入・追尾の物と、ドブソニアンらしい簡素で機動力のある大型双眼に分かれます。
メカニカル経緯台タイプ
ビクセン社スカイセンサーを組み込む事によってオートマチック化しています。
大口径で高倍率観望を可能としています。しかし、問題としまして重量がかさむこととセッティングが大変な事になり、ドブソニアンの機動力を失ってしまいます。製作の難しさとコストの面が加わりますので「双眼望遠鏡」にのめり込んでから考えても遅くは無いでしょう。
大口径双眼ドブソニアンタイプ
代表例として私の製作した「33ツイン」が有ります。
「口径33cmF4,5×2」のドブソニアン双眼望遠鏡です。
単純に筒を2つ並べても良いのですが運搬を考え重量を分散した複数ユニット組立式にして有ります。
これにより一人での可動を可能にし、用意・撤収を迅速にしています。
予算が無いが手軽にセッティング出来、最高のディープスカイを楽しみたい人向けです。
特に覚えが無くともこれぐらいの自作ならやる気になれば誰でも失敗は少ないでしょう。
双眼ドブおすすめタイプ
今なら笠井トレーディングの30センチミラーセットが7万円台で購入できます。接眼部も合わせ2セット購入し合板で鏡筒を製作すれば25万円〜30万円で大口径双眼ドブが完成します。
最近は、笠井の特価でGINJI300Dが12万円台で購入も可能です。これならしたのイラストのようなデザインで簡単に製作が可能でしょう。オライオンでも高精度な大口径が安くなっています。
どうせ作るならこれ位の物を「ババン!」と行って下さい。お願いします!
自作ワンポイントアドバイス!
1、ニ銀のような反射双眼で最も検討するのが平行光軸をどう調節するか?が一番悩む所でしょう。
現実的に目幅調整したりアイピースを交換したりで微調節が必要になります。
初めて自作する時一番悩むのがここの部分でしょう。
解決策
EMSのように微調節が出来れば殆ど問題なくなります。
反射鏡筒の場合片側の斜鏡調節用3本のネジのうち2本を長く指で摘んで回せる物に交換します。
たったそれだけで、一番の悩みは解決いたします。
2、簡単自作のポイント「接眼部の簡略化」
ついでに書いておきますが、鏡筒2本と架台用合板等で結構金額がかさみます。接眼部へ2インチロープロ化すると又6万円ぐらい費用がかかり少々憂鬱になるかも知れません。
しかし、ちょっと考えて下さい。本当に2インチが重要でしょうか?
まあ、確かに明るい低倍率の楽しさもあります。しかし、屈折のリッチフィールドで近しい体験はいつでも可能だと思います。
それより、「ギャラクシービノ」の最も得意とするところは何処でしょう?
実は中倍率で見るギャラクシーなのです。
眼前に大きく広がり横たわる銀河を両目でなめる様に見渡す世界、まさにここが最大の醍醐味でしょう。
30センチクラスで100倍の世界です。
この世界は広角で抜けの良いアイピースが活躍します。
つまり、アメリカンサイズの世界です。10mm〜15mm位の広角サイズは1本1〜2万円内で素晴らしい物が手に入ります。
アメリカンサイズで接眼部を構築すれば重量的にも軽くドローチューブへの負担が少ないためノーマルの接眼部をそのまま流用できます。そこへアメリカンサイズの天頂プリズムを装着してピントが出ればまったく持って簡略化となります。
ピントが出なくてもローサイズのジャンクが安く購入できる世界です。
また、焦点距離の長いアイピースで視野が狭くても両目で見ることでストレスも少なく済みますので最初は無理をせず段々にバージョンアップと言うのも良いかと思います。
追記2005/2/12
最近は笠井トレーディングで、クレフォードタイプの接眼部を安価で扱うようになったみたいです。
銀二シリーズでも標準採用になっていますので、2インチサイズのアイピースを使っても横方向の剛性が上がった為双眼望遠鏡に使用し易くなったようです。シュワルツシリーズもドローチューブをそのまま使えそうですね!
それと、構造上の問題ですが、重量と工作精度の関係で目幅合わせに平行移動装置を持ちにくいこのタイプは、筒先回転式を採し易く、その場合反射回数の関係で裏像視界となってしまいます。正像とするには接眼部を回転しない構造にする為どうしても平行移動装置が必要となります。
最も明るい視野を手に入れるにはそこの所は妥協せざるを得ませんが、屈折鏡筒で天頂ミラーを使うのと同じ事で、それ以上の世界を楽しむ事にいたしましょう。
市販品
残念な事に「ギャラクシー・ビノ」の市販製品は有りませんので、すべてが自作になります。ただ、マニアの中で製作を請け負って下さる奇特な方も何名か居ます。どうしてもという場合は私達までご連絡ください。紹介する事も可能です。
写真、
構造図
屈折・反射、良し悪し
考え方としては、普通の望遠鏡と同じです。
しかし大口径や反射のメリットを生かすために接眼部を引き出す際光路長を短くしたい。そのために反射回数を一回で済ませる事により覗き込んだ像が倒立の裏像となってしまいます。それを嫌って反射回数を増やしている鏡筒もありますが、大口径のメリットが大きいためその辺を犠牲にしているのが実情です。
構造によっては(バックヤードプロダクツ横尾氏の15pなど)正立プリズムを使用し正立像にする事もも可能ですが、製作例が少なく今のところは何ともいえません。
岡本氏40センチビノは正立像です。4面反射で成立像は可能と言うことです。
「岡本氏発明の正立接眼システム」の接眼部
詳細は特許広報に載っているそうです。(特開2001-075015)
構造はEMSのように像を回転させ2回反射で特定位置に正立像を引き出すようです。
光路90°引き出しにこだわらなければ、ミラーの組み合わせ方で任意の角度の正立像も可能です。
ただ、反射による光量ロスや低い周波数の光が出にくい面もあり、増反射コートが望ましくなります。
色合いを確りさせ、擬似立体感を感じやすくさせるには銀メッキも良いのですが、なかなか良いコーティングが無く実験段階です。(2010年)
ちなみに、EMSの特許は双眼望遠鏡に対してのシステムの申請であったように記憶しています。
反射方式の回路に関しては特に新規性があるわけではありません。
半双の問題は、反射回数を増やすため光路長が必要になり、その焦点引出し量確保が重要です。
口径比の高く(長く)取れるミラーと、光路消費の少なくてすむアメリカンサイズ接眼部などが解決の糸口です。
何にしても、今までになかった大口径の双眼像です。十分に満足なため今のところ私などはこだわりません。
そもそも反射式の場合たいてい「空と反対方向へ覗き込む構造」のために最初から望遠鏡の概念が違うため一緒に慣れてしまうものです。
反射式の「空と反対方向へ覗き込む構造」ですが、使用する前は違和感を感じるかもしれません。所が、初めて覗き込む方たちは言います。「宇宙に落ち込んでしまいそう!」「宇宙の落とし穴を見ているようだ!」などの臨場感を感じます。そもそも天体望遠鏡で直視方向で使用する機材は少なく、天頂を見るには双眼鏡を手持ちで寝転がるぐらいしか方法はなかったはずです。
実際宇宙には天地がないので使ってしまうと問題がないことがわかります。それ以上に見やすく、臨場感が大きく感じるでしょう。
何れにしても、簡単に楽な姿勢で物凄い宇宙が見えます。
銀河のクローズアップ等は口径が最も有効になりますが、銀河団など広域に見る場合は、抜け・シャープネスを要求しますので、結局のところ良し悪しですね!
ただし、年に数回あるシーイングの良い時の反射像はすごいですよ、色も付かずにシャープです。口径が生きてきますので、屈折双眼望遠鏡が及ぶ事はありません。
まとめて申せば、瞳径一杯の宇宙を今までの2倍の光量をうけ、しかも両目という生理的に最も良い条件、楽な姿勢の観望が出来る事になります。理屈だけで考えたとしても途轍もない想像が出来るでしょう。
口径が上がれば倍率も上がります。屈折では不可能な銀河の詳細を見る事が反射式では可能となります。
リッチフィールドでは反射式も屈折式も可能ですがコストをかければ屈折で最良な物が出来、前例は少なくとも反射式で安価な高性能双眼が可能でしょう。
ぜひ、機会を作り色々な「天体双眼望遠鏡」を体験して欲しい所です。
その他のビノ
まだまだ使い方はこれからの、あなたの想像力が新しいページを開いていく段階です。
また、高倍率などは双筒にこだわらず双眼装置の活用なども柔軟な発想で考えて下さい。
参考までに最近製作されたもので「20cmシュミカセ双眼望遠鏡」の成功例を載せます。
横山氏製作20cmシュミカセツイン
2年越しで完成の域へ近づいたニューコンセプト・ビノです。
20cmの双眼鏡がわずか50センチ四方の大きさに収まってしまうコンパクトさを持ちます。
焦点距離は2000mm、f10なので30mmアイピースで67倍となり実視界は1,25°となります。
瞳径が3mmとなり、バックが暗く引き締まります。ワイドスキャン30mmを使われていますが84°の見かけ視界もさることながら焦点距離にマッチングし周辺まで星像はしっかり引き締まります。この倍率は都会などでも有効な為、ベランダ観望や、小さな観測室に非常に有効化と思います。
印象に残ったのはM42のコントラストが非常に良く周辺の恒星が非常に細かい輝きに見とれた覚えが残っています。
球状星団等も口径が生きて良く見えます。
合掌装置はEMSの中間にヘリコイドが入っており目幅を合わせた後にピントノブで左右を合わせます。
架台はドブソニアン用の物を改造してテーブルの上に置く形です。
シュミカセタイプのツインは過去に一度雑誌の写真で見たことはありますが、現在、横山氏以外の所有者を知りません。
軽量コンパクトでシャープな大口径正立双眼鏡は十分な発展性を感じます。
物理的に大きな機材が持てない方でもこのツインで一気にディープな世界へ上って行く事が可能となります。
都会派の貴方、いかがですか?
簡単な自作双眼望遠鏡
最も簡単に双眼望遠鏡を手に入れるには、こんな方法もあります。
御参考までに!
オフセット式双眼望遠鏡
@ A
天頂ミラーを取り付けた同じ屈折望遠鏡を2本用意致します。
平行に並べると眼巾が広すぎ使用出来ませんので写真のように立てにずらします。
そうしますと、下側の接眼部が低くなり使用出来ませんので、片側の鏡筒をカットします。
そして、短くなった光路分を接眼部にスペーサーを入れ接眼部の高さを合わせます。
接眼部を平行に回転させ眼巾調整が出来ます。
1人で楽しむには、簡単で低コストで、また天頂プリズムに良いものを使用すれば、裏像になる以外は最も優れた双眼望遠鏡になります。
先ずは、第一歩として、入門用に製作してみては如何でしょう?
素晴らしい世界を体験出来るでしょう!
こちらは、更に2インチアイピースも使用できるものです。 天頂プリズムと正立プリズムを組み合わせたものです。
手に入れるには
完成品を購入するか、自作をするか、製作を依頼するか、中古を捜すか。
まだまだ新しい観測システムなので初心者がイキナリ手に入れるのは選択枠が狭くなりますね、しかし、多少工作に覚えがあれば自作もそれほど難しい事は有りません。
ご要望が多ければ、HP上などで講座を開いても良いと考えていますので希望があればお知らせください。
「参考になるリンク」
完成品を購入する
「EMS屈折双眼望遠鏡」はメーカー:メガネの松本は市販鏡筒を双眼化してくれます
90°対空アポ双眼鏡:笠井トレーディング 15センチセミアポ双眼等
「反射式双眼望遠鏡」は米ミード社で15cmの自動導入機が以前発表されましたが、現在は不明。
図、商品ラインナップ
しかし、望遠鏡が2つセットなわけですからお値段もそれなりになる事は覚悟してください。
実際に見てみたい
「店」
残念ながら、どこにも置いていないようです。
仮にあったとしても天体望遠鏡なので夜空を見ないことには評価出来ないでしょう。
大きさや使い勝手は判断出来ますが、先入観も強くなります。
まず、観測地などで見せていただいて、双眼望遠鏡たるは何か?を体験してほしい物です。
「双眼望遠狂の現れる観望地」
双眼望遠鏡人口も増えてきました。大勢が集まるような時に1.2台はある時も多くなっています。その様な観望地へ新月の週末に狙ってください。
双眼望遠鏡をお持ちの方は大体が気持ち良く見せてくれます。
その時、「凄いですね!双眼望遠鏡ですか、私も欲しいと考えているのです。」と、言ってください。きっと、とことん説明していただけると思いますよ!
出没しそうな観望地情報
関東編
・富士山 新5合目 (夏の登山シーズンは居ません)
・秩父 栃元広場 (TOA130S-BINO、33ツイン、熊、出没の可能性あり)
・埼玉 県民の森駐車場 (30inドブ出没します)
・栃木 八方ヶ原 大間々台駐車場 (私の狙い目)
・茨城 里美牧場 第3駐車場(冬場)
双眼狂の皆さん、他の観望地をメールで教えてください。
他に、イベントに行く事によって、あらゆる「双眼望遠鏡」体験する事が出来ます。
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まずはのぞいてみよう!
観望会で見せてもらおう。
理屈はわかった、実際に見てみたい!さてどうしましょう?
いきなり松本氏へメールを送り注文する事はなかなか出来ないでしょう。
実際の天体双眼望遠鏡の総数はまだまだ少なく、ちょっとした観望地でも必ず誰かが来ているわけではありませんね。
そうなれば一番集まりやすい観望会を狙いましょう!
観望会の志向にもよりますが30人集まれば1台位はあるはずです。(大笑)
天文誌やインターネットで狙いを定めて向かって下さい。
基本ですが、新月近い週末に行きましょう。
関東の方はこれ幸い、私KIKUTAが毎月何処かの観望会か観望地へ出没しています。
サービス色が強い私です、ご連絡いただければ、きっと願いを叶えてあげられるでしょう。
場合によっては、「天体双眼望遠鏡サミット関東分会」を開催しますよ!
必ずや、この宇宙旅行を体験し新しい世界へ誘えるでしょう。
関西方面では、「ビッグビノHP」の服部氏が同じように対応していただける筈です。(よねっ!)
観望会「望遠鏡・双眼鏡サミット」
定番ですがこれに参加するのが一番です。
2泊3日全泊参加しなくとも1日だけでも十分に「双眼望遠鏡」見ることが出来ます。
しかし、オーナー達の話を聞いているとフル参加がしたくなってしまいます。
家族や友達を誘い天文の趣味のある方なら必ず1度は参加しましょう!
ここへ行けば、「双眼望遠鏡」のすべてを知る事が可能です。天文のベテランならリーダーとしても体験したいものですね。
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天体双眼望遠鏡の取り扱い
・使用方法=双眼望遠鏡を使い星を見るの当たっての手順。
目の前にある双眼望遠鏡を「さあどうぞ!楽しんでください。」と言われたあなたはちょっと困りながらとりあえず2つのアイピースに向かって顔を近づけて行くと思います。
しかし、たいていの方は方側のアイピースに天体が見えればいい所でしょう。
どうにか見えても像が2つにダブって見えることもあります。何とかなるのかな?って調整したくとも何がなんだか・・・
かといってなんか複雑な、高級そうな装置を勝手にいじるのは気が引けて、「いい物を見せていただきありがとうございました」って、終わりにしてしまいそうですね?
せっかく観望地まで来て、双眼望遠鏡は見ましたが、双眼望遠鏡で天体を見ませんでした。では少々悲しいです。
かといって初心者のように1から10まで人任せも失礼な気になってせっかくの機会を失なうのも残念です。
構造は理解していると思いますので実際にどのように自分用にセッティングするのか考えて見ましょう。
EMS双眼望遠鏡の場合
まず高さ調整ですが、余程でない限り少し見せていただく時にこの調整だけは難しいと思います。子供や女性などで高さが足りない場合は踏み台などを使いますが、高度を上げる事によって接眼部が下がってくるので大抵の場合問題ないでしょう。
大事なのはここからです。
目幅(がんぷく)調整
人それぞれ目と目の間隔が違います。瞳の中心から中心までの幅を双眼望遠鏡のアイピース(接眼レンズ)のピッチに合わせます。自作品ですと、まれに調整できないものがあります。本人専用に製作しているわけです。
まず最初にこの調節をします。
この調整を上手く行わないと両目で覗く事が出来ません。
調整方法
基本的には2種類の調節方法があります。
鏡筒スライド式
鏡筒を左右へスライドする事により接眼部を調節します。
ヘリコイド式
ヘリコイドをEMSの中間に設置し回転する事で接眼部が斜めに動く。
左右のヘリコイドを同数回転させてアイピースの間隔を調整する。
この方法は、鏡筒をスライドさせる構造より簡潔にシステムを完成させる事が出来る。しかし、EMSのミラー間隔が大きくなるので第一ミラーを大きくしなければならない。
ピント調整
目幅調節が出来ましたら次はピントを合わせます。
ピント調節は左右の目を別々に合わせていきます。
ピント調節は「ピントノブ」を回して行います。
アイピース側に微調節装置が付いている場合、なるべく最初の調節で前後を同じ位置に持って行き、微調節を上下微動で合わせます。
視軸調整
目幅とピントが合ったら次は両目で覗き込んでください。
どうでしょう?気持ちよく視界が開けましたか?
問題なく見えればそのままでKOです。
左右の像が別々に見えたら「視軸調整」をします。
一つの星が2つに見えたり、連星が斜めにダブって見えたりした場合左右の像が合っていませんので視軸調整をします。
大抵は微調節で済みます。しかし、左右違う像が見えたり、同じ位置でも左右の傾きが違う時などはオーナーに根本的に調節してもらう必要があります。
微調節
EMSの下に2つ調整用のつまみがあります。(普通は右側のEMS)
その位置を手で確認し、両目で双眼望遠鏡を覗き込み明るい星を探し中心に導入します。(重星などが調節し易い)
つまみのどちらかを動かします。すると2つに離れていた星の一つが動き始めます。軽く左右に動かし動き方を覚えます。
次にもう一つのつまみを動かし同じように感覚を覚え2つの星を一番近づくように調節します。
もう一つのつまみを回します。どうでしょう?左右の像が一致しましたか?
どうも上手くいかない・・・。
その時は、少しアイピースから目を離します。5センチから10センチ位離れたところで今までと同じ方法を行います。
瞳径の中に星が入り左右が一致したらアイピースに目を近づけて下さい。
像が一致しているでしょう。
最終調整
視軸調整をした場合、EMSミラーの位置が動く為ピントがずれる事があります。再度ピントを確認して必要なら再調節をします。
アイピースを変えた時の再調整
アイピースを交換した場合通常焦点距離が変わるのでピントの再調節をします。
EMSの場合、個体により構造上の剛性が違い視軸がずれたりする場合があります。決して故障ではないので、再度上記の調整法を取ってください。
以上で、見るための調整は終わりです。
後は、鏡筒の振り方をオーナーに尋ねてください。握りバーなどが付いていますのでそのハンドルで宇宙飛行をコントロールします。
さあそこから自由自在の宇宙遊泳の始まりです。
感想は素直にオーナーへ伝えてあげましょう。
悪い感想が出る場合大抵は、セッティングの失敗です。再調整をしてその「双眼望遠鏡」ポテンシャルを楽しんでください。
本格的に覚えたい方は、EMS本家のHPを熟読してくださいね。
天体望遠鏡革命 ←ここです。
反射式天体双眼望遠鏡
EMS双眼望遠鏡と違いこのタイプは接眼部が一律ではありません。各オーナーの工夫により構成され使用方法もいくつかに分かれます。
代表的な例をいくつかご紹介しましょう。
@ A B
口径の大きなドブソニアンタイプのツインは接眼部が示すように対象の反対側を覗き込むと言うスタイルとなります。
@Aピントを左右の目に合わせドローチューブのつまみを回し、トップリンを回し目幅を合わせます。
Bは岡本氏の開発した特殊な正立接眼部でドローチューブのつまみを回しシステムの出入で目幅調節を行い、アイピースの出し入れでピントを合わせます。
像が二重に見えた時は斜鏡調整か主鏡調整で調節します。
Aの写真の右側斜鏡調節ネジ2本が飛び出しているのを確認下さい。このネジで像が一致するように回します。@Bは主鏡調整がメインです。
しかし、取り回しの上から(覗きながら簡単に調節できる)今後はAのタイプが微調整の主流となりそうです。
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自作講座
無いものは作るしか手に入れる手段は無いでしょう。
情熱的な貴方は自作という方法へ至ります。
ここではその手助けになればと今ある情報を掲載いたします。
実際に自分で製作するにあたってまず方向性に対してのプランが必要だと思います。それぞれの双眼望遠鏡の特性の中から貴方の求める形を決めましょう。その構造によって製作のし易さ、好みが完成の可能性を左右します。
天体双眼望遠鏡を完成させる迄のプロセス。
目的からの選択
なかなかオールラウンドなシステムは無いものです。中間的な妥協は考えても良いでしょう。
まずは貴方が何を主体に観望したいかにあります。
また、こんな機材を持ってたら「カッコイイ」なんて方も結構居るのでは無いですか?
物理的な選択
見たいものは決まりました。しかし・・・
大抵の人は物理的な問題も抱えています。
究極を考えると10cmクラスの屈折アポツインと50cm位の双眼ドブではないでしょうか?
目的に応じ変化や妥協もあケースバイケース、トライ&エラーで楽しみたいものです。
最初は手持ちの気に入った鏡筒をツイン化することをお勧めします。
金銭問題:
本当にお金の無い人、お金があっても趣味にそんなに使いたくない人。その様な方は時間を使ってください。何もかも妥協無しではちょっと難しいですね。
小型反射天体双眼望遠鏡か自作EMSで小口径屈折を自作してください。
中古鏡筒などを活用すれば反射式なら10センチ位から金額目安2万円〜可能です。
お金のある人はどうぞ、最初から最高の物を目指してください。良い機材は飽きた時でも高値で転売が可能でしょう。
技術的問題
市販EMSと市販(代理製作)スライダーを組み合わせれば屈折双眼なら自作まで行かず「組み合わせ」での製作も可能です。腕に覚えのある方は、作業場と道具で作れる物を考えましょう。
自分専用であれば、目幅調整機能は必要ありません。又、鏡筒スラーダー無しでも、ヘリコイド付EMSを使用することで製作は非常に簡略化できます。
移動問題
あまり口径の大きい物は分解移動でも25kg以上だとなかなかしんどいので光学系の重さから考えて反射式で30センチ、屈折式で15センチが普通の体力の限界でしょう。また、観望地までのアクセスに使う車両の問題も忘れずに!!
体力や資産的に問題の無い方はに自身のある方は関係ありませんね!
その様な方は手に入る最大口径のものに台車をつけたりトレーラーに固定するなどの方法で、皆様に最高の空を提供してあげて下さい。そしてあなた自身も「星」になって下さいね!
保管問題
移動の問題が解決しても、自宅の6畳部屋に「そびえ立つ大きな家族」本当の家族が出て行ってしまったらどう使用もありません。保管場所は最も良く考えないとそれでなくとも貴方の部屋の中は天文機材で一杯のはずです。ツインは普通の2倍以上のスペースが必要でしょう。
構想
それぞれの問題を解決したら、具体的な構想がまとまってきたはずです。運用を考え最初の天体双眼望遠鏡を確定します。スケッチなどをして色々デザインをすると心構えが出来てくると思います。
設計
最終的に決めたデザインを図面に描いて設計を始めます。
それぞれのポイントはこの後に書きます。
設計の段階で細かい所まで決定する事が製作を楽にする事となります。
部品調達
製作
改良
完成
こんなの作ってみたいですね!
天体双眼望遠鏡の構造
現存の双眼望遠鏡の構造ポイントをここではいくつかあげてみます。
・屈折式双眼望遠鏡
EMSを利用を前提とします。
目幅調節方法の決定 → 鏡筒スライド方式 か EMS中間ヘリコイド式 になります。
鏡筒スライド式 EMS中間ヘリコイド式
鏡筒スライド式
メリット
・ピントが出たまま目幅を変更調整出来る。
・自作EMSなどで強度の不足している接眼部の場合目幅を変える毎にEMSに触れる必要がない。
・観望会などで未経験者に見せる場合ピント再調整の必要が少なく目幅調整が簡単。
・EMSの光路消費距離を短く出来る。
デメリット
・高精度な物を作るには技術とコストが必要。
・スライド部が鏡筒を支える為強度が必要となるがその為に重量がかさむ。
・スライダーとスライドレンジ分コンパクトさが犠牲となる。
高精度でスムースなスライド部を製作するにはそれなりの知識と経験が必要です。しかし、多少ラフなスライドで視軸が乱れてもEMSで簡単に微調節できるので、木製で敷居すべりを使ったりスライドレールを使用しても完成することは出来ます。
しかし、運搬の際大きな衝撃に注意が必要となります。
EMS中間ヘリコイド式
メリット
・スライド部が不要な為、シンプルでコンパクトで軽量で剛性が高い(衝撃に強い)。
デメリット
・光路消費が大きく短焦点鏡筒にする場合第一ミラーを大きくしなければならずコストがかさむ。
・オーダー製作になり値段が高い。
・妥協線にもよるが周辺減光などのリスクもありえる。
・目幅調整毎にピント調節が必要となり、観望会などの不特定多数に見せる場合難しい物となる。
小型の双眼望遠鏡にはコンパクトで組んだままの移動が可能となる。小さなサイズの双眼望遠鏡や実視界を必要としない設計、シュミカセ双眼や超大型屈折鏡筒など普通のEMSで目幅が広すぎる場合の対策にはヘリコイド式が向いているようだ。中間的な鏡筒サイズはスライダーからはずして運搬をするのでヘリコイドにこだわる必要はない。
鏡筒改造
バックフォーカスを大きく取った鏡筒の場合、純正EMSで鏡筒の改造が不要の事があります。高橋スカイ90やシュミカセなどでピントが出ています。
しかし、2インチ広角アイピースを使用するとピントが出ない物がほとんどです。
鏡筒の改造はある程度覚悟して下さい。しかし、実際の改造は難しい物ではありません。
しかし、一つだけ注意して下さい。
2群のレンズ構成を持ちドローチューブに1群があり移動する物は光学設計を破壊する恐れがありますので避けた方がよいでしょう。普通の1群2枚・3枚玉の鏡筒を利用します。
改造の際にまず設計の必要があります。
その時に一番気をつけなければならないのは、任意の位置にアイポイントを引き出す為に鏡筒を改造するわけですから鏡筒を切って詰める必要があります。その時の光路の蹴られに気を配る必要があります。
事前に光路図を描いて設計しましょう。
ポイントとして2つ挙げておきます。
まず、鏡筒自体の焦点位置とアイピースの焦点と一致させます。
自作経験が少ない方は悩みやすい部分です。
鏡筒の焦点位置はある程度わかると思います。しかし、アイピースの焦点位置がわからないとドローチューブの位置がきまりません。
屈折の場合はドローチューブの引き出し量に余裕があるのでバランスが悪くてもある程度大雑把で何とかなります。しかし、ニュートン鏡筒の場合はそうも行きません。従って、確り位置を出して設計をしないと作り直しになってしまうこともありそうです。
アメリカンサイズのアイピースは元々焦点距離の短い物が多く見掛視界が小さいのでそれほど大きく変わりがありません。
ちなみに大体の物がバレルの根元付近です。指先を(汚れるのがいやならティッシュ等)中に入れて覗いていくとピントが合う位置です。
問題は2インチアイピースです。
バレル内に絞りが入っている場合はそこが焦点です。しかし、超広角の場合絞りは入っていません。私はやっぱり指を入れて探します。(汗)
国際工器のワイドスキャン30mmはバレルの付け根でした。
笠井トレーディングのWV32mmとは2〜3センチ位置が変わります。
又、2インチとアメリカンサイズ兼用の物などは内側のアメリカンサイズバレルにスマイスレンズが入っています。バローレンズと同じで焦点距離を増やしていますので、結構長くなります。
こうして考えると、反射鏡筒の場合など後に使用するアイピースの特性を十分に理解する必要があります。
そして、お好みの中から焦点位置の近いものを専用としたほうが後々良いでしょう。
次に、光路図の書き方ですが、一般的な光学の説明では焦点を説明する為に下の図のBの線が描かれています。
そのままの光路図で設計をすると見掛視界が取れなくなります。ご注意下さい。
実際には焦点位置に実像が描かれアイピースがそれを拡大して見ている訳ですので、広角に覗く場合Aの光路を取らないと視界がさえぎられてしまいます。
最大必要光路幅の理想はアイピースの絞り径になりまが、実際にその光路幅を取るとかなり太いドローチューブや大きな斜鏡が必要となります。
なので妥協線として主対象が低倍率の場合焦点位置の径を10mm〜15mm、高倍率用では5mm〜10mm位にします。
それ以上の範囲は周辺減光がおきますが眼視の場合には気付かないレベルですので問題ありません。
ニュートンの場合は斜鏡口径がAの線以下になると主鏡有効径を蹴られてしまい口径が下がった事になります。
見掛視界の広いアイピースの周辺像は減光が始まっている範囲ですが、どうです!判りますか?
架台
双眼望遠鏡に使用する架台は通常経緯台方式の設計をします。
・反射式双眼望遠鏡
・その他の双眼望遠鏡
天体双眼望遠鏡を作るには
・道具・材料の調達!
・市販品を組み上げる
・自作EMS
・リーズナブル30センチ双眼望遠鏡
・経緯台式赤道儀「ポンセットマウント」
・自動導入
・大口径のコンパクト化を考える
天体双眼望遠鏡は通常の単眼鏡筒の2倍の体積になります。当然運搬や取り回しにも工夫を凝らさなければなりません。反射中口径(25cm)以上になりますと分解しての運搬となるのは止むを得ませんね。基本的に現段階での双眼望遠鏡は眼視観測のみで経緯台によって気楽に楽しむ方向性が強いと思います。
その様な傾向性から組み立て分解が楽で気軽に稼動が出来る必要性が強くあります。
そして、そのユニットをコンパクトに収め運搬を可能とします。
極端な話し、分解しないでトレーラーやユニック車、トラックにウインチなどを利用して運搬し大型ガレージに保管をするのが一番でしょうが。(汗)
端例はさて置き・・・
簡単に分解が出来るように設計をしなくてはなりません。
その前提としまして、個人所有が普通ですので一人で手で持てる必要があります。
屈折鏡筒は構造上分解は難しいので鏡筒と架台と脚の切離しで行います。是非、服部氏のHPを参考にして下さい。
大口径双眼望遠鏡では次のことを考慮します。(この場合双眼ドブを指します)
1、鏡筒の大きさ重量からいくつかのユニットに分けます。
2、光軸の再現性の高いユニット構造にします。(笠井トレーディング社「Ninja」参照)
3、通常20キログラム以下の重量で設計します。(主鏡重量的には無理ですが)
4、ユニット数を最小に押さえます。
5、出来れば安く入手の楽な材料を使いたい。
1、ユニット分け
口径30cm位までは鏡筒と架台の分割が可能でしょう。平行軸の再現性を考えると鏡筒受けを確り作る必要があります。しかし、車両に収めるには1,500mm以上の長さは2分割にした方が良い出しょう。1ユニットあたり90cm以下が良いです。
鏡筒を製作する場合は最初からボックスタイプの鏡筒を製作しコンパクトで安定した形が良いでしょう。
2、光軸の再現性を考えた場合、双眼望遠鏡ではトラス式はお勧めできません。ズバリハードタイプが良いでしょう。
3、ユニットの重量は持ちやすさも大きく関係してきます。掴み所の無い長いボイド管は例え10kgでも持つ事すら大変です。重くても適切な位置に取っ手がついていれば問題が減ります。完成した形も大事ですが運搬のための妥協は必ず必要となりますので設計の段階で十分検討しましょう。
4、ユニット数は=設置・撤収時間になります。人の手を借りないですむ設計は手伝いがいた時より一層楽になります。
5、完全な自作では、工具の制限も出てきます。木が一番でしょう。図面が書けて予算に余裕があれば外注に出し製品並の仕上げが出来ます。その場合材質に悩むことも無いでしょうね。
以上のような考慮をして行くと、一番の目標の「大口径双眼」は如何にシンプルに作るかにたどり着きます。
所有する前はデザインや自動導入や色々な欲が出るものです。しかし、今一度現実を見つめる必要があります。
仕事から解放された疲れた体で、大口径が生かせる所へ遠征をします。
大掛かりな機材を車に乗せ遠征地で設置し調整、観望を楽しんだ後撤収・移動・収納があります。
如何に無駄なアクションを減らすか?
「シンプル・イズ・ベスト」一番重要なキーワードでしょう。
一番の目標を達成したいものです。
コンパクトに収めた実例
口径50cm双眼装置ドブ
口径33cm双眼望遠鏡
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これからの天体双眼望遠鏡
「2インチ双眼装置」
「赤道儀搭載型双眼望遠鏡」
「超大口径」超は付きませんが・・・
「高倍率惑星観測」
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天体双眼望遠鏡ギャラリー リンクです
の中の第6回双眼鏡・望遠鏡サミットのコーナー
双眼望遠鏡サミット主催服部氏の力作ページリンク
最も多くの双眼望遠鏡を高画質で見ることが出来ます。必見です!!
松本双眼(EMS)ユーザーサイト
KIKUTAの見たサミット
・報告:第5回 双眼鏡・望遠鏡サミット
・報告:第6回 双眼鏡・望遠鏡サミット
・報告:第7回 双眼鏡・望遠鏡サミット
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究極双眼望遠鏡
2010/1
双眼望遠鏡に目覚め、のめり込み、早10年の熱中時代が過ぎました。(^_^;)
色々な場所で様々な双眼望遠鏡を体験し、さて、自分で一番欲しい双眼望遠鏡の理想像ってなんだろうと思うことがあります。
やっと、これだ!という姿が現れてきたのでちょっと書いておこうかと思います。
その前に、ちょっと一言。
狭い趣味の世界のため、私も結構大勢の方とお付き合いさせて頂いております。
中には、この趣味関係を営みとしている方も多く、私の発言がどちらかへ偏っていると思われている場合などもあるようです。
しかし、所詮趣味と割り切っていますので、微々たる利益のために楽しみを歪める気など微塵も無い「B型のKIKUTA」です。
まるっきり贔屓目の無い、全くわがままな主観でこのサイト全てを仕切っていますので、その辺だけはお汲み取り頂ければと思います。
そもそも、双眼望遠鏡自体、社会認識もない、数少ない細々とした趣味です。
そのような仄かな楽しみを、人の利害で失うほどバカバカしいものはありません。
ただ、悲しいかな。人は突き詰めていくと、どうしても自己の重要性を主張したくなるようですね・・・。
是非、宇宙と関わる皆様が、宇宙のような大きな心で楽しみ進んでいかれることを、この先も願っています。
という、純粋な我侭の行き着く先を、実現可能な形で妄想?してみます。
まず、至るに対して思う要素を上げ、消去していきます。
さらに、手段として残す道から、これなら可能な究極ではないか?と。
天体でも、惑星は可動可能なサイズのアポクロマート屈折鏡筒に双眼装置、そして赤道儀。これでOKです。
シーイングの影響もありますのでTOA130などと、上質な双眼装置。これが売ってますので、惑星対象にあえて双眼望遠鏡は考えにくいですね。
ただ、良シーイングの時に大口径のドブソニアンで見ると写真より素晴らしい惑星を見れるときもあります。。
銀河などのディープスカイ
暗い銀河のクローズアップなら、可能な口径と日本のシーイングから30センチ双眼。
しかし、重量・コストから反射鏡等になる。また、現実的に温度順応を考えても屈折やシュミカセなどは厳しい。
リッチフィールドは、低倍率で美しい星野を楽しむなら、10センチ前後のアポクロマートEMS。
ただ、可搬・取扱性能の問題があり、手軽な観望や初心同行者も楽しませるのなら8〜10センチ位の対空双眼鏡でも十分である。
特に最近は、中国製品などの安くアポクロマートの中低倍率アイピース付きの物もあり、日中に景色を見たりするのも大変便利である。
とかとか、書いていたけど、面倒なのでとりあえず先に答えを書いちゃいます!
究極双眼望遠鏡は「30センチ銀メッキ双眼F6ドブ」
これしか無いでしょう!
これがあれば「最もよく使う望遠鏡」間違いない!
理由
1、関東で使用してシーイングの影響から許せる最大サイズ
なんだかんだ言って、望遠鏡は口径が大きいほど良いに決まってます。勿論小口径は別に用意してね!
裏像を我慢したって、小口径では見えない銀河が沢山見えまっせ。
2、30センチ鏡筒でシャープネスを活かせ、脚立を使用しないで観望できる最大サイズ
口径比は1:5以上欲しいですね。
F6なら、斜鏡からの引出量が25センチとして焦点距離1800だから1550mmの鏡筒内光路なので踏台無しぎりぎり。
3、決め手の「銀メッキ」
アマチュア反射望遠鏡の最大欠点は、アルミメッキの反射よって赤外線に近い赤く暗い色がアルミに吸収され星(対象)の色が白化て見えることです。
双眼望遠鏡の大きな魅力の一つに擬似立体に見え、また美しい星を味わうことにあります。
この鑑賞的な楽しみは、屈折望遠鏡での特徴ですが、色吸収の少ない銀に反射させることで屈折望遠鏡に類似した像を味わえます。
さらに、屈折と違い反射は色収差の影響が無いためさらに素晴らしい像を得ることが可能です。
銀メッキ補足
天文に使用される銀メッキは、ハッブル望遠鏡の時代から存在し、天体観測に適したものです。
ただ、問題は銀が酸化しやすい性質のため大型の天文施設では研究者が磨き直しや再蒸着など非常に手間が掛かっていました。
しかしそれをももっても、反射率が可視光に優れています。
近年カメラなどの内部に使用する銀メッキに良質なコーティングが開発されて来ています。
一昨年ぐらいから、双望会でおなじみの池田氏が自作双眼鏡にそれを採用し成功のようです。
一方の私は、実現の難しい、「大口径のドブソニアンに対して銀メッキ模索」をしており、各メッキ屋に「コーティングの保証は出来かねる」と、何度も玉砕しています。
池田氏の成功を聞き、再度メッキ屋に尋ねたところ、やはり以前と同じ回答で何年もつとの保証は出き無いとの事でした。
そして、池田氏のコーティング加速度試験結果を聞き、池田氏に相談したところ、「そりゃ業者の問題かも?色々あたってみれば?」とのようでした。
時も悪く、私の趣味が海へ向かっていたので、この件はそのまま放置ですが、何れは挑戦したいですね。
ちなみに、双眼視の時に起こる擬似立体は、色の起こす遠近感の錯視や、内寄り目時の錯覚がありますが、色やコントラスト、光量のダイナミックレンジが関わります。
そのような面から、焦点距離の長い、銀メッキ反射双眼は理想的です。
4、その大きさを手軽に扱うにはドブソニアンスタイルが適しているでしょう。
そして、F6であれば、筒外引出し量にも余裕がもて、更に反射率が高ければ合計「四反射システム」で正立像システムも可能です。
お金があれば是非作ってみたいですね。
ボート遊びに飽きたらチャレンジしてみようと考え、プランだけは出来上がっています。(^。^)
中国製品について
いやあ、ほんと、日本もお馬鹿ですね。
中国などアジア圏に日本の素晴らしい技術をプレゼントしてしまったおかげで、日本では絶対に作れない「安く・高性能」を実現させています。
台湾製(大抵上海などで作ってる)ウイリアムオプティクスなんて最高です。
だけど、双眼望遠鏡は内需拡大のために、お金のある方は是非、高橋鏡筒+EMSを買いましょうね!
2016/8/17 等倍双眼装置(手軽な双眼の世界)
双眼装置の有用性は言うまでもありません、しかし、望遠鏡の設計が単眼の焦点距離に設計されているため、光路長を必要とする双眼装置でピントを出す事は出来ません
リレーレンズで無理やりに合わせると高倍率は大変有利ですが、等倍での利用は出来ません
本来リレーレンズで距離を稼ぎ改め等倍の焦点角度へレンズで変換すればいいのですが、コストがかかるので量産しないと実用的ではありません
売れるか分からないものをメーカーは本気では作りませんでした
しかし、趣味の世界です
偶然にも工学を弄るメーカーの人間が、双眼装置に目覚め、双眼装置をドローチューブ引出量を変えずに等倍にするリレーレンズを開発してしまいました
で、プライベートメーカーで販売しています
私も特注で上質なものをお願いし入手しましたが、低中倍率まで本当に最高です!
大口径のドブソニアンで使うと、屈折の双眼望遠鏡がおもちゃの世界で、大人の宇宙が手に入ります(^O^)
高倍率は、焦点距離のあるアイピースでバローレンズを使うのが元々満足しているレベルなので、あえて、等倍リレーで高倍率を試しはしません
試した暇人は居ますか?(^O^)
まあ、何はともあれ、騙されたと思って注文することをお勧めします
そうそう、安いアイピースでも周辺像までシャープになります
特注:双眼装置用等倍レンズ
注文はこちらのサイトを見てね
池田氏のインディゴサイト
例えば、30インチのドブソニアンがあれば、そこへこのリレーと双眼装置があれば史上最強の双眼望遠鏡です
最近は、日本で一番大きな双眼望遠鏡も徳島より登場しました
55cm反射式双眼望遠鏡
四国ならではのシーイングで55センチ双眼が活躍します
つづく
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