シュワルツ120ツインの作り方


この双眼望遠鏡は、低倍率で銀河巡りをする目的で制作しました。


しかし、シュワルツと、松本ミラーシステムの基本性能の良さが、結局の所、高倍率まで思う存分楽しめます。
一番の特徴としましては、正立像、双眼で天体観測が出来ることです。
しかも、プリズムを使わない構造なので、像がこの上なくシャープです。色もゴーストも出ません。

低倍率広角では、M31がバッチリです。かみのけ〜おとめ辺りの銀河団は、圧巻です。綿毛のような銀河が次から次ぎへと、同視野に飛び込んできます。
又、航空機も簡単に捕捉できます。
天の川は・・・言葉では表せませんね!!
高倍率(約220倍)で惑星をくっきり楽しめ、球状星団や星雲も色々な倍率で楽しめます。
それと、正立像なのでものすごく、導入が楽です。
本来、通常に行われている倒立像や裏像が、非常に疑問となります。
ただ、少し大きいのでシュワルツ150クラスだと見た目のバランスは良くなるはずです。F8にベストマッチ!(2002/10追記)

<スペック>
・鏡筒:笠井トレーディング「シュワルツ120」改造
・接眼部:自作EMS 
・常用アイピース:笠井「ケーニッヒ40mm」、国際光器「ワイドスキャンU30mm」
・架台:自作ドブソニアン経緯台+木製三脚

倍率:25倍        33倍
実視界:2.6度     2.55度 
瞳径:4.8mm     3.6mm

制作費:
シュワルツ120×2=¥78300ー(1本は特売品)
ミラー          ¥23000−(たぶん?)
エスロン継ぎ手    ¥もらい物
他パーツ        ¥25000−位

合計    おおよそ¥130000−位でした。
 


<接眼部:EMSの制作>
この双眼望遠鏡の最大の特徴は「松本正立ミラーシステム」を、市販のエンビパイプ用ジョイントを使う事により、高価なミラーシステムを安く、簡単に製作した事に有ります。
エスロンパイプメーカー「前沢」にて、VP75、VP100の2種に限り60°と言う特殊な規格品を販売しています。
素人として最も製作の困難な、ミラーボックスを精度に気を使う事無く工作する事が出来、自作の道を広げてくれるでしょう!!

また、製作にあたり、塩ビ材は専用鋸(パイプソー)で非常に簡単に綺麗に切る事が出来ます。接合も専用糊(塩ビ糊)が速乾で強力な強度を出してくれます。塗装も容易く乗せる事が出来、自作向きな素材です。


 材料:
・ミラーは、笠井トレーディングより、反射望遠鏡用斜鏡 短径55mmと70mmを2枚づつ購入しました。
・ハウジングケースは、エスロンパイプ継ぎ手です。
 写真1,では規格VUで、
 50→75 75→100 異系ブッシング 100Φ60度エルボ 100→75異系ブッシング 75Φ60度エルボ 75→50異系ブッシング
 になります。
 実際に接続する部分は、1部VU直管を入れます。

☆塩ビ加工のコツ☆を少々。
「継ぎ手の切断」
・塩ビ継ぎ手を加工する際、パイプそーで簡単に切れるといっても形の悪い継ぎ手は思うように切断できません。
継ぎ手を固定する事が切断を容易にします。
・切断部分に丁寧に切り取り線を書きます。
・切断され不要になる部分にタッピングビス等を打ち込み作業台に固定します。2本ぐらいビスで止める事により鋸での切断が容易になります。

「ジョイント」
継ぎ手のメス側は、僅かにテーパーになっています。切断する事により差込がきつくなります。差込側が直管等の軟らかい物の場合は塩ビ糊をつけ体重をかけて無理やり押し込みし(スルッと入るはずです)ばらくそのままにしておけば1分も掛からず接着します。塩ビ糊は塩ビを多少溶かし接着しますので、一度つけばはがれる心配はありません。

継ぎ手とブッシングの場合(第一ミラーケースと第二ミラーケースの接続部)
後に調整する必要がある場合は接着をしないので、無理に押し込むわけには行きません。仕方が無いのでオス側をヤスリで丁寧に削るしかありません。頑張って下さい・・・。旋盤があれば簡単ですね!
手で削る場合、削る部分に油性マジックで色を塗ります。塗った部分を均一に削ります。削り終わったらまたマジックで塗ります。また削ります・・・。この繰り返しでメスにおさまるまで丁寧に行なって下さい。塩ビEMSの面倒な作業はここだけだと思います。
では、健闘を祈ります。


写真1,


出来上がりと、作る前の素材を並べたところ。





中でミラーを支えるプレートはドイト産アルミプレートをでかいばんせんカッターで切りました。





ミラーは、ウレタン付き(1mm厚)両面テープとシリコンシーラントで接着。
長ビスにスプリングを通し蝶ねじで調整できます。
第2ミラーはナット止め。




鏡筒部分の改造



鏡筒はアルミなので墨(切取線)を正確に書いてそれに沿って丁寧に切ります。
慎重にやれば誰でも簡単に加工できます。





加工の前後。





もちろんドローチューブもカットします。
その際、ラックアンドピニオンにタップをたてビス止めしてから切ります。





こんな感じにそろいました。
接眼部が大きく感じますが私がシュワルツを手に入れた頃は15センチが発売されていませんでした。
シュワルツの15センチへこのEMSを取り付ければバランス的にもよくなりそうです。
F8なら、このまま流用できます。

しかし、
この鏡筒達、焦点距離が僅かに違います。・・・
製造時期が違ったため、ピントを合わせると少しチンバになります。




こんな物を使って軸合わせをします。
個人売買でゲット!
後に不要な事がわかりましたが・・・

出来上がり〜!



架台、少し詳細。
架台は、ビクセン三脚のジャンクです。赤道儀を外して軸調整ボルトの当たり部分を削り平にして、下からボルトを通し特大のテーブル足受け(丸いプレートの芯にナットが溶接して有る物)を固定し、そのプレートを丸い直径350mm×厚15mmの合板にビスで止めます。
その上に、回転テレビ台(確か?大)を絨毯用両面テープで固定します。
その上に、木で作った見たまんまの台を置きます。(これは固定しません置くだけです。強風でも落ちません。)
耳軸は、配水管のVU−100のキャップです。強くて安くて軽い。(これは大きいサイズも色々あります)ビス3本で止めて有ります。
このドブ架台?は操作が非常に軽く、指で摘んだだけでもヒョイヒョイ動きます。しかし、ピタッて止まります。200倍ぐらいまで問題有りません。
一番最後の制作だけに、すんっごい手抜きですが、闇夜で使用すると素晴らしい物と勘違い出来ます。


その後。
笠井トレーディングの蔵出し即売会へ行ったとき、無料放出品の中から、なんと、鏡筒2本見つけました。ラッキー!!
鏡筒の切り直しが出来ます。
こんな事アリですね!

その後2,下をクリック!

軸合わせが簡略化しました。目幅調節もスムーズで簡単に作れます。
ここ!


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