第七回 双眼鏡・望遠鏡サミット

※このイベントは普通の星祭ではなく所謂本質は『スターパーティー』と呼ばれる性質の様です。
『双眼鏡・望遠鏡』をキーワードに集まった面々が、ゆったりとした時間を過ごし、星空を楽しむ集まりです。
そのために完全予約制にして事前交流メーリングリストを開き、イベントを最小限にし、
夜になったら灯火管制を行って真っ暗な環境を提供しています。

2004/10/16(土)〜18(月)
今年も行って来ました。
一番好きなイベント、毎度ですがレポートです。

 今回一番大きかった(長かった)田中さんの望遠鏡です。


  
一番カッコ良かったツイン(友達びいきです・・)GINJA300ツイン YAMAさん作 
元々、F5 30センチのこのミラーは非常にシャープでベースに使うにはとても良い鏡筒です。
更に迷光処理をしてコントラストアップしています。
本人曰く、サミット前日にはじめて組み上げ辛うじて間に合ったそうですが、見た限り素晴らしくメカニカルな風貌が男心を誘います。
細かなセッティングが終了すれば、誰しもを見慮するいかしたツインで双眼望遠狂を増やしていく事でしょう!
しかし、架台部はナンボ掛かったのでしょう?(^_^;)


新しい凄い機材シリーズです!目を擦ってよく見て下さい!
どんな物か理解できたあなたは来年のサミットへ間違いなく行く事となるでしょう!!

  

 

  

  
「美女と、ハイッ!美女、ん?」 苦しい駄洒落です・・・

今年のビデオ撮影は、なんと、デジタルハイビジョンです。
機材紹介で、無精ひげやぼさぼさ頭全て鮮明にハイビジョンで撮られてしまった筈です。
皆様大丈夫ですか?
私はハイビジョンテレビ持っていないので関係ないんですけど・・・(^_^;)


  

大事な機材を載せ忘れていました・・・
 「武蔵五百」


今年の雰囲気です。
毎年のようにほのぼのと暖かい集まりとなっています。
  

第7回のサミットは私にとって4回目となる。
すでに1年間の中で最も意識したイベントとなっている。
本来は双眼鏡・望遠鏡の集いが中心であったようであるが、私が参加し始めた頃はビッグビノ他多数の自作双眼望遠鏡の参加があった。
従って私は無意識のうちに「自作双眼望遠鏡サミット」と思い込んでいた。
しかしそれは多数の中の一部の認識で、それぞれが様々な意識の元参加し楽しんでいるようで、実際にマニアックな双眼鏡から高性能な望遠鏡やドブソニアンなど多数参加している。
ただ、特徴的なのは「双眼望遠鏡」が日本一多く参加するイベントである事は確かである。

全体的な雰囲気は創意工夫者が多くその苦労・楽しみを知っているだけに、お互いを尊重し合い建設的なお付き合いが多いのだ。
ベテラン勢はその様な方が多い為、初心者にも優しく丁寧に楽しめるよう工夫されているとても素晴らしい状況だ。

今回はほとんど快晴で2日目はシーイングも素晴らしく私の参加した中では最高レベルに観測を楽しめた。
残念な事は、例年星ナビの取材があったのだが今回は無かった。
写真でもわかるように、極められた機材が多くこのようなチャンスを生かさないのは惜しい気もする。

機材紹介等は、服部氏のHPで行われると考えられるので、私はほんの個人的に楽しんだ一部だけ御話しするにとどめよう。

参加スタート

イベントのエントリーが確定すると専用のメーリングリストが届く。
開催の直前までにメールによる参加者の交流が始まる。

参加者リストを見ながら、メールによる自己紹介とあわせどんな機材を持ってくるのか期待を重ねる。
今年は2インチ双眼装置がきわめて優れたアタッチメントとして普遍化の兆しを見せているようだ。
私の「武蔵五百」も十分な能力を発揮出来る天候を期待する。
また、毎年一般の方や初心者も混ざるのでその方たちのために楽しみ方の工夫も練って当日を迎える。

移動は、開催前日の夜仕事を終えて深夜に向かう。
眠くなったら迷わず途中で仮眠を取れるよう余裕を持ってのスケジュールである。
今回は車両を小型ワンボックスに替えた為、「武蔵五百」と「33ツイン」を積むのに苦労するが、ルーフキャリアを用意していた為に多少の余裕スペースある。
コスモキッズ天文仕様とそのジャンクを積めるだけ詰め込み出発した。
 

途中、初参加の加藤夫妻モーターホームと落ち合えたらつるむ予定であったが、予定のサービスエリアが長距離トラックで込み合い出会えず、時間も遅く電話しづらく私はそのまま開催地のスターフォレストまでノンストップドライブとなった。
朝早くの一番乗りで開催時間まで仮眠を取り十分に夜の鋭気を養った。この天候が持つ事を期待しつつ。
途中、加藤氏のモーターホームがやってきた。
おこされ、コーヒーとキッチンで作られた出来立てのヤキソバをご馳走され、何時は私もモーターホームを・・・。
ごちそうさまでした!

気が付くと随分集まっている。
私も早速機材をセットしながら、一年ぶりの懐かしい顔と挨拶を重ね、ちょっと自慢の「武蔵」を調整に入る。
今回は、コスモキッズを大量仕入れしていたのでデモ機を机に置いて準備完了!後は開催の時間となり受付でフィーを渡し、名札をもらい皆とそれぞれの見学に入る。
夕刻、食堂にて開会式が行われボランティアスタッフに感謝の拍手を送り食事となる。
食後歓談をするまもなく日は落ち満天の空が広がりつつある。

空は晴れ渡り透明度が良く低倍率で天の川を流すと、明後日までの開放された時間の安堵で1年のストレスの全てを振り払うだけの気持ちとなる。
セルフコントロールされた意識だけでなく、この開放感は代え難い物がある。
二晩続けた星見だけの時間、このイベントが無くては手に入らないだろう。

今回私のテーマは、同大口径の面積による、双眼望遠鏡対双眼装置によるメリット・デメリット模索である。
この結果は、別のところで報告をしようと思う。
初日は透明度はあるもののシーイングが悪くお喋りを多くしながら、コスモキッズの素晴らしさを皆様に見て頂くこととなった。
私が感じたとおりにi色収差の無い低倍率広角に皆様も喜ばれたようで満足である。
色滲みの無いアンドロメダ銀河の全景観察や小さな星座の全景を見ることが可能で普通の望遠鏡では見ることの出来ない世界である。
現在の日本では、なかなか異端な物は受け入れられない常なのだが、感覚的なものを体験されるとそこから素直に立ち返ることが出来テーマを持ち込む事は非常に大切に思う。
大型の空気望遠鏡、大型の水晶玉アイピース、格安ドブソニアンツインの類まれなシャープネス。他にも沢山のサプライ!
話や書物、ネットでは決して得る事の出来ない体験を競って受け止めることが可能である。

一番の驚き!
毎度、ビデオ撮影為さって頂ける方がいる。
「このハイビジョンカメラ、届いたばかりで今日が試しなんだ!」
耳を疑う「ハイ何とか?」。
写真でお分かりとは思いますが・・・、ハイビジョンです。
やっと最近テレビが安くなってきたので、家電屋で「うわーきれい!これ欲しいじゃん!」レベルでいた映像が我々に向けられる現実と向かい合ってしまう驚きであった。
デジカメの一眼レフが既存フィルムを越え、ビデオで馬頭星雲を映し出し、サミットがハイビジョン記録となる。
私の鏡とレンズの組み合わせがまるで原始の知恵比べに思えてなんともいえない幅となってしまった。

そうして2日目を迎える。

午前中にフリーマーケットが開かれる。
自作用のパーツからテレビュー商品までの交換会、私はコスモキッズ関係を10点近く並べたのだかまもなく無くなってしまった。
来年、より使いやすくなっての再来を楽しみに別れを告げ私自身も物色へと行く。
しかし、欲しいものは全滅。(涙)
自作用のジャンクを何点か手に入れ終了となる。

昼食後、機材紹介が始まる。
これが又サミットの大きな楽しみの一つである。
全員が自分の機材を紹介するのであるが、硬いことなく思いを込め、ユーモアを発揮し楽しい時間を過ごしていく。
勿論今年はハイビジョンなので機材どころかあなたの毛穴の一つ一つ、伸びた髭、光る○○○までバッチリ取られたはず・・。
紹介があるごとに連帯も深まって新たな友が増えていきます。
  自作最優秀賞の「バケツ」

夕食後、あっという間に最後の夜です。
ここまでで十分に楽しめて、まだこれからがあると言うのに名残惜しく夜を迎えます。
少々露が降りつつあり、大気の落ち着きが感じられ期待が大きくなります。
夜はスターフォレストのドーム施設内の65センチカセグレン望遠鏡をリクエストで自由に観望が出来ます。
その時間帯にお風呂に入る事も済ませます。


私は未だその65センチを見に行きません。
どんな像か知りたくもありません。
何故かわかりますか?
答えは簡単、○○くなるから・・(笑)、です。

夏の天の川が見える内は「武蔵五百」「33ツイン」は皆様に自由に使って頂いて、私は「コスモキッズ」を手にしたご婦人方に導入のレクチャーです。
四国の先生と一緒に盛り上がり、一風変わった最小ドブソニアン観望会となり、結構驚嘆できます。
オモチャと馬鹿にすることは決してありませんでした。
ちなみにナイフエッジとロンキーの結果、放物鏡で100倍ぐらいまで可能なまずまずの鏡とわかり、アイピースを替えれば目からうろこが落ちる事「まちがいない!」と言う結果でした。

透明度が多少落ち遠くからの光害の影響によりステファンの5つ子などは諦めM天体による比較を暫く行い先鋭双眼望遠鏡ツアーを楽しみオリオン、土星を待ちます。
毎年、ながら新作は凄い世界を教えてくれ来年に向かった自分の工作を刺激します。
100台前後の機材を全て回りきれませんが、とても楽しませて頂き感謝の念が耐えません。
しかし、終わった時に覗き忘れて惜しい気持ちも必ずあり、あと1日の猶予が欲しいと常に思う次第です。


M57の中心星を確認、網状星雲のうねりを楽しみメジャーどころを一通り良シーイングで満喫。
夜半過ぎは本格的観望に切り替え、50cm双眼で落ち着いた土星を256倍でじっくり楽しめる大気状態となるが、惜しくもエンケは確認できず。
オリオンが随分上がった所で馬頭にチャレンジ。しかし、光害の為存在確認にとどまる。
160倍でオリオン星雲の色付いた広がりを追い、暗黒帯のコントラストを立体的に見る。
ふと、この状態ならトラペジウム周辺の興味が湧く。
4星が意外と小さく安定している。
丹念に内側を見回すと、赤っぽい小さな星がくっきりと合間に漂っている。トラペジウムは合計6星確認出来、中央に微か何か浮かびそうな状態であった。
よくトラペジウムが沢山見えたと話は聞いていたが、こんなにくっきりと現れる物かと50cmの口径に驚いた。
このような状態は、33ツインでは無理であった。

薄明ぐらいに薄雲がはり出し、幕を閉じる。
ひと時の眠りの後、閉会式。
記念撮影とそれぞれの惜しむ会話が、片付けの間交わされ「又来年」と散り行く。

私は快い疲れを振り払い、車に機材を押し込み強い日差しに緑に囲まれた山を目に焼きつけ最後の退場者となった。
今回は帰りに名古屋方面の仕事を入れていたため、ゆっくりと西へと向かう。
翌日の台風に気をもみ、その夜も夜行で帰途へ着いた。

又来年会いましょう。KIKUTA



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