天体双眼望遠鏡の立体感  2005/11/1

最近は双眼望遠鏡、双眼装置が増えてきてうれしいですね!
眼視で、景色を楽しむように深い宇宙や惑星を堪能し天体観測で体感的なストレス解消が出来ます。

さて、良く耳に聞く事ですが、「宇宙が立体的に見える!」。
この事について、私なりの見解をお伝えします。
なぜならば、誤解によっての双眼離れが無い用にちょっと思いまして・・・。

本来、無限遠の宇宙は人の眼巾では絶対に立体認識は出来ません。
しかし、皆さんが言う「立体的に見える」は本当のことなんです。

何故でしょう?
そもそも、人の目は立体には見えない構造です。
その目を2つ使っても、何れも平面です。
立体に見えるのは、2つの像を脳で合成し立体に感じているだけです。
したがって、立体に見えるとは、立体に感じる条件が必要だとわかります。

いくつか要因が考えられます。

システム的な問題も複合的になりますので、結果を先に述べますね。

立体的に見える時は、
@双眼システムの両目軸が「寄り目」になっている。(近距離を見ている目の状態)
A対象物があり、大小・明暗がある。(パターン認識)
主に、この二点によるようです。

寄り目のとき、脳は立体合成の準備状態となる。
その状態で左右の視差を合成する。
更に、経験上の記憶を用い当てはめをすることで自然視となる。
擬似立体には、上記要素の幾つかにより始まり、その上に誤った当てはめを行い立体に見える事となる。

@の状態を考えます。
双眼望遠鏡は、無限遠の宇宙を見る為に2つの鏡筒が完全平行にセットされています。
そうでないと、狭い視野で左右同じ対象は合わさらないでしょう。
双眼装置の場合は、1本の鏡筒ですから上記と同じ条件になります。
両目軸が「寄り目」と言う事は、何れも接眼システムにより寄り目状態に成っているわけです。

そこで、立体的にものを捉える時はどんな状態でしょうか?
実を言いますと、その状態は、右目と左目では僅かに違うものを見ていることに気付いたでしょうか?
・角度的な違いによる像のズレ。
・ピント・視野の違いによる遠近。
・その複合
そうなんです。
同じものが見える状態は、本来遠方の対象だけになるのです。
しかし、近い距離を2つの目で見て、脳が一つの像として映像化し、その違いを立体と認識しています。

Aの状態を考えます。
同じ形状で大きな物は手前、小さな物は遠く。
ハッキリ見える物は手前、ぼやけて見える物は遠く。
子供でもわかる事ですが、しかし、この場合は片目でも判る事で、脳の理解によります。
既存経験では、他に、影は下、眩しいは上があります。
他にも感じましたら是非教えて下さい。


以上の要素で立体的にものを感じるのですが、双眼望遠鏡や双眼装置で立体的にものが見える場合、いくつかの要素により脳が立体と判断しています。
その要因を考えて見ましょう。

・距離における大小など大きさの違いを考えで遠近としてみる事もあります。。
・月クレーターなどは、影の位置で凹凸が逆転したりします。
他に、明暗による意識の判断、学習による形状常識の意識判断などがあります。



うがーあ!
真面目な事を考えると頭が痛くなるぅ。

また先の長い事はじめちまったぜ!
興味ある人居るのかなぁ・・・
あんたも好きね!

まだまだ工事中です!!


少々離れますが、人が自然体でものを見る時の両眼の関係を考えましょう。
ものを見る時は、必ず両目を使います。天体ほどの無限遠〜自分の鼻の頭を見るまで。
右と左で別のものを見ることは無いでしょう。(交差法などは除く)
そうしますと、両眼の関係では、平行から寄り目までしか無いことが判ります。

自然体と申しましたが、通常の2つ目の動きは以上の関係の中だけで生活し筋肉を含め癖を付け自然体を形成しています。したがってそれ以外の視軸は無理があり長時間続けると癖がつき、神経等にも負担をかけてしまいます。
しかし、平行から内寄りにかけては生理的な負担は無く、意識的に「近くに宇宙があるわけは無い」などの、「意識による精神負担の障害」以外は無い事になります。
後に述べますが、ここが重要で双眼望遠鏡を調整される時にマスターして頂きたい理屈になります。

双眼システムにより、上記の様々な要素で立体感の本質の違いがあります。
<システム>

双眼望遠鏡
・平行調整
・回転調整

双眼装置
・平行調整
・回転調整

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