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武蔵五百
製作記 開始 2004/1/30
更新 2/13 2/14 2/21 18点支持主鏡セル 斜鏡部+スパイダー 接眼部:双眼装置スライダー ファーストライト+α 4/23 完成!「初出陣」 セッティング 2004/8/23 しめくくり
2010/10/5 改造計画! 2010/10/18 改造計画中止 2013/1/4 その後の武蔵
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いよいよ未踏の分野へ踏み込む事となった。
5.6年前に箱に描かれた写真を見て「宇宙はこのように見えるだろう」と想像し裏切られた玩具のような望遠鏡の像から、いよいよ現実にそれを見ることとなるだろう。
口径50cm+2インチ双眼装置、この世界を機動力高く手軽に稼動するシステム「武蔵五百」をいよいよ製作する!
まず、他でも記しているが、2インチ双眼装置「ビッグビノビュー」はすでに完成している。
この接眼部は入射角F4.3まで可能となっている。
差込用のバレルを外すと50mmフルサイズの入射口が現れる。
この双眼システムで500mmミラーからの光束を直に入射させ2インチアイピース双眼で見ることが出来るようにするのである。
双眼の世界をご存じない方へ一言申しておこう。
「双眼装置は光量が半減する」と申す御仁が多いと思われる。それが銀河に相応しくないと・・・
考えて欲しい、瞳径7mmで淡い対象が見やすいだろうか?
3.4mmの暗さが瞳を刺激せずに見やすいことを体験していると思う。
大口径では倍率はそれほど上げる事はあまり無い事である。低中倍率での稼動がメインである。
おわかりかな?
低倍率は光量を落としたほうが見易いと言う事を。
ちなみに500mm口径の最低倍率は72倍である。
ミラーの入手
突然始まった「武蔵500」製作はもっと大きなミラーにしようか悩んでいた最中のことであった。
重量的に気軽な一人稼動の問題と、輸入の問題で躊躇していた。
以前、笠井トレーディングで衝動的にninja500のミラーを購入しようとした事があった。折角の在庫が気が付いたら売約になってしまい次回は又時間をかかる旨を聞き残念に思っていた。
年明け早々に、笠井社長からメールが届いた。
「周辺を1cmほどのチッピングした500のミラーがある、安くするがいかがか?」
正月早々のお年玉である。無論Ninja500用のミラーである。
懐と相談の結果、月末払いで即決となった。ど真ん中、ウイークポイントを突かれてしまった。
1月29日にミラーが届いた。
ちなみに1cmほどのチップは3箇所あったが性能への影響は皆無である。
梱包の箱の大きさに少々たじろいでしまった。比較に50mmファインダーを置いた。
直径20in、厚み2in、パイレックス?焦点距離2236mmでした。
重量はカタログでは22kgだが、やはり一人で持つ限界である。
もちろん斜鏡もセットである。(短径100mm)
基本設計
まだ完全な設計は終わっていない。
まずミラーを手にしてリアリティを感じないといけない。
鏡筒自体は製作の簡略を考え最初からボイド管で製作する予定である。
内径で550mmの物が丁度よさそうである。全長2Mでボイド管自体の重量は20kg程度である。
構造は2通り考えている。
図のように3分割か、ミラーとトップリングのみ外せる一本タイプか?大きさ的には一本物でもワンボックス・カーに乗せるのは簡単だが20kgの重量が悩みどころである。早急に決断しなければならないが一本物でまずは製作し、使い勝手を見てから分割にしても遅くはなさそうだ。
2インチ双眼装置の取り付け法だが、下の図のように鏡筒内へ落とし込む方法を取る。
合掌装置は小型ステージを流用するか割り出しで作るか、構造的には池田氏の物に近い。
ポイントは鏡筒内までスライドさせる所だろう。
今回再計算した所、F4.5の入射角で100mm斜鏡でぎりぎり蹴られる事が皆無になることがわかった。
多少双眼装置の影が主鏡に落ちるのだが、図で行くと焦点の周辺減光に犯されないサークルは8mmぐらい取れそうである。周辺を含め笠井WV-32mm改アイピースでイメージサークルを十分に取れるので何の問題もなくなった。
双眼装置鏡筒内落とし込み
接眼部のイメージです。
双眼装置が反転し常に見やすい角度を保ちます。
ミラーマウント
18点支持を自作する。
ネットショップでこんな物を発見しました。
確か33ツインもここで買ったような気がします。
アルミバリュー寸胴鍋54cm \34,220◆サイズ:直径54cm×高540mm 板厚5.5mm
◆容量:120リットル◆材質:アルミ◆寸法表示は内寸です。48cm〜60cmはアルマイト加工ではありません。
これは丁度良いかもしれません、ボイド管の内径が550mmでジョイントに丁度良いサイズです。
寸胴の内径が54センチ肉厚が5.5mm×2なので外径が551mmになります。550分の1ぐらいの誤差ならぴったりはまりそうな気がします。
そこの部分も器型に補強を入れミラーマウントのベースになります。
蓋も蓋に使えますね!
スパイダー
思ったより斜鏡が軽いので薄手の真鍮で製作しようと思う。
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鏡筒部 2004/2/13
鏡筒の中心は由緒正しく「ボイド管」を使います。
早速、米谷紙管製造鰍ヨオーダーしました。明日2/7届くようです。
白ボイド
550φ× 800mm 2本
500mm 1本
100mm 1本
残 1本
カット含む合計 18,800円 送料 5000円
ミラーボックス用とジョイント用に上記の寸胴鍋もオーダーしました。
ネットショップで「キッチンネッツ」という所です。本日発送されたようです。
笑ってしまうのが、キッチンネッツより「この鍋は調理用としても大きい物で注文に間違いありませんか?」と、きました。
そんなに売れない物も売っているとは思わず吹き出しそうでした。(笑)
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本日到着部材 2004/2/14
・白ボイド (白ボイドとは表面の仕上げ紙を張っていない物で、塗装等が乗りやすいようになっている。)
・寸胴鍋
・クイックファスナー
やっぱどれもデカイですね!思わず笑ってしまいます。
ボイド管と寸胴鍋は大きさがピッタリでした。
あまったボイド管もデカイこと、私も余裕で入ることが出来ます。
如何に簡単に高性能に完成させるか、色々考えています。
本日のアイディアとして「18点支持主鏡セルの簡単工作法」
ポイントはフレキシブルジョイントの省略と3点プレートの回転止めです。
支点の軸にボールを置き周辺をシリコンで囲み上下に接着します。
こんな感じで上手くいくと思います・・・。
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バンドソー購入 2004/2/21
アルミ板のカットに丸鋸を使いフライスで仕上げる事をしていましたが、薄物は暴れて上手くいきません。
ブロックの割り出しも難儀していました。
ネットで中古や安物の輸入品を探していましたが「レクソン」と言う台湾メーカーがいたずら程度に使えそうなことがわかりました。ネット上の最低価格で39,800円、オモチャにしては高い気がします。
大工センターの「ドイト」へ見に行った所、なんと24,800円で購入する事が出来思わずニンマリです。
早速試した所、今まで使わなかったことを後悔するほどよく切れます。
しかし、そのままでは刃に切子が溜まり刃が熱を持ち切れなくなります。油を差しながら切るとほんとによく切れます。
REXON バンドソー
来週末ぐらいには主鏡周りが完成しそうです。
おっと、セル受け用のバネを探さねば・・・
物色したパーツ
セル周りのパーツです。
今回入手に苦労したのはバネです。主鏡調整に押し引きネジを使えばいいのですが、今回の鏡筒は特に大きさの問題で接眼部から主鏡調節部までに距離があります。(汗)なるべく簡単にするため押しバネを使います。しかし、ミラー+セル重量で30kg使い重量になりそうなのでバイクのパーツなどでいいものが見つかりませんでした。
やむなくネット上でバネ屋を探し注文しました。1個540円です。コイル径20mm全長30mmバネレート160n/mm位だったと思います。M10のボルトと組み合わせノブスターで回す予定です。
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18点支持主鏡セル 2004/3/14
設計ではシリコンと鉄球を使う予定でしたが収まりがぎりぎりになってしまったため後々の分解が出来るように変更しました。
支点位置等は横尾さんと酒居さんのhpを参考にさせていただきましたが、なかなか手間取ってしまいました。
作図ソフトが中途半端で寸法が結構いいかげんになってしまう私に似合いのソフトです。
丸鋸とフライスで切り出した、10mm厚セルのベース部。
バンドソーで「サクサクッ」ってまとめて「おにぎり」です。
時間が少ししかなかった為この先へは中々行けません。
フレキシブルなジョイントの部分に使う鉄球が手に入りません。
私はパチンコをやらないので困っています。
ミラーの外周は504mmでした。
写真を見てもらうと判るように少々構造を変えました。
思ったより材料の大きさに余裕があったためシンプルになります。
夜中に一寸ボイド管にラッカーを塗り染込ませ強度アップと塗装下地をしました。
シーソーの長さを間違えて15mm短くなりましたがそのままで・・・
ここだけは精度を出す。
外周の受けをがっちりと補強。
どうにか月末を越える事が出来、束の間の工作。
手間のかかる主鏡マウントを早めに完成させたいために寸胴の加工に入る。
まず、邪魔な取っ手を外します。リベットはドリルで貫通させると容易に取れます。
寸胴を帯状に刻みボイド管のジョイントガイドに使います。
口金はトップリングの補強に良さそうです。
マウントの納まりを確認しました。
軽量化と通風のために32cm径の穴を開けます。
底板は5mmありますのでちょっとした補強だけですみそうです。
しかし、主鏡周りはオールアルミで製作していますが結構重量があります。腰に悪そうです。(汗)
マウントをなべ底に収めてみました。
バネのテンションは結構あるので押しネジを入れなくても大丈夫そうな感じです。
ノブスターの大きさが2種類あるようで一個だけ小さくてよわります。
しかし、ぎりぎりの大きさですね。
シーソー部分は組み直しの回数も増えそうなのでシリコンは止めようと考えています。(横尾さんにも忠告を受けましたし・・・)
工作中の設計変更なのでそれ以上なかなか進みませんでしたが、おおよその方法は決まりましたので合間を見てマウントを完成させれば今週末は鏡筒組みに入れます。
ノブと押しバネの関係です。
面の密着確認。
4月10日
コルクをはった状態。 合成ゴム系ボンド使用。
三角プレートの向き合わせはゴムひもで対角に引っ張らせています。
主鏡の押さえにステンレスバンドを使います。
バンドのテンションでミラーは宙吊り状態です。
立てても問題なくホールドしています。
主鏡周りは塗装をすれば終了。
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斜鏡部+スパイダー
スパイダーを作り始めました。
センターは割り出してみました。
ブレードは0.4mmのブリキです。
こんな感じで考えています。
この後、2インチ双眼装置スライダーを考えながらスパイダーの取り合いを決めます。
こつこつと手間がかかりますが時間との勝負でしょう。
如何考えても出来合いのものを買ったほうが安そうですが、売っていないものは仕方がありませんね!!。
斜鏡セル
斜鏡セルは意外と悩みました。
けど、所詮100φの鏡です。大した自重はありませんので簡単に行く事としました。
大工センターを物色していると直径70mmのテーブルの足に使う素材が目に止まりました。800円ぐらいです。
しっかりしていて節も無い辺材です。用途目的から日々も入りにくいでしょうから即決定です。
工作室で斜めに切っていただき100円を払いました。
後で中心に30φの穴を貫通させています。
斜鏡の取り付けはクッション材付き両面テープとシリコンを使い3点止めの予定です。
斜鏡の傾斜調整部は真鍮です。
ちょっと重いので肉抜きをしました。
斜鏡の取り付けは、1mmのクッション付両面テープ(キッチンパネル取り付け用です)で3点止め、その外周にシリコンボンドで固めます。恐らく歪みは出ないはずです。
シリコンが固まったら反射面以外を黒板塗料で黒く塗りつぶす。です。
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双眼装置スライダー 2004/3/21
ビクセン光学でCCDカメラスタンドを購入。このラック&ピニオンで双眼装置を吊り下げます。
双眼装置スライダーと言うのは接眼部に使う2インチ双眼装置を前後に動かしピントを合わせる部分です。
流用品のラック&ピニオンのサイズが少々小さかったようですがシャフトが無垢の為荷重をかけられますので無理しました。
動きはあまり問題がありませんが横を向いた時シャフトとメスの受けのメタルが擦れます。間に樹脂をはさもうと考えていますが、グリスでも良いかな?
鏡筒のトップ部に取り付けようのパネルを付けました。
強度的には十分ですが、スライダーの取り付けに使うコの字型の口が削りすぎてガタがあります。作り直すか?はさみ物をするか?こういった失敗は結構ありますが、やることが多すぎてついついいい加減に成りがちです。(汗)
頑丈です!
鏡筒内に突き出した部分です。
手間のかかる部分は大方が終了に近づいて来ました。
スパイダーの取り付けボルトを真ん中で割ってプレートをはさむ形に加工しようとしたのですが、バンドソーの歯が立たないのでアルミか真鍮に変更します。斜鏡セルを作れば鏡筒本体の製作です。
ここまで来ると結論を出さなくてはならない悩みがファインダーです。
「武蔵五百」は純粋にギャラクシーウォッチャーです。50mmファインダーは論外です。
「33ツイン」では80mmのアポを使っています。M天体なら大抵がファインダーで見つけることが出来ます。しかし、今回はある程度のNGCbワでファインダーで導入したい所です。まして、脚立観望だと昇ったり降りたりじゃ疲れます。1発導入を目指します。
低倍率広角が効く鏡筒・・・所有の物は、アクロ100mm、アルター5N、のどちらかでしょうか?本当は20センチF4の反射が欲しい所です。(中古で安いの無いですか?)
これが決まらないとバランスが出ないので架台が作れません。さてさて・・・
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いよいよ鏡筒部に入ってきました。
ミラー部と1番筒の接続を完了です。バッチン錠がつきました。
この後急な仕事が入ってしまい中断です。
主鏡セル下にゴム製のブッシングを付けたのでベタ置きが出来ます。
鏡筒を組み上げました。
左脇にあるラックの高さが1,800mmです。気持ちが良い位デカイですね!
双眼装置とファインダーとアイピースを所定位置に載せバランスを見たところ底から780mmがバランス地点です。
ここで問題が発生しました。
架台の耳軸がバッチン錠に丁度干渉してしまいます。バッチンは3点でバランスを取っているのでずらしたくないのですが悩みどころです。ジョイントにリングを入れているので裁断荷重はかかりませんので引き抜き荷重だけならバッチンが2個でも大丈夫な計算ですが、見た感じのバランスがあるので上部2個下部1個にすればよいのですがここまで来て付け替えるのもいやです。如何したもんでしょう・・・
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テクニカルファーストライト 2004/4/18
バランスも決まり、架台の制作に入る前に焦点の確認をしなければなりません。
完成してから鏡筒の長さを変えるのは大変です、鏡筒の設計に間違いがないか実際に星を入れて確認します。
まさに最初の光を入れるのでファーストライトと言いますね!
自作の場合、この記念すべき「ファーストライト」は、未完成時に行われます。
ほぼ計算通りで問題なくピントが出ました。32mm2inアイピース双眼装置で光軸調整はしませんでしたが星像はそれほど崩れていません。しかし、側の街灯が迷光処理をしていない鏡筒内で暴れています。
覗いた印象は、双眼望遠鏡と変わらないほどに双眼装置は良く見えます。微恒星の見え方もダイナミックです。
これで次へ進めるのでシングルは楽です。
明日の日曜日は架台が完成すればGW位には完成しそうです。楽しみ!
この状態で脚立に上り天頂の微恒星でピントを合わせました。
明るい環境なのでそれ以上は見ていません。
これが架台になります。
黒板塗料塗りたて・・・
耳軸
耳軸を付けてみました。
ある程度の直径を必要としているのでバッチン錠の位置をずらしました。
用事が多くて今日はここまでです。
2004/4/23
夜な夜なこそこそ進めています。
やっと塗装までこぎつけました。
架台がでけた!(^_^;)
斜鏡も塗るだけ。
実は、真っ白鏡筒なのです。
やっとここまでたどり着きました。
残る作業は、耳軸の受けにすべり用テフロンの取り付けと、架台のベアリングの受けに円板の用意と、耳軸の色塗り。
斜鏡はシリコンが固まったら黒く反射止めをします。接眼部のスライダーのガタ止めもします。
そうそう、ファインダーを如何しましょう・・・
双眼装置も黒くしないといけませんでした。
しかし、これなら最低限の残り作業をすればもう稼動が可能です。
明日の夜は久しぶりに「武蔵5百」で初出動しそうです。(^_^)
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初出陣 2004/4/24
いよいよ完成しました。
正式なファーストライトです。お姿をご覧下さい。
操作性は私の好み通りバッチリでした。
ピント位置もドンピシャでワイドスキャンから笠井ケーニッヒまで全ての2inのアイピースがOKです!
デリカの後部にピッタリ収まりました。
セッティング 2004/5/2
光軸調整をしました。
各所にセンタリングマークを打ち、双眼装置から光軸調整用アイピースでセンターを出し、レーザーで最終追い込みをしました。当初、双眼装置のミラーネジが緩んでいて双眼装置自体が狂っていて何度もやり直した所原因が判ればシングルは非常に簡単に調整が出来ます。
これは、「33ツイン」で、死ぬほど鍛えたからです。(^_^;) 買ってでも苦労はするべきですね!
アイピースに映された瞳径の写真。(太い2本の線は電線です)
ほぼ良い所まで追い込みました。しかし、爪が一本見えません。はて?
どこかで蹴られているようです。どこだろう・・・?
それから、今回は軽量&高精度を目指した為、スパイダーや主鏡周りの剛性をあまり強くしませんでしたので移動が心配です。初陣の帰りに主鏡メインビスが緩んで外れていました。主鏡とトップリングは座布団が必要になりそうです。
架台に着色しましたのでついでに分割状態の写真を撮りました。
架台はシルバーにしたのですが、クリアを上塗りしたらグレーっぽくなってしまい不満です。
これならオレンジ色のままのほうが良かったかな?
主鏡セル以外は結構軽いです。量っていませんが1ユニット10kg程度です。
架台も意外と軽いですよ!
曇りの合間に月を見ました。
シーイングめちゃ悪でしたが13夜の割りに表面などもとてもよく見え双眼装置は良い状態です。
闇雲に流れる雲の間の恒星を追っていましたが、きりりと締まった軸の合った像で気持ちよいです。大口径特有でシーイングの変化に合わせ星が大きくなったり小さくなったりします。
次の新月が楽しみです。
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2004/8/23 しめくくり
完成より4ヶ月、出動回数7回、50cmのツインは物凄く素晴らしい1回、まあまあだね!2回、30センチF5の方がコントラスト良いじゃん・・2回、駄目空2回、の稼動です。
兎に角言える事は、本当に暗い空で抜けが良い時は「50cm双眼視の脅威」で、別世界です。浦島ならず、龍宮城ですね!しかしそれには普段の行いがよくないと・・・、「場所と天気」という問題が行く手を阻みます。
機動力を確保する為の分割設計はとても生きていて、豆に出動するのもこのレベルの鏡筒を持ち出す事に抵抗がありません。製作をして本当に良かったと思います。良いミラーを提供して下さった「笠井社長」本当にありがとうございました。
さて、実際にどんなものかというと、衝撃的な例として、「ステファンの五つ子」です。
6月に富士新五合目へ行った時です。夜半に雲海に8割程度覆われシーイングもまずまずに落ち着き標高に助けられぬけも十分な状況のときです。
導入倍率は笠井WV-32mmで70倍、NGC-7331がくっきり見えます。瞳径が7mmの為バックもかなり明るいのですが、真ん中に線がびしっと見えます。ステファンももやもやと固まって見えます。バックを暗くする為にミードUW-14mmに替え160倍瞳径3mmとします。銀河が反らし目でうようよ見えてきます。「おーステファン楽勝!」って感じです。しかし、暗い銀河で大きさもぽちぽち・・、クローズアップを試みます。
ミードUW-8.8mm、256倍、瞳径約2mm視野内に五つ子が広がります。
驚きでした!5つとも銀河の形がはっきりわかります。本当にそれぞれの形が判るのです。
バックが暗く引きしまうと口径分解能が生きてきて形が浮かび上がってきます。両目で見る視認性の良さが当たり前に、手に取るように銀河を浮かび上がらせてきます。もう、論より証拠です。
前に30インチドブで網状を見たとき以上の衝撃でした。笑う事しか出来なかったその瞬間でした。
ディープスカイは「わびさびの世界」と誰かが言いました・・、武蔵五百は写真の世界でこれを見てしまうともう戻る事は出来なくなってしまうでしょう!!
しかし、それもその時だけの喜びです。
あのディープスカイを求めて度々出動しますが、あの空は未だ訪れません。
季節柄も上空の水蒸気の多い季節で光害が上空に反射しいくら瞳径を落としても銀河より明るい空に全てを覆われてしまいます。
やむなく倍率を下げて稼動しますが、口径分のシンチレーションを拾ってしまい、確かに暗い天体の存在感はあるのですが、形状等のコントラストは口径比のある30センチドブに負けてしまいます。
そうなると、いくら機動力のある分割鏡筒でも重さを感じてしまうものです。
この先、季節が変わり空の透明度が上がった時にどのような状況になるのでしょう?
冬のシーイングは30センチクラスでもきつくなるのでかなり厳しい状況になるのでしょうか?
それとも、大気の安定した日に素晴らしい「馬頭星雲」を見せてくれるのでしょうか?
サミットがある意味楽しみですが、一撃必殺のカウンターパンチのような望遠鏡です。
小気味の良い、ジャブ・ストレートのようなワン・ツー鏡筒も同席させないと辛いのも事実の様ですね。
そうそう、私たちの存在するこの銀河内の星雲たち、特に南天の星雲は激スゴです。
シーイングが良いと限界まで倍率を上げて細かな構造を観察する事が出来ます。
これは、写真でつぶれてしまう部分まで見えるので非常に楽しい世界となっています。
では、どこかでお会いした時に龍宮城へお誘いできる事を楽しみにしたいと思います。
「武蔵五百」を見かけたら気軽に声をかけて下さいね!
ここまでご覧頂きありがとうございました。
何時の日か、ツイン計画が始まりましたら又お付き合い下さい。
「武蔵五百」終了!!
2010/10/5 改造計画!
武蔵五百完成より早6年半経ちました。
途中、レーシックを行うことで瞳径を広く使う観望が煩わしい部分もあります。
銀河など淡い対象や、像の確りした惑星などは問題ないのですが、点光源で特に明るい天体が滲んでしまいます。
低倍率の星野ではじれったい思いです。
と云う訳で、瞳径4mm以下でと自分なりに限定しています。
その結果、「ニュートンビノビュアー」を作ったのですが、今一、完成度が低く、機械工作的な障害にいい加減な結果となりました。
プロに、何とかできないかと依頼したところ、作り直した方が早いと放置、やむなく自分で再調整し始めたのですが、流石にめんどくさく放置状態です。
いっその事単眼に作り替えるかと思案していましたが、双望会も近く、更に気持ちの良い涼しさを感じると工作意欲がわいてきます。
で、考えました。
国際光器で販売されている、バーダー「究極双眼装置」を調べてみると、入射口径が28mmで、消費光路長が120mmとのことです。
バーダープラネタリウム
究極「MARK
V」双眼装置
10/6注文したので、早々に入荷すれば詳細確認し、制作に入るかも・・。
したがってF4.28と云うことで、F4.5の武蔵五百で使用可能ではないですか。
金額的にも完成度は高そうなので、最初から試してみればよかったような気がします。
で、これを前提に、延長筒利用で単眼も可能に出来る兼用フォーカサーを考えてみました。
※ ▽の部分が鏡筒外側に当たる部分です。
← 鏡筒先方向
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左は、双眼装置使用時のイラストです。
双眼装置使用時は、今までと同じように鏡筒内落とし込みとし、リニアブッシングでスライドさせ、フォーカスネジでピント固定します。
今までと同じような方法ですが、つりさげ式を止め、ベースプレートから2本のスライドシャフトを引き出し、プレート上の双眼装置マウントへ固定することで剛性を高めます。
プレートへは適当な固定方法をとり、双眼装置がフリーに回転できるようにします。
単眼時のイラスト
単眼で使用する際は、マウントを一番引き上げ固定し、延長筒とフォーカサーで使用します。
こうすれば、単眼時に光路障害は防ぐ事が出来ます。 |
こんな感じで作ってみようかと思います。
しかし、今からでは双望会に間に合わなそうです。
33ツインの方も今整備中なのでどうしようか・・・。
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2010/10/18 改造計画中止
折角の良いアイディアだったのですが、中止にします。
理由として、前提となる究極双眼装置を取り寄せたところ、届いたものはニュータイプで仕様変更となり、根本的にサイズダウンで私の眼幅では使用できませんでした。
国際光器のホームページ上では、古いタイプのスペックをそのまま記載されていたため、購入後の発覚です。
以前(数年前)も、他の双眼装置で、同じような誤った仕様記載で返品する事があり、こんな根本的な事で2回目の返品です。
まったく、約17万円も払った後にこんなんじゃね。
「うんこ臭い抗菌しろ!」って感じ。 (−−〆)
まあそんな感じなので、時間的にも間に合わなくなったので今回はやめにしましたが、このアイディアは皆さん自由にやって下さい。
「武蔵五百」は単眼にするかなぁ・・・。
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2013/1/4 その後の武蔵
昨年の双望会で、武蔵五百は四国のY氏の元へと、主を変える事と相成りました
戦のない世で錆び付く前に、シーイングと暗闇の戦場へ出陣です
その後の武蔵はこちらでお楽しみください
浮気なぼくら 50cm望遠鏡
では、「武蔵五百」これにて終了!
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