久々に、望遠鏡ネタで、55cm反射双眼望遠鏡とは、何たるっちゃ!
と思われた方、大変失礼いたしました <(_ _)>
今回は、徳島の山本様の自作紹介です!
昔から自作で数々の素晴らしいものを作られていたそうですが、ネット環境がないためなかなか双眼狂まで情報が届いていませんでした
そのような中で、「このたび、55cm反双が完成したけど、今のところの最大口径を教えてほしい」とメールが来ました
私もちょっと最新情報が疎かったので、仲間に聞いてみると、世界では28インチのこれかな?
とのことで、ギリギリ世界一は逃されました
しかし、日本一の双眼望遠鏡として是非双望会へ御出で下さいとお誘いしたのですが、お仕事都合でダメそうです
なので、山本さんに代わって「宇宙を頂きます!」にて、ご紹介したいと思います
もとい、30年以上に前から望遠鏡を自作して観望のみを行っているそうです
だから知る人は知っていますね?
現在所有望遠鏡は、40センチドブソニアン(3台目)、55センチドブソニアン、25X2ニュートン双眼、小型の物も数台(全て自作)、
過去にはホースシューやボーンタイプ、小型は数十台製作したそうです
双望会には来たことない方でも、ぶっ飛び自作名人は居るもんですね (^O^)
で、この55cmは、現在星像での調整段階で、軽四の箱バンに搭載し一人で組み立て、観望が可能です
スペック等
22inch f4.5(すでに持っていた22inchがf4.5だったので同じもので製作)
斜鏡短径104mm(f4.5なのでほんの少しケラれてると思います)
ほとんどが鉄骨
総重量、約200Kg
ファインダーはレーザーを使用、完全手動導入
2軸合成は90°プリズムを斜鏡に変えてネジで合成
形態はカブトと同じで大カブトと言った感じです
アイピースはイーソス17mm使用で目幅は65mm以上で有れば大丈夫です
小顔の方、女性や子供には対応出来ませんが・・・(^_^;)
私も体力がかなり落ちてきてますので55双眼は7〜8割組み立てたままラダーを使用してウインチで車内に格納する方法を取ってます、 慣れれば20分ぐらいで組み立て完了出来るのでは?と思ってます
55cm双眼望遠鏡 主鏡装着状態
55p主鏡裏から
55cm双眼望遠鏡 2in双眼接眼部
2inchプリズムを斜鏡に変更し左右の干渉部分を削り使用 ヘリコイドを付けピント調整してます
片方の斜鏡を電池バネで引き、ネジで押して合成調整します ピンクの線は左右の目幅調整を連動させる為にPEラインで連結したものです
斜鏡の自重により角度での撓みにより多少の光軸ズレが発生するようなので 今後改良する予定
現状での感想は・・・
「双眼で見ると、55センチ単眼で覗いていた星々が偽物だったかのように感じるほどの違いが有ります」
とのことで、想像はつきますが、是非覗いて観たいです
更に四国のシーイングで楽しめれば、云う事無しの無上道です!
そして、山本さんは最高峰の物をお持ちの方の義務を分かってらっしゃいます
「覗いてみたいと言う方がいらっしゃいましたらご紹介下さい」と、優しいお言葉を頂いております
山本様メールアドレス
nyanyanya@mg.pikara.ne.jp
興味ある方ご一報ください!
今年は双望会来れないようですが、来年以降是非お呼びしたいものです
が、その前に、徳島まで遊びに行ってみましょうか?
ついでに、高知のYさんを訪ねるのも楽しそうです
2014/10/28 高知のYさんが早速・・
山本様と連絡を取り合い観望されてきました
やはり想像を絶するといいますか、マニアからは想像通りの涎ものだそうです
55cm双眼ドブ、観望レポートはこちらへどうぞ ↓
55cm双眼望遠鏡を見せてもらう 2014.10.19
2015/1/3 現地調査
2014年年末、徳島を訪問 日本一の双眼望遠鏡観望ツアー
山本さんに直接お会いし、55p双眼を見せて頂きました
製作から数年で、もう一台作れてしまうほど改良を重ねたそうです
一時は、軽に入らなくて、耳軸も作り直したそうです (^-^;
本体も洗練されているのですが、手元で物を載せたりする簀の子などもプラ束でかさ上げされ、湿気やゴミなどを避けられる様な細かな装備の段取りといい、山本さんは本業でも良い仕事をしているでしょう (^^)
軽自動車ワンボックスに全て収納
電動ウインチから延びるワイヤーでブレーキングしつつ力を使わず降りてきます
メインの重量物はキャスターで移動
回転ベースを入れるためジャッキアップ
ベース盤はプラ束で細かくレベルが出せます
接眼部支持シャフト
回転部は重量ベアリング
キャスターの片側はトレーラージャッキー
回転ベース盤を差し込みます
片付け写真ですが縦回転ローラーに注目!
2×材の馬を噛まし
普段はローラーが潰れない様にしています
重量級のミラーボックスを架台に乗せる場合など、キャスター付のトレーラージャッキーを取り付けてあり、車のパンタグラフジャッキなどと使い合わせ、力を使わないで設置が出来る手順になっています
接眼部支持シャフトをトラスで支えます
双眼接眼部ユニットをアリミゾへ差込みロックするだけ
接眼部まではあっという間です
無駄のない設計です
接眼部は2インチですが、アメリカンサイズアタッチメントも用意されています
アリミゾへ
差し込むだけです
並行軸は、右側天頂ミラーのミラーシフトで行います
重量部の出し入れはウインチパワーです!
このクラスは、人力無理ですね!
ウイーン!
もうちょい!
びっちびち!
感想
55p双眼反射望遠鏡といえば、数年前までは世界最大です
日本国内では今現在でダントツの最大口径の双眼望遠鏡です
双眼の素晴らしさをご存知の方なら、その口径はどんなものか?涎が止まらないほどの想像が可能でしょう
しかし、これ以上の口径は、倍率や観測点の高さなど様々な問題が増え続け、ドブソニアンスタイルの厳しさも出てきます
つい去年までは、国内の双眼望遠鏡の最大口径が40pでした
いきなり55p双眼の登場によるスケールアップは驚きです
単眼でも40pから50pではまったく別物の世界で更に55センチです
この口径のプラス5センチは周辺面積の増大ですので分解能も大幅に上がります
アイピースの中は、予想通り、わらちゃう宇宙の姿です
常識では想像もつかない、そらし眼不要の世界です
しかし、空を選ぶ機材であることは予想するまでにありません
が、徳島県という地域ならではの所有意義も大きいかと考えます
製作者:山本さんは、仕事柄鉄鋼は得意とのことですが、ここまでの仕上げを行えるのは基本的に器用で目的意識がハッキリした聡明な方なわけです
なかなか、何も無い所から発生させるのは難しいのですが、ガラパゴス的進化ではないかと、徳島の地の利を称した土佐人もいらっしゃいます (^-^;
何にしても、軽自動車に全てを積込、ワンマンで大きな力も使わず組立・撤収ができる
光軸調整もあっという間に完璧に
脚立も3段上がるぐらいで天頂以外の使用が出来る
使い勝手が大変良い完成度です
そのような完成度ですので、見える宇宙は、そのまま55p双眼の世界です
ここを、ここまで読まれているあなたは、元々双眼の世界をご存知だと思います
銀河の見え方など、ここでのインプレを期待しないで、是非一度、徳島の山本さんを訪ねてみてください
趣味人の人生に大きな肥やしとなること間違いなしです!
このような素晴らしい双眼望遠鏡を作り、公開して頂いた山本さんに只、感謝・感謝です!
=後日談=
実は55双眼も載せられるポンセット(200kgまで搭載可能)を3〜4年前に製作しております
望遠鏡は載せられるが車に載せられないと言う初歩的な問題があるのですが
(500倍とかで使う以外必要ない気もするので使ってないです(^_^;))
次回までには撓みの問題を解決しておきたいと思います。
とのことで、凄さ爆発!期待の徳島\(^o^)/
2015/4/13 大進化!
山本さんから、改造したよとメール頂きました
〜本体をもう一台製作したのでご報告を
(架台はそのまま使用)
今までのデザインは小型の軽四(ソニカ)に載せる為の設計でしたが
組み立てに1時間は掛かるので結局箱バンを買い運用してます
(箱バンなのでデザインは自由に出来る状態です)
高度による撓み、迷光、ケラレなど様々な問題を抱えていて
色々対策したのですが良い結果を得られないまま半年が過ぎました
このまま手を加えても効果は無いと判断し2筒トラスタイプを制作しました
過去に何台も製作したタイプとツインテールの融合型となります
まだ景色しか見てないので実力は不明です
一応、撓み、、ケラレの問題はクリアしていると思います、
迷光はトップリングに暗幕を貼る予定です
よく見て下さい!!
山本さん、本当にアクティブ!
撓みの問題を解決すべく、トラスツインにしてしまいました
更に、トップリングまで作って迷光対策!
で、テストの結果も、メールでは↓とのこと
昨夜、薄曇りでしたが3等〜4等ぐらいの星が見えていたので
南阿波サンラインで新型のテストをして来ました、
想定していた通り撓みの問題はほぼゼロとなりました
また、筒外光路の左右の角度を小さくした分、焦点位置が斜鏡に近くなったので
斜鏡のケラレも解消されていると思います
迷光に関しては風が強かったので遮光板を装着出来ずに検証が出来ませんでした
見た目が派手になって見に来た方には好評でしたが
部品点数が増えたので少し組み立て時間も増えました(^_^;)
運搬にも問題がないようなのでこの形で使い易く改良していく予定です
いやいや、これだけのものを、妥協せずに完成度を上げていく
素晴らし!
観望場所も、徳島の山奥とか凄いそうです
次元が全く違う観望スタイル、恐れ入るより、是非是非拝見させて頂くのは如何でしょうか!
四国自体は天文人口も少ないので、真面目真剣な方なら、四国の方は気持ちよく受け入れてくれます
洗練された「超大口径55cm双眼望遠鏡」最高の暗さ、シーイングで是非拝見し、楽しみたいものです
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