マウナケア山観望記

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ハワイ島 スバル望遠鏡の近くで観望するぞ!

ハワイ島観写真はこっち!
 


2003年2月12日 

スバル望遠鏡の見学と、オニズカ・ビジターセンター(2800m)横での観望をして来ました。


今回の目的は、知人の伝手で望遠鏡内部を見学させていただく予定でした。それと、マウナケア山での観望です。
しかし、残念な事に某教授が8日より一時帰国してしまい代理の方にツアーを組んでもらった所、一般の見学コースとなってしまいました。しかし、観光を含め色々な現地の情報を得る事が出来それなりに楽しんでまいりました。
そもそも日程自体も人に頼んでしまった為、半月の月の出現で天の川も見る事が出来ず南天の星を見るに留まった次第です。

  観光ツアーオプション150ドルでここまで連れて行ってもらえます。

一般のツアーでもスバル望遠鏡の横まではいけます。もう少し上がったところでサンセットを楽しみます。
当日は雲海の上から、右にオアフ島を眺めながらのサンセットでした。

   
標高4100mからの夕日は、深く澄んだ青い空につながり七色へ変貌し周囲360度にわたり色が変っていきます。
このサンセットを見るだけで全ての満足を超えたような気持ちになります。

  「オニズカ・ビジターセンター」   近くにこんな高山植物も!
ツアーだとこの横で夜1時間ほどの観望が含まれます。
山頂を目指す前にここで昼食をとり体を慣らします。その後一気に山頂まで4輪駆動車で上ります。途中数キロにわたりウォッシュボードのようなオフロードを走り再び舗装された道で山頂に着きます。オニズカまでは全て舗装路です。なぜ一部だけ未舗装なのか?不思議です。

  夜になるとボランティアにより10時までこの機材で観望が出来ます。
 ・セレストロン28cmシュミカセ
 ・ミード25cmシュミカセ
 ・テレビュー102

日中はミード25センチに国際光器のソーラーフィルターと同じような物と、同架してニアスターも搭載してありいつでも太陽観測が出来るようになっています。

しかし、残念な事に一般向け観望が主体のようで、アイピースが長焦点しかなく倍率も80倍位までしか見れません。空が明るい時は惑星が主体となり倍率が低く残念です。ちなみにアイピースは全て「ナグラー」でした。

さて、スバル望遠鏡ツアーはどんなものだったか?行ってみたい方に少し御話しましょう。
ここからの話は、ハワイの旅行代理店の方達から聞いた話が多いのですが「絶対」ではありません。聞いた話として受け止めて頂きたいと思います。
まず、現状でのツアーは2種類が用意されています。
オニズカ・ビジターセンターでの「夕陽と星のツアー」と、それプラス山頂で観測所群を見ながらサンセットを楽しむ「夕陽と星のツアー」があります。前者が135ドル後者が150ドルで15ドルの差としては後者が絶対的に得です。
元々は「太公望のツアー」から始まったようですが許可の関係で1社2台の車両しか使えない事情がありそれ以上は下請けとして他社を使うようです。そんな関係で他の会社も各々ツアーを行うようになったそうです。現状では9社位がこのツアーをやっており日本語を対応しているのは4・5社だそうです。

内容的には下請けから始めたツアーと客質からガイドの天文知識は私達趣味人からは満足できる物ではありません。
しかしお客さんは、新婚旅行者やアベック(今語ではないかな?)ばかりで問題は無いのでしょう。

出発は昼ぐらいに各ホテルまで15人乗りの4輪駆動車が迎えに来ます。それに乗り込み2時間ほどでオニズカへ到着します。そこで1時間ほど食事を取りながら体を馴らします。センターには綺麗なトイレがあり驚きます。太陽観測用の望遠鏡がセットしてあり自由にのぞく事も出来ます。近場で高山植物も見る事が出来、雄大な景色も楽しみながら時間をすごします。
そうしている間に次々と他のツアーの車両もやってきますが各会社同士友達のように仲良しでした。

そこから小一時間ほどをかけ一気に山頂の4,100mを目指します。

    うー、寒いけど来て良かった!!

最初にスバル望遠鏡の前で車を下ります。一風変った外観は他のドームと比べ不自然で構造の意味が解らない者にはカッコ悪く見えるかもしれません。しかし、そこはドームよりも雄大な景色に圧倒されひたすら景色に引き込まれてしまいスバルのドームなど眼中になくなってしまいます。
そのあとすぐにもう一段上の高さのUH88のドーム前から日没を待ちます。車両の数は5台以上いまして数十人がサンセットを待ちます。気温は4度ぐらいで風があります。天候は真晴れ。その後一気に気温が下がりむき出しの手が千切れそうになります。
4000m級の空は青が深く兎に角澄んでいます。雲海に沈み行く太陽は周辺の大気の色を刻々と変えていきます。同行したいとこは空が虹色に成っていると大喜びでした。ただ、あまりはしゃいでいると息が苦しくなります。ご注意を!

サンセットが終ると次はビジターセンター横での観望を始める為急いで山を降ります。
そこでは山頂組と同じぐらいの人数が観望の準備をしています。私達のパーティーも急いで準備に入ります。各車両に一台ずつ望遠鏡が積まれています。
ほとんどがミードの25cmシュミカセです。これは機材の選択を誤っているようです。温度順応の時間がありません。なぜなら監房時間は1時間少々です。
今日は、天頂に半月の月が輝き暗い星雲星団は見れません。土星、木星、M45、M31、二重星団、等等日本で見れる当たり前の物ばかりです。シーイングの程度を確認してみたかったのですが、最高倍率が80倍程度しか用意されていなくそれも許されませんでした。しかし、一般の方は十分満足をしていたようです。

さて、私といえば、マゼラン102S改双眼仕様を持って来ています。やはり正解でした。
シュミカセの狭い視野では何とか見えるとも座周辺の天の川の星たちを流したり、当たり前の対象達もシャープに双眼で見れました。当然ですが他の方達にも広角の対象をお見せしながら観望会のように色々ガイドしました。いとこはキャノンの手ぶれ防止双眼鏡を貸してあげた所、案の定感動しまくりでした。
私達のパーティーガイドのボブは日本語のダメなアメリカ人の大男です。車の中でエスキモーを導入してもらう約束でしたが明るくてダメで代わりに私の双眼で観望を楽しんでいました。
観望会癖か?天の川を見たいという埼玉から来た方や他の方の質問を受け付けたりして結構日本にいるような気分にもなっていました。同じ会社のもう片方のパーティーリーダー「一郎君」が天文情報を欲しており、今後Eメールでコミュニケーションする約束になり本格的な観望ツアーが出来るように工作してみようと考えています。
そうそう、南天15°位にカノープスが輝いています。

1時間少々があっと言う間に過ぎ、ガイドが片付けをしている間お客はビジターセンターで自由にしています。
近くに3000から5000人の米兵が駐留しており自由時間を使った迷彩服の兵隊が7人ぐらいここで観望をしています。TV-102に土星を入れていたので見せてもらった所天頂はシーイングが素晴らしくピタリと決まっています。しかし、倍率が低く残念でなりません。シュミカセで導入している木星は高度のせいか?筒内気流のせいか?多少揺れています。こちらも倍率が低く自前のアイピースに換えたかったのですが2インチ変換アダプターが無く悔しいところでした。

ここ、オニズカ・ビジターセンターは夜10時まではボランティアにより自由に観望出きるそうです。レンタカーで来る事は可能です。しかし、保険がきかないエリアなので十分気を付けましょう。そのあとの時間は、トイレが使えなくなります。他に照明の制限などもあるようです。
個人観望をするのならマウナロア山の方が良い見たいですね。マウナケアは米軍も訓練に使用しているのでトラブルの可能性も考えられるでしょう。

  「いとこ」と「野営する米兵」、ハイポーズ!    近くで演習もしています。

      
2000m付近の景観

3月から、ハワイ島での観測専門のツアーが出来たようです(ハヤマッテシマッタ)。新月周辺を狙って2晩のコースです。
ハワイ等の観測は町から外れれば何処でも出来そうですが、明かりの少ないこの地で標高2000M位で観望できれば申し分ありません。
ちなみに、この島は天文台があるため街燈は余りありません。町はナトリュウム灯がオレンジ色に輝いていますが町から外れると真っ暗です。したがって、平地の道路脇でも十分な観測は可能です。
治安も他の島と違い非常に良く、問題ないでしょう。昼間、女の子1人(勿論アメリカ人です)のヒッチハイカーを見かけるぐらいですから。
ロコのお兄ちゃん達も非常に気さくです。どこの国でも田舎は良いですね!

交通:
行きは成田-コナ直行便で7.5時間。帰りはホノルル経由で12時間位かかり、エコノミーはキツカッタ!
現地の移動は、10人乗りぐらいのバンで旅行会社の社長夫妻に案内をしていただきました。
費用はこずかいを入れても20万ちょっとで5日の旅でした。

観光写真を少々・・・

 雲海上のスバル

 わたしハワイのシンボル「ねね」、キラ火山駐車場でご対面!

 ぷはー。

 亀亀亀と黒い砂。


ここハワイ島は溶岩帯で白い砂はありません。マウイからわざわざ運んできたらしいです。この反対側も
永遠と浜がつづきます。
お金持ちのやることときたら・・・(汗)

沖合い200m位のところで大きな鯨が跳ねました!びっくりです。


映画「ジェラシックパーク」ハワイ島でロケがあったそうです。観光外の秘境です。

     いまや世界一のコーヒー「コナ」偽物が多いそうです。

 この看板が本物だそうです。

 空が虹色

  ハワイ島は静かな島です。

こんな島に別荘でも持てたら素晴らしいのでしょうけどとても遠くて大変です。ファーストクラスでゆったり行きたいですね!
本当のお金持ちじゃないと無理な話です。
しかし、観光だけでも一度は良いのではないでしょうか?
シーイングも良く真っ暗で、望遠狂には魅力だと思います。

まだまだいっぱいお見せしたいのですが、写真が重いのでこの辺で終了いたします。

 


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