双眼望遠鏡HOME > 双眼仕様ドブソニアン望遠鏡 2000/春・・・たぶん 32p双眼仕様ドブソニアンと、双眼装置うんちく。
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この望遠鏡をなぜ手に入れたか? 私が天体観測を初め2年目に手に入れた望遠鏡です。なぜこんなに大きな望遠鏡を手に入れたのか?その訳を書いて見ます。 この望遠鏡で見たかった天体、実はたった一つの天体「M31」アンドロメダ銀河を見たかったのです。 なぜ見たかったかというと、色々な天文専門誌を読んでいくと、一番大きくてとてもよく見えると言った表現でやたらと書かれています。そして、いかにも「銀河」と言った写真が必ず載っていて、さも簡単に宇宙が覗けると言った表現がなされていました。 じゃあ見てみましょう!と一生懸命さがしても全然どこにもそんな物無いじゃありませんか! 望遠鏡の箱に悠々と映っている、あの「アンドロメダ」は何処? 色々試しました。10センチ反射望遠鏡。12センチ屈折望遠鏡。5センチ8倍双眼鏡。8センチ11倍双眼鏡。 どうにかこうにか、確認は出来ました。存在を。 |
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しかし、根本的に違う!! ぼんやり、そらし目であるんだかないんだか解らないような、つまらない銀河しか見えない。 結構お金も使ったし・・・ 色々な知識が身について逆に、銀河などと言う物はなかなか見えないってことが解ってきて・・・。 あの写真のアンドロメダ銀河は、写真だから写真なんだ。 つまり、かすかな銀河の光を、長時間かけてフィルムに取り込むことによって姿が見える。 はっきり言って、天体観測入門書!いい加減な内容が多すぎる!! 初心者の方が勘違いして遠回りしたり無駄な機材を買わないように、一つ言わせてもらいます。 人の目で直接はあんなに見えません。ちゃんと説明すべきです。 「写真のようには見えません」 つまり、普通の生活圏において、初心者が手に入れられる機材で、簡単に銀河・星雲・星団は見えないと表現すべきです。 ・・・と言うことで、意地になっている内に、こんな大きな望遠鏡を手に入れてしまいました。 まあ、普通に考えてイメージした天体観望をする場合これぐらいの物は必要と思って下さい。 そうではない場合、大体何らかの妥協が必要です。 その辺りがアマチュアの限界だと思います。 実際にこのクラスだと、写真ほどハッキリではありませんが、写真より繊細で美しい「M31」を見ることが可能です。 それには、暗い空と、空の透明度が必要です。 まず、天気図を睨みながら、月の無い夜に山奥へ行きます。 そして、シュワルツツインと、双眼装置付きドブを使います。 |
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双眼視 私が個人的に思っていることですが、望遠鏡と言えば片目でのぞき込む物と言うのが一般的なイメージだと思います。 最初は私もそう思っていました。 しかし、それってだんだんおかしな事だと感じてきました。それと、普通の望遠鏡を覗いたとき大体が逆さまか、裏返った変な像を見ることになります。 所詮趣味の世界のことだから?市販の物にわがまま言わず、それに慣れ親しんでいるだけに思います。 でも!大人の遊びとしては何とも歯がゆく、焦れったく、ストレスを感じるおもちゃでしょう? この大宇宙を縦横無尽にさまようにはかなり辛いと思います。 実際に片目で鏡に映った、しかも天地逆さまの状態で、絵画展に行ったとします。 貴方は、絵の美しさや躍動感、様々な感性を楽しむことが出来ますか? 私の場合、その前に具合が悪くなって退場してしまうでしょう。 目的が違い、局部のみの観察が必要な方は別でしょうが。 少なくとも、そんな状態で、見えるかどうか解らない物を初心者の方が、大枚を叩いて手に入れるなんて・・・、 「狭き門」の趣味の一つに感じてしまいます。 もし、貴方がこれから望遠鏡を手に入れようとしてるのでしたら、一つその辺のことも頭に入れておくことをおすすめします。 そこで、それらのことを解決するため、後戻り出来ない所まで来てしまった私としましては、取りあえず双眼にする事と、正立像にすることを中心に改造マニアと成りました。 双眼装置 |
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幸いなことに、望遠鏡のアタッチメントとして望遠鏡を双眼で見る物があります。 しかし、それも素人が簡単に活用できる物ではありません。又、現実的に天体観測に使用できる物は、ほんの一部の製品に限られます。 その一部の天体観察に使用できる物でも、只買えば使えるって物でも有りません。(一部シュミカセなどは使えますが、初心者はまず買わないでしょう) 簡単にまとめてみます。 ・値段が高い。(安物買いは失敗の元。現行満足できる物は2社だけ。) ・ピントが出ない。(光路長が120mm以上必要になるので鏡筒に改造が必要。バローレンズは難あり) ・像が暗くなり、コントラストも落ちる。(それなりの口径が必要になる) ・実視界が狭くなる。(2インチが使えないのでF値を短い鏡筒にする。鏡筒に改造が必要。) 等、問題があります。 しかるにそれら問題考慮しそれでもメリットが大きい双眼視を行う場合、望遠鏡のポテンシャルと双眼装置のマッチングで何とかします。 しかし、実際はセンスという意味でなかなか思うように行かないようです。 (チャレンジしたい方、メールを頂ければ、微力ながら解る範囲でアドバイスいたします。) そのうち、又、詳しく書きます。 |
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このドブソニアンの場合、結果として大きな成功を収めています。 ミードDOB32 主鏡口径 318mm 焦点距離 1515mm 使用アイピース PL32mm(笠井トレ) 双眼装置 ビノビュー(テレビュー) 倍率:47倍 実視界:0.95度 瞳径:6.8mm 分解能:口径分? つまり、瞳径は全開に使えて、光量は半分ですが、分解能は32センチあります。(たぶん)だいたい、25センチ双眼鏡で分解能が32センチ分あると言うことです。(多少ロスはありますが) アンドロメダ銀河の全体は、見渡せませんが、かなりの渦まで確認できます。全体を見渡すには、シュワルツツイン120を使います。 |
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さてさて、この子の特長ですが・・。 普通のドブと異なる部分は? 双眼装置です 普通に接眼部に取り付けた場合、光路長が足りずにピントが出ません。 そこで考えたアイデアは、見たまんま接眼部の落とし込みです。ヘリコイドTと言う薄いピント合わせを見つけ距離も縮めています。 こんな簡単に双眼装置でピントが出ました。また、F4.8のため、光路もどうにか蹴られていません。 方法としてはもう一つ考えられます。 鏡筒のカットにより接眼部を変更せずにピントが出るようにもなります。 しかし、斜鏡の蹴られが発生する恐れがある。 単眼に戻せない。 と言ったデメリットが有ります。 架台の穴は見たまんま軽量化のためです。 |
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鏡筒内は迷光をなくすため、色々いじりました。 実際に色々な方に、見ていただきましたが、とても良い評価を頂いています。 が、しかし、たまに、40センチ以上の物を覗かせていただくと、やはり、もっと大口径を・・・て、気になってしまします。 今では、色々な銀河、星団、星雲、ほか、深い楽しみ方をおぼえてしまって、お財布が困っています。 このままの楽しみもありますが、宇宙観望は大口径なほど良いに決まっています。 はぁ〜 おまけに三言 「両眼で見ると対象物が大きく見えるので木星がドッジボールの様に大きく見える!!」 「人に見せるとなかなか返してくれない〜!?」 「良い事ずくめで言い切れない」 |
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改造の第一歩に如何ですか?貴方!! これぐらいの光路障害は見え味に影響していないようです。 ミードの場合、遮光紙(私の場合、布です。)を張るだけで極端に見え味が変わります。バッフルも入っています。解るかな? ミードのドブを使っている貴方、遮光紙は張りましょう。 |
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おまけ ドブの底 65Φ×3=温度順応が極めて良くなりました。 ゴムは、カウンターウエイト?(通気口を作った分の足しに。)兼、保管足です。重たいので仮置きする時、とても便利です。 穴開けは、軽量化に100Φと65Φのホルソー(コアドリル)で抜きました。 |
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再メッキ この鏡筒は特価で新宿の「ニュートン」と言うショップで入手しました。展示品処分です。 安いので仕方在りませんが主鏡が変色していました。 早速、「NTK」で再メッキをしていただきました。その際、大変優秀な鏡と評されました。そのせいか結構皆様にお褒めいただいています。 さて、このタイプの再メッキに際して、一つ体験をお話ししましょう。 アメリカの凄いところをいきなり経験しました。 実に本器の主鏡セルですがシリコン3点止めでした。 解ります?セルにコーキングを3カ所盛って、主鏡をペタッ!・・・それだけです。 イヤー、気に入りました。 シリコンの厚みが1mm位、直径が7cm位、これが3カ所で主鏡を支えるわけです。 ホント・・・簡単、でも理に適っています。 外すときは、樹脂製のくさびを差し込みカッターで1時間ほどかけて剥がし、金属リムーパーでそぎ落としました。 取り付ける際は、まず厚さ1mmの棒を中心に向けて3本置き、その間にシリコンコーキングを3カ所均等に盛り、主鏡を置きます。 念のため、1日そのまま置きます。 棒を引き抜きます。 ☆出来上がり。 素晴らしい!均等な圧力、適度な柔軟性。 欲を言えば、温度順応の為、支持点を沢山作ってセル側に通気穴を蓮根のように沢山作れば良かったかと思います。 |
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主鏡メンテナンス失敗談 その後、その綺麗な主鏡に少し汚れがつきました。ちょっとウエスで拭いたところ後が付いてしまいました。 |
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