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改造:ポンセット・ドブ望遠鏡  

2012/10/29

夏前に、サマーレスキュー天空の診療所(TBSドラマ)のドブソニアン望遠鏡制作協力のために、国際光器のホワイティードブ30pを新品で手に入れていた。
番組内容修正で、このドブは、一部のパーツを使用するのみとなって、現在は元に戻っている。

口径30p 焦点距離1500mm 架台などは組み立て式だが簡単に組み立てられ、工具も一式付いている。
アクセサリーは、ファインダーはもとより接眼レンズは低・中倍率用が付属され、光軸調整用のアイピース、更に、大変使い易いレーザーコリメーターまで付属されている。
金額は税込98,000円と恐ろしく安い。

架台は、横回転はラジアルベアリングが入っていて非常にスムース。
縦軸は、運搬用の取っ手にもなるハンドルが付いていて、その閉め込みでフリクションコントロールも出来大変使い易い。
一昔前の望遠鏡とは大違いである。

また、接眼部は、少々しょぼいがクレイフォードタイプで使用には十分なものである。

 この接眼部は、時任三郎が番組で取り付けをした由緒あるものです。^_^;


筒先から中を除くと、一応つや消し塗装がなされているが、斜鏡などは迷光処理をした方がよさそうである。

 

そんな筒をもっているので、ちょっと本格的に覗いてみたいと双望会へ持ち込み最良の空の下でテストを兼ねて楽しんでみた。

月を見ると、口径以上にまぶしさを感じるが、像質は何ら問題なく、温度順応もままならない内から口径を生かした良像を確認出来る。
しかし、やはり迷光は賑やかなので、その辺は手を加えたい。

木星を見るが、やはり迷光は気になるが、新しいせいで反射率が高いのか?模様がとても濃く見え、反射式望遠鏡とは思えないほどだ。
シーイングが決まった瞬間に、モジャモジャな模様が沢山見えてきて口径をフルに生かされている感じだ。
気軽に楽しむには十分すぎるものである。


ディープスカイではどうか?
イーソス13mmで115倍 1.15度の広い視野で、先ずM42へ向ける。

久々の観望でもあるが、思わず息をのむ宇宙が見えてくる。
今までの私の持っていた反射式望遠鏡、つまり、ドブソニアンではこれほどクリアには見えた事がない。
大型の屈折望遠鏡で覗いた様な透明感のある宇宙に、立体的に星雲が広がる。
更に、ガス雲の影の暗黒体は、エッジが確りして形が判り、それがガス雲である事がハッキリわかるほどだ。

F5の反射鏡へ期待をもっていたものの、これほどの抜けの良さはイーソスが原因しているだけではない。
恐らく、昔とは、反射メッキやコーティングがよっぽど進化したのだろう。
所詮中国製ではあるが、ここまでのクォリティーは想像出来なかった。

その他の、M星雲関係もコントラストの良さで、30pとは思えない様なクッキリとした姿を現す。

時代は変わったものだ。
この先は、この望遠鏡へ僅かなチューニングを施す事で、十分な主砲と成りえそうである。

恐るべしである。。





大変気に入って、双望会で楽しんでいる矢先、今度は、個人参加しているショップの方から

        「これ」 を、いきなり提供された。

         ↓




突然会場で手渡された瞬間、その形状から瞬時に「ポンセットマウント」と理解できた。

ポンセットマウントとは、ヘリクロスのページで理解されているとは思いますが、ドブソニアン望遠鏡用の赤道儀です。
従来、市販品にはドブソニアンとバランスがとれるような、ラフに使えて、コンパクトなものがなかった。
自作をしたかったが、ステッピングモーターなど苦手分野で、結局未解決なままのアイテムである。


更に、「KIKUTAさん試して下さい!」と、Y氏同行で持ち込まれたので状況を飲み込むのに時間はいらない。

私は、瞬時に、その先の全てが見えてしまったので、試す前から所有することを決めその場で購入した。

それは、頭の中で描いていた理想形、それ以上でも、それ以下でもない。



しかし、「武蔵五百」を手放した直後のことだ!

 また、天の悪戯が始まった様だ・・・。

  まだまだ、KIKUTAは宇宙に見放される事は無い様である。



 ポンセットのベースとテーブルを分離するとこうなる!


ポンセットマウントの必要条件は、シンプル・軽量そして手軽な電源である。
このポンセットマウントは、ドイツ人の手作りで、ドライブは、安価な赤道儀のものを使用している。
本体は、合板を加工し、流線の洒落たスタイルに丁寧な塗装が施され、荷重点だけに可動部を配する合理的な設計と成っている。

重量は非常に軽く、追尾も2時間近く可能だが、夜間の使用から、中心部分を利用し一時間程度のドライブが理想と考える。
従って、一度手にすればどれだけのものかは理解しやすい。


 

唯一の難点は、設計上仕方がないのだかドライブモーターユニットが足元に飛び出しているので、蹴り込まない様注意が必要だ。
しかし、価格から考えると、やむを得ない部分でもあり、ホワイティードブと並ぶ最高のコストパフォーマンスだ。

ドブ使いなら是非手に入れたい製品だと思う。


このポンセットマウントは、丁度30pクラス用で、ホワイティードブにはジャストサイズ。(最大40センチ位迄だそうです)

ポンセットで気になるのは高倍率時の振動だが、この製品は全く問題がない。

テストで、632倍を掛け木星を観測してみた。

方位磁石が無いので、適当に北に合わせたセッティングなので、厳しいかと思ってはいたが、数分は同じ視野にピタッと木星が固定され、ドブの大変面倒な微調整から解放された。

北軸を確り合わせれば、ほぼ完ぺきに追尾可能と思われる。

その後300倍位へ落とし追尾させると、それはもうドブソニアンの世界を越えて行く。

口径300mm赤道儀観測そのもの。


結局、133,000円で恐ろしいシステムが組めてしまったことと相成る。




天体観測を本格的に始める方へは、大変お勧めかと思います。

惑星観測から、クッキリはっきりの星雲星団めぐりまでオールマイティーでしょう!

が、この上へ行くには数段ジャンプしないと満足できない領域となってしまうほどレベルの高い世界です。

そして、その先には、「アイピース地獄」という、大変恐ろしい世界も口を開けているのは確かでしょう。。


 尚、ホワイティー・ドブはこちら

 ポンセットマウントはこちらのショップで手に入ります。

 ※双望会でお話ししたポンセット共同特価購入希望の方は、それぞれぐっちさんのショップまで早めに連絡が欲しいとのことです。


ちなみに、各ショップをおすすめしていますが、KIKUTAには一切利益がありませんので無責任なお勧めです。
宜しく!

アフェリでもやってくれれば少しは嬉しいのだけどね・・・。(^Д^) ・・冗談ですよ!


で、この先、この鏡筒をベストな状態までチューニングします。

本来は、双眼装置仕様に改造を考えていましたが、折角の抜けの良さを殺しそうなのでどうするかは今後の運用で検討していきます。


 続く・・・


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