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惑星

2006/9/17
今の時期は殆どの惑星が夜見れません。
専用機を今買ってもつまらないので、格安なドブソニアンを購入し銀河を楽しみながら惑星のシーズンを待つのも良いかと・・・。
シーイングに左右されますが、シーズンになれば、たまにビックリするような惑星も見れますよ!

惑星観望は楽しい!

生活圏から見応えがあり、確実で、手軽である。
宇宙空間に確実に存在をあらわし、その姿へ手を伸ばすことは生活の思想にまで大きな影響を与える。
宇宙のスケールを目の当たりにして、人の大きさ、心の大きさ、人生の大きさ等に当てはめるのも楽しい。

太陽系内の拡大して見る事の出来る僅かな天体達を如何に見つめるか?
「惑星」のコーナーです。


<ところが、こんな素晴らしい惑星像は、絶対に見えませんので望遠鏡を購入後こんな綺麗に見えなくても悲観しないで下さいね!>

もくせい どせい かせい

       

(太陽) 水星 金星 (月) 火星 木星 土星 天王星 海王星 (冥王星) これらの衛星

この中で私が楽しんでいるのは木星 月 土星 金星 太陽 です。
メインは 木星 月 土星 で、金星はついでに見る程度、太陽は大きな変化があるとみます。

月・木・土はて、なんかの予定みたいに当たり前に聞こえてくるほど身近な天体、月なんて宇宙だと思って見上げる人はいないんじゃないでしょうか?

惑星観測は何が一番楽しいか?
って言うと・・、望遠鏡の性能が試せたり実際の変化をリアルタイムで自分のものとしての情報所有が出来る満足感でしょうか?
ま、人それぞれ色々な楽しみがあって大勢の人が毎日同じ物を見ているのでしょう。

 (こんな変化も長い年月の中で楽しめます)

で、中には、惑星が見たいと思って望遠鏡を購入する方も多いと思います。
その様な方への入門編もたまには書いてみましょう。


惑星入門編 
(2005/7/11追伸:最近中国製の安くてまずまずな物が増えています。ここにとらわれずに色々探しましょう!ご相談は掲示板でお受けしますよ!)

色々なHPや掲示板で「土星の輪がこんなに見えた!」「木星の模様がはっきり見えた!」なんて表現がさも素晴らしい冒頭の写真のようなイメージを掻き立て、貴方は望遠鏡への思いも強くなっていることでしょう。
思わず購入した、初めての望遠鏡で見る惑星は、きっと貴方をがっかりさせる事でしょう。

同じ太陽系の惑星と言えど果てしない距離の物体を拡大して見るわけで、地上で見る双眼鏡とは次元の違う観測です。
現実に天文の趣味の方の素晴らしく高価な望遠鏡を覗かせていただいても、初めて見る方は大抵、「何?この米粒みたいな小さいのは???」って感じです。そこで「それは土星だよ!」って言われて「あっ、ホントだ、わっかがある!」「へェー・・・、」程度にしか見えないでしょう。

実にそんなものです。
その感覚の違いは、見所の違いにあります。
望遠鏡の持ち主は、その小さな対象の中の高精度な、大きな?変化を見分けている趣味なんです。
その味が分からないと、数十万円出してもただの「米粒」を見てるに過ぎないでしょう!
その見所が分かり、望遠鏡で見る事に目が慣れてくるとそこから新しい世界が始まります。

きっと「サイエンス」でしょう!


地球の大気を通して何億kmの物体の模様や変化はアイピースの中のほんの小さな惑星像ですが、望遠鏡を所有する事で貴方だけの天体となります。その変化がわかるようになってくると、僅か何万か何十万円でリアルな宇宙が所有出来、しまいには、まわりの人にオタク扱いされていく事でしょう。(爆)

また高価な玩具を手に入れたとしてもその道具の使い方が分からないと、本来の性能も出せない内に貴方のガラクタ箱の仲間入りに間違いありません。結構考えたり色々な事をしないと楽しめない趣味です。
いづれにしても、まずは道具購入からです。


惑星用天体望遠鏡



惑星を見るといっても、初めてからいイメージ通りにはなかなか見えない世界です。
通常は写真を見て望遠鏡を購入すればあんな感じに見れるのかな?と夢抱いて何万円かの大枚を叩きます。
量販店やホームセンターで数万円出して手に入れた貴方は、きっと「ふざけんなぁ」とかムカついて押入の奥にでも放り込んでいるでしょう!(爆)

これが普通です。(汗)
そこでまず惑星用の望遠鏡の選び方を少々・・

「ただ見えればいい」なんて気持ちで購入すれば、そりゃあ拡大して見るので何でも見れます。
が、しかし、ただの丸くてぼやぼやした天体を見ても何の感動も起きません。ホントですよ!
だから、それなりの確りしたモデルを選択しましょう。
最初から何十万円も出せる方はここは見ないで結構です。(目的外の物を買わないように一応見たほうが良いかも・・)
ここでは、入門しやすいように安価な機材で惑星を楽しめるように書いていますので。

判断すべくポイント
ちゃんと模様が見え継続的に観測できる機材を選びます。
その為には、倍率を上げられ、尚且つ像が暗くならない性能と、安定して天体を導入・追尾出来る必要があります。

1.倍率を上げても像が破綻しない性能の基準/口径比  
2.倍率を上げても像の詳細が見える基準/口径=分解能
3.倍率を上げても像が暗くならない基準/瞳径
4.高倍率で安定して観測出来る機材の仕組み/赤道儀
5.これが無いと見れない/アイピース


まずはこの5点に対して考えましょう。
全てを満たせば最高の物になりますが、現実的には予算や大きさの問題で自分が必要とする妥協点を探します。
比較的安価で実用になる屈折式アクロマート望遠鏡と反射式望遠鏡でお話を進めます。

1.口径比というのが大事になります。
焦点距離を受光部の受光部の口径で割った数値で、Fで表記されています。
・屈折式望遠鏡の場合F8以上のものが良いでしょう。
 安価なレンズを使用していて、口径比が低い物は光の屈折により色にじみが出て天体が濁って見えます。
 光にじみの影響がF8以上になると少なくなります。
 F15位になると素晴らしい惑星像を見ることが出来ます。

・反射式望遠鏡の場合F6以上のものが良いでしょう。
 反射式の場合構造的に色滲みは出ません。しかし、口径比が短い場合高精度に調整しないと一点にピントが合わず 倍率を上げた時に像がはっきり見えません。安価な機材ではF6以上できればF8以上が良いでしょう。

ただ、何れの望遠鏡も口径比があると望遠鏡自体が長くなるので取り回しが大変です。
安くても長い望遠鏡は良く見えると考えて下さい。(粗悪品は除く)

2.より繊細な模様を見る場合、分解能と言う能力が必要になります。
  分解能は単純にレンズの大きさ、反射鏡の大きさによります。
  大きければ大きいほど良いです。ただ、1.の問題と、後でお話しますが、シーイングと言うロケーションに左右され大きいがための問題も発生します。
  実際は、屈折で8cm〜購入可能な大きさ。反射で10センチから20cmが最初は限界です。
  
3.像が暗くならない為には、必要な倍率に対しての入射口径が問題になります。
  惑星を見るだけなら、肉眼でも見えます。
  望遠鏡で見ようとした場合、少なくとも写真のイメージがありそれに近く無いと幻滅してしまいます。
  最低で100倍、木星の模様をみようと思えば200倍以上で見ることの出来る望遠鏡が必要です。
  倍率を上げても見辛く無いポイント=瞳径といいます。
  接眼レンズから自分の目に飛び込んでくる光の映像の大きさで、その光の穴をのぞくのが望遠鏡です。
  天文用語で「瞳径」と言います。
  その大きさが、0.5mmが小ささの限界です。(ちなみに瞳径は7mm〜0.5mmの範囲と考えて下さい)
  瞳径は「口径(ミリ)÷倍率=」になります。
  200倍で見たい場合、「200×0.5=100mm」となり、10センチの口径が必要です。
  
  また、一般的に言われる望遠鏡の能力判断に、「口径(センチ)×20=最大能力/倍率」があります。
  逆説になりますが、安価な望遠鏡はこの範囲で使用しなくてはなりません。

以上の要点から
 屈折式アクロマート望遠鏡は口径8cm以上、口径比F8以上の物でないと良い結果が難しく、望遠鏡は押入行きになります・・・。
 
 反射式望遠鏡は小口径のものは販売されていません。
 10センチ以上が市場に出ています。安価な物で10センチF10等の物があります。

せて、望遠鏡は大体決まりました。
しかし、200倍もの高倍率であの小さな点を外さないで見続けなくてはなりません。
勿論手持ちで見るのは不可能です。そこで架台に設置して観望をします。
一般的に三脚に乗せてるものを見かけると思います。
三脚の上に望遠鏡のマウントがありそのマウントの性能で、望遠鏡の視野の中に安定していれる事が出来るか決まります。
また、ご存知のように地球が回っているので、天体が望遠鏡の視野からあっという間に出て行ってしまいます。
その為に、天体を追尾しなくてはなりません。(勿論瞬間しか見ないのなら固定でいいのですが、結局追尾したくなって忙しく使い辛い望遠鏡になってしまいます)

4.高倍率で望遠鏡を使う仕組み「赤道儀」
地球は1日に1回転します。つまり空が一日に360度回転します。
1時間に15度「空」が動いています。1分間に0.25度です。

惑星の見た目の角度は木星で大凡50秒です。
見かけの大きさは単位が違うのですが1°(度)は60'(分) 1’(分)は60”(秒) となるので、実際に高倍率で見た場合視野を惑星は数秒から十数秒で通り抜けてしまいます。

望遠鏡を手で動かしていたのでは惑星を視野に入れることですら困難でそれを追い続けるのは不可能に近いことです。その為に工夫された架台があります。経緯台と赤道儀です。
しかし経緯台はXY軸の調整を常時行わなければならず両手がふさがり高倍率には向きません。
赤道儀は、地球軸に合わせた回転が出来るように工夫された道具で、モーターを付けると簡単に追尾し続けます。
高倍率観望の場合、地上の大気の動き(がげろうの様な景色の揺れ)で常によく見えることは稀です。
惑星を赤道儀で常時視野の中心に見えるようにしながら、大気の揺れが少ないタイミングに模様などを観察する事になります。
何と無く見るのであれば、経緯台でもいいのですが、安価と言えどそれなりに高価な望遠鏡です。
購入した以上はやっぱり細かい模様などが見えないと、やっぱり頭にきて、最後には「押入れ行き」になってしまうでしょう。
そう言う訳で、惑星を見るには赤道儀が不可欠です。
安価な物は、モーターが付いておらず片手で摘みを回しながらの観望になります。
出来れば、極軸用のモーターも同時に購入しましょう。

低価格で信頼がおける赤道儀は残念ながら一つしかありません。
少々高価ですが拡張性も高いので、本音を言えばこれを買うべきでしょう。

ビクセン 赤道儀GP-E +三脚  余裕があれば極軸モーター、極軸望遠鏡を購入すればよいでしょう。
GPEマウントGPEマウント
38,325円
(本体 36,500円)
商品NO.3804-04

三脚と合わせて実売価格で4万円ぐらいです。

今年、ビクセン社より低価格で非常に使いやすく、微動装置も付いている経緯台が販売されました。
300倍以上の高倍率を常時求めないのであれば、初心者のうちはかえって使いやすいようです。
また、鏡筒とセットで、安く売られる様になったみたいですばらしいことです。

 
ポルタ経緯台 三脚付で18,000円位で販売されているようです。

この経緯台なら、多目的に使用できるので将来本格的に赤道儀を購入しても、低倍率観望などで重宝しそうです。

5.アイピース
接眼レンズです。直接覗くレンズで望遠鏡の性能を大きく左右します。
高価なもの程良く見えるといわれていますが、一昔前の高級アイピースが安く放出されていますのでそれを購入しましょう。
一昔前といっても、口径比のある望遠鏡にはその方が適しています。
元々惑星などに使う望遠鏡の長い焦点距離に合わせた設計なのでとてもよく見えます。
オルソ(Or)やプローセル等で、瞳径に合わせて0.5mm 1mmが活躍します。
導入用に長焦点でまたついでに星雲などを見る時に役に立つ7mmの物が在ればいいのですが、高倍率でよく見える望遠鏡の場合焦点距離が長いので低倍率が出ません。従って、アメリカンサイズの32mmとして3mmですね。

ちなみに低倍率を使え高倍率まで良く見える望遠鏡はとても高価なものになります。(アポクロマートタイプなど)
最初から、両方見たい場合は長焦点と短焦点の望遠鏡2本が必要です。
低価格帯では無理に1本で済ませることが出来ません。
そのような事が出来る言われる望遠鏡を購入すると必ず失敗しますので気をつけましょう!!

必要アイピース
10センチF10鏡筒の場合  200倍 瞳径0.5mm アイピース 5mm☆
                  100倍 瞳径 1mm アイピース10mm
                  31倍 瞳径  3mm アイピース32mm
                  (2倍バローレンズ)

最初は上記のようなものをそろえ必要に応じ必要な物を増やしていくと良いでしょう。
一つ注意する事があります。
アイピースにはアイレリーフと言う、目で覗く事の出来る距離があります。
オルソアイピースですと焦点距離の約80%が視野全体を覗く事の出来る最長距離です。

あまり短いと睫毛が当ったり、像が見つけにくかったりと不都合が出ます。
また、メガネをかけていたりすると覗く事が出来ません。
その場合、☆で示した5mmアイピースでアイレリーフが4mmとなりますのでなれない方や睫毛の長い方にはとても使い辛いいものです。
それを考慮して、バローレンズと言う望遠鏡の焦点距離を長くするアタッチメントがあります。
それを利用する事で倍の焦点距離を持つアイピースでその半分の倍率使用が出来ます。

10mmアイピース+2倍バローレンズ=5mmアイピースの代わり (実際は望遠鏡側の焦点距離が伸びています。)
32mmアイピース+2倍バローレンズ=16mmアイピースの代わり (実際は望遠鏡側の焦点距離が伸びています。)
実に便利なアタッチメントで過剰倍率観望にも使用できるので是非欲しいものです。

ただしバローレンズは、安価な望遠鏡セットのものはおまけ程度で惑星観察には使用できません。
購入にあたっては笠井トレーディングや国際光器などでアメリカンサイズ用が4,800円位から販売されています。

<メガネについて>
望遠鏡で惑星を高倍率で見る場合メガネは不要になります。
近・遠視に対しては望遠鏡でピントを合わせることが出来ます。
乱視に対しては、瞳径が小さい光束を見るため影響がなくなります。

<アイピースサイズ>
アイピースには標準で3つのサイズがあります。
差し込む側(バレル)の径に合わせて
ツアイスサイズ   バレル径 24.5mm
アメリカンサイズ  バレル径 31.7mm
2インチサイズ    バレル径 50・8mm
惑星観察にはアメリカンサイズが種類を選べ、見やすく使いやすいので良いでしょう。
鏡筒も最近の物はアメリカンサイズ以上です。

<購入先は>
ビクセンウェーブショップ
笠井トレーディング
国際光器

等がリーズナブルです。


他にもカタログを見れば色々な望遠鏡が多種類あります。
しかし、最初は宝の持ち腐れになるので素人判断での購入を考えるのは止めましょう。
例えば数万円の自働導入機等は必ず(断言していいのかな??)後悔すると思います。

で、惑星用に適した安価なお勧め望遠鏡を拾ってみます。
そうですね!数千円からと行きたい所ですが、初めての望遠鏡で惑星を見た実感を感じるのは難しいでしょう。
何とか1万円ぐらいから、木星の模様や土星の輪が確り見えてきます。
しかし、ホームセンターの数万円機種ではそれすら危ない商品群ですので是非こちらをご参考に!


1万円前後

・ビクセン光学 「火星人」  残念ながら、もう在庫が無いようですね!

100mm F=1.000mm ドブソニアン‘火星人’(旧名)
古老(ビクセン光学社長)が引退し、現在はビクセンウェーブショップにて
”Vixen R100Lドブソニアン”
という名前で販売されています。(した・・。)
商品NO.1000016
ネット特別価格 16,800円 (本体 16,000円)
100mm反射鏡筒+木製簡易経緯台付 接眼レンズ2ケ付



1万円前後だと唯一の機種です。
赤道儀は予算的に無理となります。
経緯台の中でもドブソニアンタイプというのは比較的追尾が楽なので唯一この機種になります。
ドブソニアンタイプは、経緯軸から離れた望遠鏡の先を持って動かす為てこの原理で軽く、微小な角度を楽にコントロールできます。
言い方をかえれば、1万円で惑星を確り見れることの方が、実は凄いことなのです・・。
鏡筒自体は10センチF10で十分な観望が可能でしょう。


3万円前後は意外と難しい。

セット販売で皆様が考える予算がこれ位になるのですが、実はこの金額で十分な能力を持ち合わせたセットはありません。
しかし、無理やりこの価格帯にターゲットを絞った粗悪品が横行するのは実に未経験者の「値頃」なのです。
大抵、カタログや宣伝文句を鵜呑みにして失敗されます。
早まらない様にお気をつけ下さい!


どうしてもこの価格で購入したい場合は、アウトレット品からになるでしょう
やはりビクセン光学で販売されている、8センチF10以上クラスの屈折望遠鏡か「火星人」に使われている
反射望遠鏡を手動式の赤道儀に搭載します。
ただ安価な赤道儀はビクセン光学のアウトレットか中国製を探すしかありません。
望遠鏡自体は1万円以下で何とかなりますが、赤道儀とアイピースで予算オーバー。
それでも3万円で収めるのは色々と放出品を探す事になります。
しかし、放出品も見る目が無いと押入望遠鏡の可能性大!!
出来れば頑張ってもう一声!行ってしまいましょう。



5万円位

このクラスになると、どうにか選ぶことが出来ます。。
セット品であれば、
ビクセン「スペースギア80M」が良さそうです。スペースギア80M 29,800円で、出てます。2006/9/16現在
一通りセットになっているので、入門向きかな?
実際に覗いた事は無いのですがビクセン正規ラインナップ商品なので信用しても良いと思います。
恐らく中国製ですが、十分な性能でしょう。


5万超え

各望遠鏡ショップで惑星に向いた鏡筒がセットになっている赤道儀が購入可能です。
しかしその価格帯になると本当に良く見えるようになるので10万円以下なら反射鏡筒で色にじみの無い惑星を楽しんでください。


お勧めとしては、ビクセンGP赤道儀を手に入れビクセン光学で8センチ以上F12以上の鏡筒を探してください。
アイピースは、アッベオルソかPLでそろえます。

GPEマウント +     + アイピース
最近は、中国製の低価格で高性能な小口径鏡筒も増えてきました。
そんな選択もありかもしれません!



10万円超えであれば、EDレンズを使ったアポクロマートタイプや惑星専用を謳った本格的な機材で素晴らしい惑星が楽しめます。

考えてみると惑星用はビクセンがトータルでベストでしょう。
それ以上に予算を持てればテレビューや笠井トレーディング、高橋他で専用の高級機を手に入れれば、個人として最高の像を楽しむ事が出来ます。
しかしそれは、ある程度趣味として楽しめるようになってから出十分ですし、この金額を最初から出す人はいないでしょう。(笑)


観望の時期・時間

私が始めて望遠鏡を買って空を見たときは、何処にも惑星が見つからなくて苦労しました。
丁度、いない時期、いない時間に当っていました。
惑星は何時でも見れる天体ではありません。
見れなければ気長に待ちましょう!

惑星は皆さんご存知のように太陽を中心に各軌道を好き勝手に動き回っていますので(うそ!良い子は信じないように)地球に近づいた見やすい時だけです。(アストロアーツなどで調べてね!)
従って自分の見やすい時に見ます。

惑星自体のことは専門のところでちゃんと勉強し、それを貴方の望遠鏡で確認して楽しんでください。

 日本惑星協会 こども宇宙教室


実際の見え方、楽しみ方




と言うわけで、入門編はこの辺で・・、でわ、自己責任で良い望遠鏡を手に入れて深みにはまって下さい。


さて此処からは私の自己満足お披露目コーナー???です。
私の観望スタイル

もちろんKIKUTAとしましては双眼なのは当たり前なのですが、惑星は双眼装置オンリーです。
興味のある方のお役に立てば嬉しいですね!

私は自宅に観測室を作っていますので、深夜家族が寝静まったらゴソゴソと屋根上部屋に登って行きます。
元々は、自宅から気軽に銀河を見ようと作った観測室ですが、最近は山奥で大型双眼望遠鏡を使いストレスなく楽しむようになってしまい、この観測室からは透明度の良い日だけ(年に数回)だけになりました。
もっとも、見ないと言うより惑星を見てしまう事の方が多くなったからですね!


現在もっとも常用している自宅システム

鏡筒:笠井トレーディング扱いALTER-5N 
135,000円
有効径 127mm  焦点距離 760mm 口径比 F6 中央遮蔽径 29mm 直径比中央遮蔽率 22.8% 面積比中央遮蔽率 5.2%
鏡筒径 165mm 鏡筒長 735mm(フード込み925mm) 鏡筒重量 5.5kg(フード&鏡筒バンド込み7.3kg)
合焦機構 2インチクレイフォード(摺動延長筒付)

自宅では丁度良いサイズです。
この上の15cmになると設置スペースも必要となり、また赤道儀もワンクラス上が欲しくなってしまいます。
見得味は、最高クラスです。色収差は反射鏡の為皆無で127mmの口径は300倍を超えても十分に分解し木星のフェストーンも綺麗に見えます。
衛星が表面を追加するさいなどの影や本体のコントラストが素晴らしいです。
この値段でこれに匹敵する鏡筒を知りません。

接眼部:テレビュー2倍バローレンズ、テレビュービノビュー 
14,700円+77,700円
バローレンズは高価な部類ですが、色も出ず倍率は上がるが像が変わらないとても上質な物です。
ビノビューは非常に高価ですが低倍率でも蹴られなく使用でき、目幅の範囲も広くとてもお勧めな物です。
他社の製品でもよいのですが、オールマイティな物は将来的にも買い替えの必要が無いので余裕があればこれを選びたいですね。


アイピース:笠井トレーディング扱いモノセントリックST-12mm 一個13,000円

「スタインハイルの3枚玉」「モノセントリック」等と一般的に呼ばれているこの特異なアイピースは3枚玉のアイレンズのみで構成され、通常のアイピースには必ず配置されている視野レンズが存在しません。このため相互反射によるフレアが物理的に発生せず、3枚玉の高性能ルーペで望遠鏡の焦点面を直接拡大することになりますので、その像質は非常にコントラストが高く、この上なくシャープなものです。<笠井ホームページより>

惑星観望でアイレリーフが長いアイピースは非常に楽でこのアイピースのおまけの部分です。
空の常態が非常に良い時にこのアイピースの真価が判ります。
普段の空では普通のオルソとあまり変わりはありませんが、安心して使えます。
このアイピースを使用するにはモーター付き赤道儀使用が前提です。

ビクセン光学Abbe Or
(アッベオルソ)9mm 一個5,500円 でした・・。 

恐らくOEM用に生産されているものだと思います。
現在は、各社で安く販売されていますので探してください。
惑星用には非常にシャープな像を結びます。確か設計がF12でされたものだと聞いたことがありますが、バローを使うので丁度良いのかもしれません。
値段が安く、赤道儀前提の場合は中心の像がよければ十分なので、高級アイピースにあまり引けを取りません。
このグレードのシリーズでそろえても悪く無いですね。

架台:ビクセンGP-E赤道儀+アルミ三脚、極軸モーター、ACアダプターGPEマウント 

確かビクセン開発工業で非常に安く購入しました。メールで問合せると良いですよ!
非常に確りしていてまったく問題がなく安心して使用できます。
観測室で使用しているので市販のACアダプターを使っています。電池購入しなくて良いので助かりますが、スイッチを切り忘れて数日後ケーブルがグルグル巻きで接眼部がもぎ取られ鏡筒が明後日を向いた状態で発見した時は悲しかったです。ご注意を??

椅子:高さが変えられる1万数千円で購入したもの。(とても重要です)

3,800円で購入した物もありますが、そちらは体重負けして座ると滑り落ちそうな角度に曲がってしまいました。
瞳径の小さい状態での観望ですので体が揺れないように着座しての観望が必要です。
意外と長時間観望してしまいますので高さが変えられるものにしています。


現在はこのシステムで大変満足しています。

シーイングの良い日は、9mmのもう少し良いアイピースが欲しくなるのですがそれでも十分見えているので購入には至っていません。
笠井HC−オルソ12mmもST同等に良く見え視野も広いのですが、ここ一番シーイングが良い時STの方が一歩良い像を見せます。
STはゴーストがどうのこうの言われますが視野からずらす程度で問題ありません。これで文句を言っていたら世の中文句だらけになって困ります。
値段から考えて十分です。
9mm、12mm?と思う方もいると思いますが、バローレンズを使って双眼装置を合掌させた場合2倍バローレンズでも3倍以上の倍率になります。
従って3mm、4mm以上に相当しているのです。(実際の正確な拡大率は調べていません)
それ以上にメリットがあります。
高倍率にもかかわらず十分なアイレリーフを確保できます。
オルソアイピースは焦点距離の80%程度の距離がアイレリーフになります。そうしますと3mmや4mmではアイピースに目が近づき過ぎ睫毛が当り使用に絶えかねます。バローレンズを使うのがとても有効な事になります。STはアイレリーフが十分あるので惑星には違う面でも適しています。
以前ナグラーを使っていたのですが惑星にはレンズ性能以前の問題で使用をやめました。
惑星は以外とコストがかかりませんね!

とにかくこのシステムは素晴らしい惑星を見ることが出来ます。
長時間の観望も時を忘れたように見入ってしまいます。
たまにこれ以上に倍率を上げたい時がありますが、システム的には限界のようで大きくなっても見えている像は変わらず暗くなっていきます。
口径分解能の限界と言うより双眼装置のプリズムの影響に思います。
5インチの口径は十分惑星の詳細を見せてくれます。
自宅のロケーションからこれ以上は必要を感じません。
それに年に数回、大口径ドブ双眼でハッブルの写真のような惑星を見ているので、欲張らず気楽に楽しんでいます。


他の鏡筒君達

他に惑星に気まぐれで使う機材を紹介しましょう。


ビクセンタイタン15cmF8.3反射鏡筒 

ビクセンのかなり昔の上級鏡筒です。ビクセン光学のタイムカプセル?から当時のままの状況で出てきましたので譲って頂きました。
鏡筒バンドを付けて赤道儀でかなりな高倍率まで使えるのですが古い設計で迷光処理等施せばかなり良く見えるでしょう。
しかし、その様な望遠鏡なのでオリジナルなままで保存したいのでそのまま使っています。
しかし、実際の所鏡筒が大きすぎて観測室では使い辛く最近は殆ど出番がありません。


ビクセン8cmF15アクロマート屈折鏡筒


やはりビクセンの昔の鏡筒に新しい接眼部を付けた物を、ビクセン開発工業よりアウトレットで購入しました。
アクロマートなのですが、流石にF15です。短焦点アポクロマートの様な像です。
ただし、長い鏡筒で大変です。タイタンより軽いので気流の悪い日は時たま使います。


笠井ジャンク自作15cmF10マクストフカセグレン
 

15cmの性能は!?
なかなか温度順応させて使用する機会が少なくいまだ本領を確認していません。
どうしてもシーイングが良いと安定したマク・ニュートンオンリーになってしまいます。


<接眼アクセサリー>

接眼部に使うアクセサリーです。
惑星にはこれだけしか使いません。


※後に見えるのが、2インチ双眼装置2号機と
ビノビュー用ビノヘルパー
双眼装置を使う方が増えてきたので、是非便利なビノヘルパー
を紹介したいのですがね、作る時間が無いので残念!

ついでに
後のタッパーには、アトムの双眼装置がバラバラのまま入っています。
黄色いのは「コスモキッズ」!
左にあるのは高精度ビノヘルパーを作ろうと思って購入してある
ウィリアムの2in天頂ミラー
なんかどれもこれも中途半端な状態です。(あせ)
ビノビュー
本当に惑星を楽しむには絶対必要!
是非頑張って購入して下さい。

        
笠井トレーディング
HC−オルソ12mm
ビクセン光学
アッベオルソ9mm
笠井トレーディング
モノセントリックST-12mm
テレビュー
×2バローレンズ

今期の火星観望では、モノセントリックST-12mm が、大活躍です。
シーイングの良い日も多く、5inマクニューで300倍以上で使用していますが、一番詳細部までコントラスト良く見えます。
素晴らしい火星はまだ暫く楽しめそうです。2005/10/30
最近は笠井の×2.4 惑星用バローも使っていますが、なかなかです。


  5inマクニュートンにビノビューを差した状態


ポルタ経緯台と、安価で優秀な鏡筒のセットがビクセンオンラインショップで多数売られています。
アウトレット扱いや、オリジナル商品でお勧めできるものが増え、惑星入門し易い状況ですね。
楽しみです!!


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