Ninjaオフ会    2004/9/11.12

世界初の市販品「2インチ双眼装置」デビュー!!

今回のオフは、私が参加した中で最高のロケーションに恵まれました。
高気圧の圏内にあり高層の雲は皆無、しかし低層にはありがたい事に関東中の雲の張り出しとなり一晩中その状態が続きました。

「明け方の雲海」

深夜に数回雲が上がってきましたが、一息つける丁度良いチャンスでそれ以外は皆様休むまもなく観望にふけって夜明けにはクタクタとなりました。私はそのまま仕事へ行く為途中インターで仮眠1時間、しかしそれでも十分価値のあるオフ会でした。



さて今回の状況は、横尾さんのBBSでお分かりと思いますので、私の報告としては隠れた大目玉の話題「2インチ双眼装置」についてお知らせしようと思います。


世界初の市販品「2インチ双眼装置」

今回、トラさんが個人輸入したシーベルト(シーバートかな?)の双眼装置をオフ会にデビューさせました。
トラさんから聞き出した秘密?の情報と、私の所感です。

まずは、お姿を拝見!!
暗闇での撮影の為見難いと思いますが我慢下さい。 

   

  


この双眼装置は、以前インターネットで販売をはじめたシーバートの最新タイプ1号機という事です。
以前のタイプは申し訳ないが商品価値の薄いて作りの物であったのですが、今回、トラさんが1,5倍のリレーレンズだけ購入しようとして問合せた所量産タイプにモデルチェンジしたので買ってしまったということです。
リレーレンズ込みで、21万円ほどで購入できたという事なので驚くほかありません。個人メーカーだからこそ出来るのでしょうがアジア以外でこの値段とは・・、松本さんみたいな方ですね!

siebertoptics
http://www.siebertoptics.com/SiebertOptics-2inchbinoviewers.html

重量が約1kgで1.5倍にはなってしまいますがドブに直付けが可能なので製品としては十分な魅力があります。Ninjaオフ会では皆様購入をするようなお話でした。

はっきり思いました。
私の2インチ双眼装置量産プロジェクトは富士の雲海に沈みました・・。
もし続けるとしたら、シーベルトのコピー品を中国で生産するか、カスタム品を暇に任せて(何年かかるか?)仕立品とするかです。

ちなみに値段ですが、直輸入で21万円という事は、国内ディーラー販売で恐らく35万円位になると思います。
この様な特殊商品としては十分な金額だと考えます。
個人輸入が出来なくとも今後どこかが代理店としての契約を結ぶことになるのでしょうね!

さて、もとい、スペックですが、入射角的には口径比1:4.1まで可能との事です。
ビームスプリッターはエドモンド製45mm発売元は1/4〜1/8λの精度との事ですが、ちょっと??なところもあります。
(現実的には低倍率オンリーとなるので実際には2λでも支障はありません)
2,3次反射はミラーを使ってありリレーレンズは確か2種類付いているとの事です。
実際に使用した感覚としましては、やはりリレーを使うと多少像が暗くなります。しかし入射角が浅くなるのでWS-30mmで周辺像までシャープさをもたらせていました。
よく聞くのを忘れていたのですが、確か1.2倍、等倍のリレーもあるとのことですが等倍は像が悪くなって駄目だと発売元が言っていたようです。
実用的な1,5倍の場合、40mmの接眼レンズで瞳径6mm一寸となります。
ドブに2インチ双眼としては十分でしょう。

あれれ?こう書いてしまうと2インチ双眼瞳径7mm広角は・・・
やはり、直付けにした方が良さそうですね!

何れにしても誰しもが大型ドブに2インチ双眼を楽しむ事が可能となったわけです。
いよいよもって双眼狂ウイルスは猛威を奮っている訳です。
皆さん、お財布に十分気をつけることが大切なようですね!(笑)

オーナーのトラさんから掲示板に補足がありましたので原文のまま載せておきますね。

以下に若干補足しますね。

*写真の黄色いキャップはルミコン製のもので、Siebertのオリジナルのものは遥かに高級感のあるもので、大型の専用ケースも付属しています。

*ビームスプリッタについてはSiebertは、私の「これはエドマンド製の2波長精度のものか?」との問い合わせに対して、「ビームスプリッタの仕入先は公開できないが、精度は2波長ではなく1/4〜1/8波長」と回答していました。
Ninja320に、1.575倍延長レンズとナグラー13mmをつけて約176倍で土星を眺めましたが、像はとりあえず問題ありませんでした。

*ビームスプリッター以外にはプリズムはなく、反射面はディエレクトリック平面鏡が使用されて、接眼スリーブ奥には光学窓があります。

*接眼スリーブはタカハシと同様に樹脂リングの全周締め付けタイプ。オプションで片方または両方に視度調整装置がついています。

*オフ会で使用していた延長レンズは1.575倍のものです。バローのようにアイポイントに敏感にはなりません。1.325倍のものは、これはオフ会ではペンタックスXL40mmを使用すると瞳径が7mmギリギリになり、覘かれる方によっては瞳でけられる可能性があったため使用しませんでした。Siebertによると、200倍以上の高倍率では1.575倍の方が良く、周辺光量も若干良い、とのことでした。こういった違いについてはまだテストしていません。なお、この1.325倍の双眼装置用のテレセントリックタイプの延長レンズのデザインは、確か2年ほど前にSiebertからDenkmeierにライセンスされ、これを組み込んだDenkmeierのアメリカンサイズ双眼装置が米国でかなりの人気を博しているようです。延長レンズには、ニュートン専用タイプと天頂プリズムに組み込んで使用することもできる兼用タイプとがあります。

*1.0倍の延長レンズはアメリカンサイズ双眼装置用で、かつてのホームページでは、1.8倍のものより、ほんのわずかに性能が劣る、と説明されていました。私は1.0倍のものを覘いたことがありません。これ、試してみたいです。

*球状星団、散開星団、散光星雲、惑星状星雲には適性があるようですが、小宇宙には弱いようです。
ではでは、双眼装置の値段が絶対に釣り上がりませんように。


更に、オーストラリア帰りの追記です。2004/9/21

今晩は、トラです。

米国でもSiebertの2インチ双眼装置(40mmタイプ)の納品が始まったようで、ネット上の会議室でおしゃべりが繰り広げられています。その中でSiebertが書き込んでいる情報を追加補足いたします。

*1.325倍延長レンズは最低1.18倍だが、[天頂プリズム等との]組み合わせにより、1.3倍程度になる。(私のコメント: この1.18倍という倍率は池田さんが設計された1.2倍に近いですね。なお、私は倍率を実測していません。)

*ビームスプリッターは特注品。

伝聞情報は以上です。

次に、オーストラリア出張のついでに、2インチ双眼装置をNinja400に取り付けて観望した結果、以下のような印象を持ちました。

*球状、散光、散開、惑星状については、単眼に較べて双眼の方が総合的には好みの見え方。小宇宙については、エッジオンや銀河群は双眼が、フェイスオンは単眼が、それぞれより見やすい。

*ワイドスキャン30mmで、1.325倍延長レンズと1.575倍延長レンズとをくらべると、球状星団の中心部のみについて1.575倍の方が若干シャープに感じられるが、これば倍率が上がったためかもしれない。他の種類の天体については差は殆ど感じられない。

*双眼装置の眼幅調整の回転中心軸と2つのアイピースホルダーの中間点との距離が5cm程度あるので、天頂付近を観望するときはアイピースホルダーが中心軸の下方に、また、低空を観望するときはアイピースホルダーが中心軸の上方に位置するよう、双眼装置を接眼部に取り付けると、脚立が不要になったり、しゃがみこみが少なくなったりした。

以上、節穴インプレでした。いろいろお問い合わせを頂いているので、ご参考としてUPしました。

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