ジャンク部品で作る!

  「マクストフカセグレン」 MK−65の巻き。


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2004/6/20
2005/1/7 完成
  

2004/6/20
笠井トレーディングの放出品ミラーセット(補正板が少し欠けている)\6,800-無料ジャンクでマクカセ製作にチャレンジです。
今までこのタイプの鏡筒を所有したことが無いし、原理も今一解っていないし、、まっ勉強のつもりでやってみますか。
ゴミが増えないように真剣に・・、で、どうなることやら・・・

勿論、双眼の為に双眼装置をつけます。バックフォーカスが取れそうなので等倍率が可能です。
なんでも「双眼望遠狂」です。(笑)

マクカセジャンク部品を色々もらってきました。
ごちゃ混ぜ状態からの拾物で「たぶん合うのではないか?」の予感でそろえた部品です。

  

家に帰り組み上げようとすると、ミラーの穴の内径とセンターチューブの外形が合いません。
ミラーが入らないのです。しかし、鏡筒にはぴったりと納まります。
MK-65の筒ではないのでしょうか?
ってことは、焦点が出ない可能性もあります。

<考えたこと・・>
・センターの筒は径が合わないので使えない。
・ミラーが合わないってことは鏡筒が違うので焦点距離も合わなくなりそう。
・ピント調整が固定になってしまうので外部にヘリコイドが必要。

最初は、簡単に組みあがるのでは?と期待していたのですが、現実はチビシー感じ・・
しかし、6,800円で15cmのコンパクト鏡筒が手に入るのはウレシイ!
したがって工作機械があるので片手までチャレンジしよう。
<次に考えたこと>
・センターチューブは肉厚があるので旋盤で削りミラーを収めることが出来そう。
・センターチュ−ブは2重構造になっているのを発見!上手く加工すればこれでフォーカシングが可能そう?
・ピントが出ないときは最悪鏡筒の延長、または短縮を行なう。

さー、まずは旋盤です。
 

ステンレスを加工するのは初めてでしたが難なくクリアしました。
@は、もともとの太さです。2個手に入れていたので失敗を恐れず作業できました。
Aは、外形を削り細くしミラーの挿入が可能になり先の方の蹴られもなくしました。
Bは、インナー部です。0.25mm削りフリクションを減らしスムースな動きを確保しました。

次に、アウターをスライドさせるべくアームを、ミラー押さえリングと共に作りました。
   こんな感じです。

勇んで組み上げます。
 

「うぉーっ」マクカセの完成だ!(補正板止めビス穴が2箇所しか合いませんが・・)

って事で、早速観測室へ持ち込みファーストライトです。
天頂ミラーに「ビノビュー」で、星を導入です。
台風の前兆で早い雲が流れ中々入りません。
「ウム?ライトが入らない???」、ピントが出ていないようなので、近所の鉄塔の赤等を導入します。

駄目でした・・。
バックフォーカスが出すぎです。30センチぐらい・・、延長筒を付けると何とかピントが出ます。
と言うことはフォーカスアームが1センチ少々あるのでその分みたいです。

やむを得ず(フォーカサー)アームをはずしますと単眼+天頂ミラーでピントです。
丁度アイピースの抜き差しで使えます。

しかし、双眼装置が付かないと意味がありません。

<考えるに>
主鏡を15mm位前に押した状態でバックフォーカス300mmで、手前いっぱいで100mm弱なのでたったこれだけのストロークで合わせなくては成りません。
恐らく薄いレバーに作り変えれば実用範囲に収まりそうです。
もう一つの手として、適切な位置で固定して(ビス一本でOK)ヘリコイドを付ける方法もあります。
日曜日の夜は早く本日はタイムオーバー、どちらが良いか良く考えようと思います。
ヘリコイドは強度がないが工作は楽です。
2mm位の鉄板でフォーカスアームを作るのも良いですがつまみを作ったりするのは結構大変そうです。
やっぱり安く手に入れたのだから簡単に仕上げるのがよさそうです。
どうせメニスカス補正板がかけた光学系です。いやいや、どうせなら・・・


台風一過のまだ風の強い今日は翌日です

深夜、改めてテストです。
双眼装置を取り付けフォーカサー用?の穴から指を入れて主鏡を少しづつ押してみました。
ボトムより7mm位でピントが出ます。
って事は、アームの肉厚を3mm程度で収めれば双眼装置用のピント位置でコントロールで来ます。

俄然やる気になってきました。今度時間が出来たら完成できそうです。
しかし、赤道儀に乗せた状態は使いにくかったのでフリーストップ架台が必要になります。
カッコイイのを割り出しで作ってみたいのですが時間がなさそうなので、耳軸を作ってドブスタイルにしましょうか?

ちなみに星像はなかなかシャープでしたが少々くらい感じです。倍率が上がってしまうので仕方がありませんが独特の見え味です。暗いバックに繊細な恒星がたまりません。ミードUW-24.5でET星団を見たら丁度良いアップですので結構倍率が高そうです。レデューサーも考えてみたい所です。そういえばビクセン光学のリッチフィールドレンズなんてのがアイピースボックスに入っていたはずです。
今度試してみましょう。

2005/1/7
放置していた宿題をやっつけました!
やっと完成です。


フォーカスのアームを薄くして、フォーカサーつまみを作りました。真鍮とアルミでシリコングリスを使いました。
それと、インテスマイクロ天頂ミラーを直付け出来るように変換アダプターを作りました。
何れも旋盤作りです。



組み付けた状態です。


鏡筒バンドが、以前笠井さんのジャンクで買ってあった鏡筒バンド(1,500円也)が少しゆるいのですが紙を挟んで使います。
 

一度全バラにしてクリーニングしました。
一部遮光紙を貼ったのですが、反射している部分は後に黒板塗料でも塗ります。


2インチ双眼装置をつけた状態


ビノビューを付けた状態。


正月休みに風邪をひいてしまい、遠出は諦め作業場で残りの部品を作り上げ完成しました。
ジャンク部品を加工し、不足部品を製作し組み付けるだけの比較的簡単な工作でした。
旋盤があればこの手の工作が可能となります。

ファーストライトは、昨夜自宅の観測室から行いました。
自作で意識が少なかった為か、ミラーシフトと言うものが出ます。
ただ高倍率でも視野から逃げるまでひどくは無いので暫くはこのまま行こうかと思います。
2インチ双眼装置に30mmアイピースを使うと、相当なバックフォーカスとなっているのでしょう随分倍率が高いようです。
60倍ぐらいなのでしょうか?鏡筒の温度順応まで1時間ぐらいかかりました。
なかなかシャープで星も綺麗に点像を結びます。
マックホルツ彗星を見ましたが、十分な見得味で中心光がなかなか鋭く見えました。
ただ、バックが今一白けています。
15センチの口径ですが、多少のけられがありそうです。
シーイングが悪く、土星のカッシーニは確認できません。
双眼装置の重量が気になりますね。

ビノビューにチェンジし倍率を上げます。
やはりバックの明るさが気になりますが、高倍率まで十分な感じです。
鏡筒とのバランスを考えると丁度良い感じです。
焦点距離が長くて低倍率の使いにくい鏡筒なのでやはり惑星向きなのでしょうか?
双眼で正面の対象を見るスタイルになりますので感覚的に楽です。
椅子に座ったゆったり観望が出来ます。

見栄えを比較する為にMNに取り替えてみました。
ちょっとショックですね!
MNの像がとても明るく見やすいのです。
MKの場合双眼装置までの間に一回多く反射が必要です。
この一回の影響が随分あるように感じました。
分解能はそれぞれの口径分はありました。
シーイングの良い日に再度確認します。

15pの鏡筒が貧弱な赤道儀と強い風にびくともしないで使えるのは嬉しいですね。
又観測室はスペースが限られているのでコンパクトさが最大のメリットです。
赤道儀で使用した場合、接眼部を回転させる必要があるので、フリーストップ架台で使ってみたいです。
初めてのMKですが、これから使い勝手が判ってくると思います。
ただ、低倍率の双眼が使えないので主力機とはなりにくそうです。


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