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双眼装置仕様の鏡筒カットについて(御質問の回答)
追記2006/7/3
2010/12/24 双眼装置スペックが記載の仕様だとすると
以下御参考にどうぞ!
ただし、改造した結果に付きましては、責任を持ちかねますので宜しくお願い致します。
手元にシュワルツ150Sが無いため寸法が判りませんので考え方をお答え致します。
先ず大切な事は、双眼装置自体が鏡筒の口径比にマッチングするかです。
光路長が110cmとの事ですので、今市販の双眼装置あたりと考えますと、ビームスプリッターの入射口径が23mmですので口径比がF5より少し短いので使用することは可能です。
ただし、低倍率では視野周辺が蹴られる可能性があります。
これは周辺減光で図Bを見てもらうと解るのですが、口径比がピッタリですとアイピースからセンターを見たとき中心の1点に全ての明かりが集光します。その一点だけでは点しか見えません(たぶん?)。そこに面積が必要です。
図C焦点位置の径をある程度もてないと最大実視界が少なくなります。
大凡ですが、アメリカンサイズ最大視野角を見るには、アイピース内径(絞り)の半分位の面積(直径)が必要と理解しています。
逆に、点の位置から双眼装置入射口径を通った先の焦点距離位置の径が有効に使われる対物レンズの口径になりますので双眼装置の口径比がとても重要になります。
笠井のBS双眼装置がバレル部分を改造し必要光路長:97mm にしている意味と思います。
実視界 = (アイピース視野環の直径 ÷ 望遠鏡の焦点距離) × 57.3
理想としましては、低倍率で焦点位置のサークルがアメリカンサイズでも12mm以上ほしいところです。
(図4焦点位置の径参照)
実際には、半分以下の面積が取れればいいところでしょう。
従いまして、短焦点鏡筒で双眼装置の直付けは厳しい面もあります。
また、長焦点鏡筒の場合ですと、倍率が上がってしまいますので結果として低倍率双眼装置仕様は2インチ双眼装置がほしくなってしまうわけです。
中倍率以上では倍率が上がる分実視界が狭くなりますので問題ないと思います。
以上の理由から、その鏡筒の実寸を測り、双眼装置の光路を出し、使用するアイピースの焦点位置を合わせ、ぎりぎりいっぱいのカットをする事になります。
実際に行うには、少しずつカットトライしていきます。
構造的に可能な範囲で、あくまでも妥協点を探し使用することになります。
バックフォーカスの測り方はここに書いてあります。
国際光器
・・・と、難しそうなことを書きましたが、私も今一理解し切れていない部分もあります。御容赦!
何はともあれ、なせば何とかなりますので手順を書きますが、アメリカンサイズ双眼装置で短焦点鏡筒の低倍率広角は厳しいので、双眼望遠鏡みたいに行かない事は御理解下さい。
改造手順
鏡筒から接眼部を外し、双眼装置と天頂ミラーを最単距離で取り付けアイピースを入れ双眼装置を手で持って遠方のピントの出る位置(月が良いです)を探してください。
距離を短くする為に、天頂ミラーなどはアメリカンサイズを使用しツバの薄い変換アダプターを使用した方が良いでしょう。
その位置を、鏡筒の付け根から、天頂ミラーの差込位置の距離を測ります。
この方法で、出た数字を接眼部全長寸法から引くと大凡の鏡筒カット寸法がでます。
この時点で、図を作成し、ドローチューブのカット寸法が大凡でます。
この設計時に、ほかのアイピースなどのフォーカスもあわせ、フォーカス入れ込みより2・3mmの余裕を持たせると良いでしょう。
バックフォーカスを測る時、地上の遠方にピントを合わせた場合は更にカットの必要が出ます。
作図してわかると思いますが、シュワルツの接眼部は長いので、ラック&ピニオン部の加工も必要になると思います。
十分な検討をして下さい。
ちなみに、ドローチューブをカットしなくても見えなくは無いのですが、実際の口径が蹴られますので対物レンズが小さくなった事になります。どれ位かはアイピースの瞳径を測り割り出してください。
2006/6/30
7/1 訂正
KIKUTA
実際にF5で光路図を書いて見ました。
残念ながら、アメリカンサイズ天頂ミラーを使用すると完全に光路を蹴られるようです。
屈折F5鏡筒で対空90°双眼装置し用にする場合はエクステンダーミラーなどを使用し入射角を緩くしないと口径ロスが大きすぎるようです。
2インチサイズの天頂ミラーなら大丈夫と思うのですが、その分鏡筒カットも多くなります。
笠井のFMC1.6×エクステンダーの利用などを検討した方が良いかもしれませんね!
a
2010/12/24 双眼装置スペックが記載の仕様だとすると
※双眼装置スペックは販売店表記のものです
主鏡径が200mmとして、
中心光束が実線
焦点イメージサークルを15mm取っていた場合、点線
鏡筒径が230mmの場合、主光束は筒の外で、双眼装置入射口がギリギリ蹴られない。
その場合、中心光束が5mmの余裕
したがって、双眼装置を焦点方向へずらす余裕があり、尚且つ、焦点へ持って行った場合周辺光も若干蹴られないので使用可能。
但し、メーカー設計がイメージサークルが15mmより明らかに大きく引き出し量を少なくしていた場合は双眼装置を落としこむか
主鏡や斜鏡位置の変更が必要です。
更に、イメージサークル15mmラインへ双眼装置をずらした場合でも主光束は蹴られないため
周辺減光も肉眼ではほとんど感じない。
図は、双眼装置入射口:光入射ラインで書いている(蹴られに対して判りやすいように)が、使用する際は焦点位置へ移動し使用する。
十分余裕がある事が判ると思います。
※全ておおよその寸法、位置ですが、このレベルなら十分実用範囲でしょう。
但し、鏡筒外周ギリギリに双眼装置を持っていけるようにフォーカサーの工夫が必要です。
参考までにここを見て下さい。
http://homepage2.nifty.com/KIKUTA/52-musashi500.htm#13
武蔵五百用フォーカサー
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