双眼望遠鏡HOME > イベント報告> 2010 第三回「双望会」

本物のスターパーティー
      2010 第三回「双望会」(そうぼうえ)

 ☆第二回は終始悪天候のためレポしませんでしたが、今回は満天の星でお腹いっぱいです☆



2010年11月5日〜7日にかけ、愛知県 スターフォレスト御園にて開催された。
毎度参加のKIKUTAのKIKUTAが感じたレポートをお送りする。


2010年11月4日深夜武蔵村山を出発。今回は、サンバーのみでトレーラーは無しです。
機材は、テレコンビノ、キャノン双眼鏡、宇宙箱眼鏡。それ以外の武蔵五百などはお留守番です。
参加リストを見ると、大口径ドブの参加が多数あるので皆様へ使い倒して頂く必要もなさそうだし、結構重いのでサンバーの屋根に乗せるのもシンドイ感じ。
で、一昨年に完全整備してあり、更に、今回お掃除と調整した33センチ双眼望遠鏡「宇宙箱眼鏡」で、じっくり楽しもうと考えています。

   サンバーの中です。


天候は、前2回は、秋雨にじっとり好かれ、星達に嫌われたようです。
そんな流れで、地球温暖化による気候変動対策として開催を若干ずらし、11月の開催です。
予想通り、11月の見事な秋晴れ。紅葉も始まったばかりで下手するともう少しう遅い方が安定しそうな位です。
まったく地球はどうなってしまうのでしょう? 皆様、真剣に考え行動してね!

私は、5日6:00頃到着し、スターフォレスト御園を通り越した行き止まりの道の頂上に車を止め、昼まで休みます。
目覚ましと共に、フォレストの駐車場へ。
みなさん早々に集まってますね。 

14:00に、受付を済ませ、いつもの場所へ車を移動します。
今年は、会場を広げたため、いつものところが通路になっており、その横へ車を止めます。
そうそう、Y.KATO組5名はスタート時に車両トラブルで今回はキャンセル。
大変残念です。

天気が大変良く、そして暖かい。
今夜は間違いなく期待できるので早々に準備を始めます。
 

今回の私のテーマは、
1、宇宙箱眼鏡を楽しむ。
2、銀メッキEMS、銀メッキドブの成果を確認する。
3、M君の大人な行動を確認する。(^_^)
の3点です。

11月5日は、お約束通り、雲ひとつない快晴。温かく、夜露も少なく、シーイングも良好。
開会式と夕食が終るとまだまだ薄明にならない夕暮れ。にもかかわらずそれぞれ望遠鏡へ向かいます。
明るい夕空に木星を発見し、それぞれが導入し始めます。
50pクラスが明るい中良好な木星を浮かばせます。見事です!
私のツインでも導入してみました。
赤い帯の上にもじゃもじゃが見え、久々にすばらしい惑星を見た感じです。
「あと十五分もすれば暗くなるのに・・・」なんて声も聞こえましたが、過去2回の双望会の危機感からか、少しでも早くとがっついていたのも確かかな?

薄明も終わると、美しく、くっきりと天の川と夏の大三角が空に映し出されます。
久々の満天の星。

そうそう、私事ですが、この数年は、この双望会だけしか星観をしていません。
つまり、3年前のサミット最終回で楽しんだ以来です。その時も、雲に邪魔されながらの観望で随分と鬱憤が溜まっています。
機材自体も2年前に万全な改造と調整を済まして以来で、随分モチベーションも下がっていたので、この空は絶食後に病気して、突然の御馳走状態です。
どの様に食べればいいのかわかりません。。
2本の箸で、手当たりしだい摘まんでいきます。

実に、初日は殆ど自分の鏡筒しか覗かなかった感じです。 

「宇宙箱眼鏡」は、光軸もばっちり合わせてあり、3年前に手元の天頂ミラーへミラーシフターを取り付けてあり、並行軸も手元で簡単に調整できます。
シーイングが許せば高倍率も十分いける状態です。
本日は、メインに69倍/1度 22mm/65度アイピースでメシエ天体を楽しみます。
クローズアップに117倍0.86度 13mm/100度アイピースで詳細を観察します。
シーイング的には、117倍で十分シャープです。
何故か、今回は星図をもってこず、iphoneの星図を使おうとしましたが、老眼のため見えません。
で、記憶だけのメシエ巡り。

夏のエリア、秋のエリア、冬のエリア。そして春になりはじめたM51で終了です。
今回初めてハートレー彗星も導入。誰かに入れて頂いたのですが、「いいちこ」のせいで覚えていません。失礼&ありがと!
で、最後に新たに発見されたという彗星を狙ったのですが、明るくなってアウト!でも、土星が昇ってきて逮捕。で、夜が明け初日を終了です。
記憶に残った見ものは、M57がくっきりで、中心星が見えているような・・・。
久しぶりのM31は、暗黒体もシャープに広く見事で、更にいつもの順番の33を見ると、見事に巻いた腕が見えます。
二重星団を見ると、中心の星達がくっきり点像で温度順応もばっちり。あれ?しかし、今日はちょっと違うぞ!

肉眼で、リクライニングチィアーに寝そべって確認します。
レーシックで失った点像の星空がいつの間にか戻ってきています。
明るい星は、僅かにハレーションが周辺を取り巻いているようですが、明るい星の下にひげ状のにじみが出ていません。
3年前に比べたら大きな違いが出ていて思わず「ニヤリ」です。もしかしたら、瞳径7mmの低倍率も行けるかも。これは今度のお楽しみに・・・。

ちなみに、今回数名の人からコクられました。???
KIKUTAさん、僕もレーシックしましたよ!って。
良く言われるのですが、ここのところ大変増えて来たようです。
今回印象的だった2人の話ですが、一人は、「天文のためにするレーシックだから」と、念押しをして、フラップの直径を7mm以上の大きさでオペして頂いたそうです。
これは大変朗報です。
本人も、暗闇のにじみも無いそうで最高の手術ですね。但し、角膜が其れなりの厚さがないと出来ないのですが、十分に事前協議で確認してください。
もう一例は、極度の近視で、三回に分けて手術を行い、最終2.0の視力を手に入れたそうです。
手術費用も私の時の4・5分の1位まで下がっています。
素晴らしい事です!

途中途中、寝そべって空を楽しんだり、みなさんとお話ししたりです。
冬の星座がやってくると、もう駄目ですね。

「M42」
宇宙箱眼鏡はこの天体の為に在るようなものです。
屈折の大型ビノで見たm42はそれは素晴らしい。宇宙にぽっかりと浮かんだ星雲と、その距離感を作り出すようなシャープでカラフルな星々。
それとはちょっと違った世界で、117倍0.86度に星雲を広げ、あらゆる濃淡を浮かばせる口径分解能の世界です。
この見どころは、実は、双眼望遠鏡最初の感動を超えた先に在るのです。
ただそれを知ってしまうと、その席を離れなくなり、私が観望出来なくなるので内緒にしています。
時たま、それを知った方が、こっそりと闇夜で箱眼鏡を占拠しています。(^_^)

ちなみに、馬頭星雲は、フィルターがないと33センチツインでは厳しいようです。
勿論心眼では見えていますが。。

その後、銀メッキ30センチドブでM42を見せて頂きました。
結果は予想通りでした。
アルミの特性として、低い波長帯を吸収する特性をもっています。
銀と云う素材は、可視光範囲では殆どフラットな特性があり低い波長の吸収がありません。
したがって、赤とか黒に近い可視光が認識できるようになっていました。
つまり、木星の帯が濃く見えたりして、アポクロマート直視時のような色合いが浮かびます。
EMSはまさにそのような効果が出ていました。
ドブの場合は、口径の割に全体的な明るさが増しています。
M42では、広がりの部分の暗い赤がより強く出てコントラストが増していたようです。
また、光量が上がっているためでしょう。白や緑部分なども強調されたようです。

ただ、暗闇で「M42のピンクが見えないか?」等の声が聞こえましたが、その波長はアルミでも出ている波長ですので厳しいのでは?
しかし、アポクロマート直視並みの色彩が大口径で可能となると、天体望遠鏡の革命となることは間違いないでしょう。
今後は、耐久性をもたせるためのコーティング技術検証で道が分かれて来そうです。
双望会は、天文の最先端を垣間見る事が出来大変エキサイティングです。
(こうは書きましたが、誰もが劇的に感じるものではありません。オーディオでスーパーウーハーを付けるとか、CDではなくレコード盤の方が素晴らしい!と云った世界だと思いますです)

ちょっとモチベーションが戻ってきました。
私も、銀メッキを進めてみようかと思います。

その後、お風呂に行ったり、夜食と燃料チャージで時間消費したりしましす。
大熊が上がり、m81・82のビッグな姿を楽しみ、M51で気分的な仕上げとなります。(101見忘れた。)
夜が明け、6:00に車にもぐりこみ、星でお腹いっぱいの中、初日を終了し、眠りに付きます。


3回目の目覚ましでしょう。目が覚めました。
不覚です。
フリーマーケットのために大枚持って来たのですが、昼食時間でマーケットは畳まれてしまいました。(>_<)
越前谷さんの銀二300Dが送料込みで二万円なんて。。。そんなぁ。

昼食後は、毎度の機材紹介です。
今回は、大型ドブソニアンが大変多く、40pから50pが乱立しています。

 この2倍位居ます。

ちょっと忍者OFF会みたいな感じもありますが、自作機も多数あります。
また、昔の屈折も沢山来ていました。
6cmF20みたいな、3・40年前の名機で惑星の見比べなど楽しそうです。
実際にシーイングに影響されず良く見えていてビックリです。

ここの個別の機材紹介は、双望会サイトで紹介されるそうなので割合致します。

ちょっと楽しかった写真を少々。

通称「イタスコ」   わっかるかなぁ?


他に目立ったところでこんなのが。

  なんかすごい感じです。

  これは凄かった。見ごたえは勿論ですが、操作性は究極です。

 スターフォレスト御園のアイテムで、芝生広場に野外スピーカーが設置され、星が正午線を通るたびに音色を出します。

双眼で宇宙を覗いているとき、この音色の美しさで、宇宙に酔ってしまいそうです。

そうこうして、2日目が始まり、同じような空で夜を迎えます。
シーイングはさらに良くなっているようです。
今日は、色々皆様の自慢鏡筒をのぞかせて頂きます。
木星や銀河など。

流石に双望会です。
どの機材も大変素晴らしく、それぞれの特徴を誇っています。
正直言って、これだけの機材でこの空です。
どれを見たって甲乙がありません。
目的と好みの差ぐらいでどれも本当にすばらしいです。
勿論、肩怒らせて競争する場ではありませんが、最先端を行く方ばかりですので、ついつい甲乙を考えてしまうのですが、それがいかに恥ずかしい事か・・・。
そして、皆様の導入力ときたら。
次々にNGCを入れて走っていく姿は私にはとても出来ません。

それでも、少し、お気に入りを。
「TOA130EMS銀ミラー双眼」予想を外す事の無い素晴らしいある意味の頂点でした。
「ビッグビノ」は、EMSをシルバーにし、装いもカラフルです。しかし、覗く事はあえて致しませんでした。
「オカトレーディング250ビノ」(ごめんなさい。名前が判りません)これは、本当に絶句です。双望会にきて確認してください。

ここで御礼!
各機材製作の皆様、わざわざ、私の眼幅に最大値を合わせて頂き有難う御座います。
この気遣いは、皆様のポリシーが一流である事の表れかと感じております。
儲かればいいという一般メーカーとは比較する事すら恥じらわれます。
本当に有難うございます。


2日目の夜は、流石に前日の疲れと満足感で、一度、休憩・風呂・夜食を挟み、食堂の座談会に立ち寄ると動けなくなりました。
暫くして、雲が出て来たそうで自分を慰めるのですが、別に悲しくない程の満足を得ています。

座談会では、重要な議題を燃料に任せ進め、またまた夜明けを迎えてしまった。
目的は翌日何とか遂行された様で、少しは前進していると考えられる???

仮眠をとり、閉会式を済ませ、片付けとなる。



今年は、双望会でリヤカーが用意され、大変重宝していたようである!!




そんなこんなで、またまたあっという間の三日間が終わり、又来年皆様にお会いする事を楽しみに娑婆で頑張ってきます!

「双望会」主催・スタッフの皆様、スターフォレスト清水さん。今年もこのパーティーを楽しめた事に感謝いたします。
来年も宜しくお願いいたしますね!

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